趣味2023.02.03

モデル Tsugumiがメルカリを使いこなすための、リアル検索キーワード10選【MY REAL KEYWORD】

欲しいものを探すときに検索で使うキーワードを様々な人に訊いてまわる連載。ここでは、日々膨大な数のアイテムが出品されるメルカリの中で、ものを選ぶ際の「指針」となるようなお話を伺っていきます。第五回目のゲストは、人生のいかなるタイミングでも「推し」が大量に存在するという、自他共に認めるエンタメ中毒のモデル・Tsugumiさん。いつも以上に個人的な「好き!!」が溢れたインタビューでは、カメラから文学、ファッションまで、実に幅広いジャンルのキーワードが飛び出しました。(撮影/信岡麻美、執筆・取材/長畑宏明[LIFT]、スタイリング/庄司洋介、ヘアメイク/Yunn、撮影協力/mimic & chillweeb、編集/メルカリマガジン編集部)

ーTsugumiさんはメルカリで普段何を買っているんですか?

Tsugumi フィルムのコンパクトカメラです。デジタルは何かと知識がないと使いづらいんですが、フィルムのコンパクトだったら誰でも入りやすいのかなと。最近は一般的にカメラの需要が増していて、中古のカメラ屋さんで買うとすごく高いんですよ。私の場合は自分が欲しい機種が決まっているので、メルカリでピンポイントで機種名を入れて探しています。

ー具体的には?

Tsugumi ミノルタのキャピオス75。時々25も。もう部品がないから、一度壊れたら修理できない。だから、できるだけストックを持つようにしています。キャピオス75はこれまで7回くらい買い直しているのかな。で、いま手元にあるのが2台ですね。

本記事ではこの写真のみ、Tsugumiさん所有のミノルタのキャピオス75で撮影。

ー機種の好き嫌いはどのポイントで判断するんですか?

Tsugumi まずはカメラ自体のビジュアルです。フィルムカメラって、近未来的な作りをしているものが多いじゃないですか。

ー分かります。「過去に考えられた未来」みたいな感じがして、愛着がわきますよね。

Tsugumi そうなんです。(キャノンの)オートボーイジェットとか正にそういう感じで。あと、一応どういう写真が撮れるかを当時の誰かのブログから調べて、雰囲気が良さそうであればとりあえず買ってみます。

ー価格の上限は決めていますか?

Tsugumi 基本は1万円以下。高価な機種の場合、さすがに詳しい説明がないと踏み出せません。
ー写真はいつから撮っているんですか?

Tsugumi 中学生からです。昔から写真集を見るのが好きだったんですが、たまたま家族が良さげなカメラを持っていたので、適当にパシャパシャ撮っていたら仕上がりが想像以上に良くて。コンパクトのフィルムって、誰が撮っても何となくオシャレにあがってくるんですよね(笑)。そこで「写真、楽しい!」って。

ー中学生で写真集を見る習慣があったなんて、なかなかの早熟じゃないですか。

Tsugumi 雑誌とか写真集とか、単純に本全般が好きだったので、子供の頃からよく古本屋さんに足を運んでいました。で、その入り口は小説でしたね。

ーTsugumiさんのSNSを拝見する限り、いつも小説をよく読んでいるイメージがあります。

Tsugumi もともと自分が通っていた小学校が厳しいところで、携帯の持ち込みも禁止だったから、本くらいしか娯楽がなかったんです。当時は行き帰りの道でも歩きながら本を読むような子でした。一番ハマったジャンルはホラー。あとはサスペンス、ミステリーも。最初に読んだのは……たぶん乙一さん。山田悠介さんの本も、当時は色んなところから文庫が出ていたんですが、それも含めて全部コンプリートしていました。

ー今の若い人たちは本を読まないと言われますが、やはり環境が変わると習慣もぜんぜん変わってきますよね。

Tsugumi 本当にその通りです。学校が厳しかったおかげで子供の頃から本を読む癖がつきました。ぜんぜん勉強をしない子だったんですけど、国語の成績だけは何もしなくても良かったですし。当時はクラスメイト同士で好きな本を共有することも多くて。

ーホラーやサスペンス以外で好きな作家さんはいますか?

Tsugumi 綿矢りささんと湊かなえさん。さくらももこさん、星野源さんのエッセイもよく読んでいましたね。ただ、私はどうしても家の中だと集中して読めないんですよ。途中でLINEの通知が来たらそっちが気になってしまって、気づくと20分くらい違うことをしているタイプ(笑)。だから自分にとって大切な本は、かならず喫茶店やカフェで読むようにしています。
ーでは、現在進行形で好きな作家は?

Tsugumi 芥川賞の受賞作はできるだけ読むようにしていますね。あとは……現在進行形かあ、誰だろう……そうだ、ホラー小説作家の三津田信三先生! 私は自分自身が驚かされるのが嫌だから、お化け屋敷とか心霊スポットは無理なんですが、小説は傍観者でいられるから平気なんです。

ーでは、ホラー映画ではどうですか?

Tsugumi 大好き! 映画館は完全に逃げられない空間ではあるんですが、それでもやっぱり傍観者でいられるじゃないですか。怖いという体験をエンタメとして楽しめる。いま話したことは誰かがどこかで書いていたことなので完全な受け売りなんですが(笑)、まさに私も同じだなって。

ーそれを共有できる人はまわりにいますか? 今は映画でもホラーがジャンルとして盛り上がっていますが、体質的に苦手という人も多い印象が……。

Tsugumi そうなんですよ。私のまわりもぜんぜん観てくれなくて、だから映画館では基本一人(笑)。

ーこの前、インスタのストーリーズ で「女神の継承」(タイ・韓国合作のホラー映画。日本では2022年に公開)を猛烈にプッシュされていましたよね。

Tsugumi 最近は「女神の継承」一択ですね。とにかく怖かった……他に印象に残っているのは、「エスター」「インシディアス」、あとは「マリグナント 狂暴な悪夢」。(「インシディアス」と「マリグナント」を監督した)ジェームズ・ワンってコケる時はコケるから、「マリグナント」も観る前は特に期待していなかったんですけど、これはホラー映画のあらゆるジャンルを網羅した映画で、面白かったですね。
ー今までの話をまとめると、Tsugumiさんの核には文学とホラー、写真があるんですね。普段はファッション業界で活動されていますが、ご自身の洋服をメルカリで購入することはありますか?

Tsugumi 正直言いますと、大量に服が出品されている中で、自分の感性で選ぶということが苦手なんです(笑)。一時期はニューヨーク・ジョー・エクスチェンジみたいな、大量に古着が並ぶスリフト系のお店にも通っていたんですが、だんだんあの凄まじい量を見るのに疲れてきちゃって……私は高円寺でよく買い物をするんですが、「川」とか「郊外SUBURBIA」のような、センスの良いオーナーさんが予め厳選してくれているお店が性に合います。

ーファッションの中でご自身が好きな系統ってあります?

Tsugumi 古着がメインで、その中でもフリフリしているものが好み。ブランドだと、シモーネロシャとか、ミケーレのグッチ、ガリアーノのマルジェラも。最近はアクネもよくフリフリのアイテムを出しているんですよね。
ー服にまつわる情報や文脈は気にする方ですか?

Tsugumi それって、「このブランドの、この時期の、このデザイナーが手がけているアイテムが欲しい」みたいなことですよね? 私にそういう気持ちは全くなくて、本当に自分の感覚でしか買っていない。メルカリだと、みんな細かいワードで検索して絞っている印象があります。

ーということはTsugumiさんにとっては、メルカリにも何かしらキュレーション機能があった方が買い物はしやすい?

Tsugumi そうですね。たとえば古着屋さんのオンラインショップなんかは普段からよく見るので。服に関しては誰か詳しい人、センスが良い人が作ってくれた軸があった方が便利かも。

撮影のロケーションで使用した古着店「mimic」にて古いMHL.のチノパンを2本ご購入!

ーあるいは、少し昔でいうところの「木村拓哉着」とか?

Tsugumi うんうん(笑)。最近だと「菅田将暉着」というのをよく見ますよね。

ーTsugumiさんにとってのファッションアイコンは誰ですか?

Tsugumi ファッションアイコンかあ……。「推し」に関していえば、私はこれまで生きてきた中で常に誰かしらを推しているんですよ。ただそれでも、その人のスタイルを完全に真似したいかというと、そうではない。同じ服を欲しくなったとしても、それは単純に「推しが持っているものを持っていたい」という欲求でしかないから。自分が着たいものはあくまで自分が似合うものなんですよね。

ー今の推しは……これもTsugumiさんのSNSを拝見しているとすぐに分かるんですが(笑)(BiSHの)アユニ・Dさんですよね。

Tsugumi はい、その通りです。アユニ・Dさんは圧倒的。iPhoneのホーム画面もツイッターで本人からレスがきたところのスクショなんで(笑)。あと最近は、なかやまきんに君も推しています。「三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)」にきんに君が出演した回は、全人類に聴いて欲しい。本当に何も意味がないから、落ち込んでいる時にピッタリですよ。

ー昔からずっと変わらない推しっていますか?

Tsugumi 水原希子ちゃん、ですね。見た目はもちろん、雑誌にモデルとして登場する時の変幻自在な姿にやられました。実は、私がモデルを始めて1年くらい経った頃、G.V.G.V.のショーで一緒になったことがあったんですよ。私は事前にそれを知らされていなくて、現場でモデルリストを見たら「Kiko」って書いてあるから、「!?!?」って。ご本人を見かけた時は、すぐトイレに駆け込んで号泣しました(笑)。

ー誰かへの憧れが強いモチベーションになっているんですね。

Tsugumi そうなんです、私は常に誰かをみて「いいな〜」って言ってるタイプなので。平手友梨奈さんも、小松菜奈さんも、ずっと好き。あと、往年のアイドルもみんな好きですね。
ー自分の推しって、やっぱり他の人にもプレゼンするんですか?

Tsugumi もちろん勧めたりはするんですけど……あのですね、自分が教えて気にはしてほしいんですが、そこから深くハマられると嫌なんです。面倒臭いですよね、分かってます(笑)。だって、アユニちゃんのことは自分が世界で一番好きだと思っているし。それこそ、藤井風さんとか、彼が歌なしでピアノを弾いている頃からずーーーっと好きで、高校生の時からまわりにレコメンドしまくっていました。でも、今やこれだけ売れちゃってみんなが「藤井風、藤井風」って言い出したから、悲しくて悲しくて。あいみょんだって、インディースのファーストシングルの時から好きだったんですよ。カラオケで中学の同級生に布教したりしている間に、あれよあれよとすごい状況になってしまって。しかも私、あいみょんの武道館にも藤井風の武道館にも、抽選で外れたんです……。

ーああ、初期ファンの嘆き……

Tsugumi いっそ手紙でも書こうかと思った。「ずっと好きだったんですよ」って(笑)。ほんと、いつもエンタメに救われてきた人間なんですよね。

ーでも、自分が好きなものを周りのみんなと共有するのが楽しいわけでもない?

Tsugumi ない!(キッパリ)ただ言いたいだけなんです(笑)。

Tsugumi

2000年4月12日生まれ。高校在学中よりモデル活動を始める。その後、数々のファッション誌、ランウェイショー、キャンペーン、企業広告に出演。趣味は写真、ギター、歌、映画や舞台の鑑賞。現在は歌や演技の分野へも活躍の場を広げている。

長畑宏明

1987年、大阪府生まれの編集者。お仕事の屋号はLIFT。2014年にファッション雑誌『STUDY』を創刊。近年の誌面では頻繁にメルカリで購入した古着を使用している。ちなみに、メルカリでいつも探しているのは、絶妙なプリントが入った80〜90年代のスウェットシャツとTシャツ。

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メルカリマガジン編集部

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