趣味2023.03.10

Dream Ayaがメルカリを使いこなすための、リアル検索キーワード10選【MY REAL KEYWORD】

欲しいものを探すときに検索で使うキーワードを様々な人に訊いてまわる連載。ここでは、日々膨大な数のアイテムが出品されるメルカリの中で、ものを選ぶ際の「指針」となるようなお話を伺っていきます。第六回目のゲストは、E-girlsを卒業後、アーティストから一転してフォトグラファーとして活動をスタートさせたDream Ayaさん。前回のTsugumiさんからカメラというキーワードを引き継ぎつつ、せっかくなので写真の道に進んだきっかけについても詳しく訊いてみました。現在進行形のAyaさんにぜひ触れてみてください。写真アカウント(@photobyaya_official_)も要チェックです!(撮影/信岡麻美、執筆・取材/長畑宏明[LIFT]、ヘアメイク/新井淑子、撮影協力/ポパイカメラ、編集/メルカリマガジン編集部)
ーAyaさんのインスタグラムを拝見していると、今の本業である写真の他にも、映画や登山、料理など、本当に色んなものを同時に楽しんでいる様子が伝わってくるんですよね。

Dream Aya 多趣味で、気になったことはとりあえず一回やってみる性格なんです。最近は20年間ずっと夢だった犬を飼い始めて、もう完全にわんちゃん中心の生活に切り替わりました。一人暮らしの時は仕事も忙しくて家を空けがちだったから飼えなかったんですけど、今は結婚して家族がいるので。名前はアラレっていうんですよ。

ーアラレちゃん、Ayaさんのストーリーズではかなりの高頻度で登場しますよね。めちゃくちゃかわいいのがSNS越しに伝わってきます。ちなみに生活はどう変わったんですか?

Dream Aya 以前は仕事のあと、ほぼ毎日くらいのペースで友達と飲み歩いていたんですが(笑)、それがパタっとなくなりました。アラレはまだ赤ちゃんなので、1日3回ごはんを食べないといけないんです。だから、夜はかならず8時までに帰るようにしていて。それに、自分が好きなことも変わってきたのかもしれませんね。これまでだったら、都心に住んで、たくさん仕事して、そのまま友達とごはんに行く日常に充実感があった。でも今は、夕方に高速に乗って家に帰る時間が一番好き。自分の中で、スイッチがオンからオフに切り替わるのが分かるんですよね。

ー今まではどちらかというとワーカホリックな生活を送ってこられたんですか?

Dream Aya どちらかというと、ではなくて、完璧に(笑)。周りからも「あんたはマグロか!(*マグロは泳ぎを止めると窒息死してしまう)」って突っ込まれるくらい。分単位で予定を入れないと落ち着かないタイプでした。例えば1日の中でぽっと3時間空いたら、すぐに近くで映画がやっていないか探しちゃうんです。
ーボーッとしている時間があんまりないんですね。

Dream Aya そうなんです。買い物も、例えば最近、発酵食品ソムリエの勉強をやり始めたら家の調味料をすべて換えたくなって、すぐにネットでポチったり。忙しない(笑)。

ーインプットもアウトプットも常に忙しいタイプ。

Dream Aya 休日に旅行へ行っても、そこで良いロケーションを見つけたらすぐに「撮影しよう!」ってなっちゃいますね。

ーそういう意味で、写真はどこでも撮り始められるから、Ayaさんの性格にすごく合っているんでしょうね。写真を撮り始めたのはいつごろなんですか?

Dream Aya 17歳の時にデジタルで写真を撮り始めました。フィルムにはじめて触れたのは20歳の頃。私の写真を見たヨネ(米原康正)さんから、「Ayaちゃんはぜったいフィルムが好きだと思うよ」と言われて、ナチュラ(富士フィルム)をプレゼントしてくださったんです。それで適当にパシャパシャ撮って現像に出したら、「何これめっちゃ良いやん!」って。ただ当時はお金がなかったので、使うフィルムは一ヶ月に一本だけ。その分すごく大切に撮っていましたね。
ーその頃はどんなものを撮られていたんですか?

Dream Aya 主にDreamのメンバー。ふだん遊んでいる中でパシャっと。私はカメラをいつも持っている人ではあったんですけど、メンバーは別に「Ayaはカメラマン」という認識ではなかったと思います。ただ、プロの方と違って私は楽屋の中でもシャッターを押せるし、メンバーのテンションも把握できるので、そういう意味でちょっと特別な写真にはなっていたのかもしれません。いま写真の仕事ができているのも、当時のメンバーのおかげですね。

ーAyaさんはE-girlsの写真集でフォトグラファーを務めていましたし、今でもよく(Dream時代から一緒だった)Amiさんの現場で写真を撮られています。Ayaさんの写真って全体的に澄み渡っているんですけど、そこに写っている人の表情がプロが考える完璧みたいなものとは違っていて、そのバランスが独特ですよね。

Dream Aya ありがとうございます、嬉しい。たしかに、ちゃんとかわいい顔でピースしてくれている写真は好きじゃないかも(笑)。私が撮りたいのは、みんなが見たことがない顔なんです。それも別に意識していたわけじゃないけど、写真集とかで商品化された時に、私はいわゆるプロのカメラマンさんとは違うことをやった方がいいんだなと実感しました。グラビアっぽいものは私じゃなくても撮れると思うので。

ーCM NOWというウェブメディアでは、若手俳優を撮る連載「女優とカメラとフィルムと。」を最近始められたじゃないですか。そこに掲載されている写真にもまさに他で見られないような表情があって。

Dream Aya 私はできるだけ、会話をするのと同じ感覚で撮影していきたいんです。初めましての子と2、3時間一緒に歩いて「休みの日は何してるん?」とかって話していくうちに、いろんな表情を見せてくれるんですよね。もちろん最初はかたくなっちゃうんですけど。
ーそのかたい表情もちゃんと写真もおさめていますよね。それもまたすごく良い写真で……そういえば、Ayaさんのカメラの変遷を教えてもらえますか?

Dream Aya 先ほどもお話したように最初はナチュラだったんですが、だんだん「撮りたいものが撮れない」というケースが増えてきたので、今度はオートフォーカスの一眼に切り替えようと。そこで見つけたのが、キヤノンのEOS-1。レンズは50mmを使っていました。EOS-1の「ガシャン!」っていうシャッター音がめちゃくちゃかっこいいんですよ。写真的な何かというよりもまずそれに惹かれていましたね。

ーシャッター音ってカメラを愛用し続ける上で実はすごく大事ですよね。

Dream Aya そうなんです。そのあと32歳で独立して本格的にフィルムカメラを学びたいと思った時に、周りのいろんなカメラマンさんから「学校は行かない方がいい」って言われたから、(フィルムカメラを専門に扱う)ポパイカメラに連絡してみたんです。そこで最初に購入したのが、ニコンのFE2。それとは別にサブ機としてハーフカメラのサムライをメルカリで買いました。今でもサブ機のフィルムカメラはメルカリで探すことが多いですね。
ー今のお仕事で使うのはフィルムがメインですか?

Dream Aya 私の作品やインスタを見て依頼してくださる場合はフィルムが多いです。Photo by Aya名義とは別に、フォトグラファーの高橋葉さんと組んだ彩葉(いろは)というユニットがあるんですが、そっちではデジタルでファッションをやることが多くて。ちゃんとディレクションしてスタジオで照明を組むような時には、彩葉の名義を使っています。

ーE-girlsを卒業された後、フォトグラファーとしてやっていける自信はあったんですか? アーティストとして大きいステージに立っていた方がクリエイターに転身することには不安もあったんじゃないかなと思うのですが。

Dream Aya それはもちろん、すごく怖かったですよ。実はアーティスト活動を引退後、2年間は裏方業務に携わっていたんですが、まわりのスタッフさんも元アーティストということでやっぱり気を遣ってくださる。私の気持ちとしては分刻みで働きたいんですけど、うまく立ち回ることができず、だんだん「働いていないのにお金だけもらっている」という感覚になっちゃって、なんとなく楽しくなかった。そこで、自力でゼロからやるなら今しかないし、仕事にするにはちゃんと勉強しないとなって。

ーポパイカメラで修行しようと思った理由は何だったんですか?

Dream Aya 使っていたナチュラが壊れた時に、どこのカメラ屋さんも「部品がないから」って対応してくれなくて、ポパイカメラさんだけが「これは何とかしたいですね」と真摯に取り合ってくれたんです。結局、どうしても部品が見つからず修理することは叶わなかったんですが、その姿勢に感激しました。入店してからは週5で通ってフィルムの扱い方を必死に覚えていく中で、だんだん写真のお仕事をいただくようになったんです。もしかすると、ポパイカメラがなければ地元に帰っていたかもしれません。(ポパイカメラの)石川専務がいてくれたから、写真の道に進むことができました。

ポパイカメラにはコロナ禍の休業期間を挟んで計3年間勤務。下写真でAyaさんと話しているのが石川専務です。

ーなるほど。

Dream Aya あと、現実的なことをいうと、修行しながらお金をいただけるのは有り難かった(笑)。私はそれまでアルバイトを一つもしたことがなかったので、はじめて封筒でお給料をいただいた時は、自分が働いた時間がこうやってお金になるんだと感激しました。

ーこの「MY REAL KEYWORD」はご本人の好きなものごとからキーワードを抽出していく企画なんですが、ついAyaさんが写真家として活動するに至る道のりが気になりすぎて、たくさん訊いてしまいました(笑)。ここで話題をガラッと変えまして、写真以外にも以前、映画に関する文章を書かれていましたよね。

Dream Aya 映画はめっちゃ観ますね。お母さんが映画好きで、小さい頃はいつも家で一緒に観させられていたんですよ。最初は「めんどくさ」って思っていたんですけど、だんだんハマっていって。その頃はネットがなかったので、海外の俳優名鑑を買ってもらって、好きな俳優を見つけてはその人たちの出演作を片っ端からレンタルしていました。近くのバットマンっていうお店で(笑)。

ー店主の好きなものが伝わる、非常に良い名前ですね〜。では、Ayaさんの生涯もっとも愛する作品を教えてもらえますか?

Dream Aya うわー、難しいなあ……なんだろう。でもやっぱり、一番好きなのは「E.T.」かな。何回観ても泣けるんです。あとは「湯を沸かすほどの熱い愛」も最高でした。中野量太さんの作品はどれも好きですね。あと「アウトサイダー」(1983年公開、フランシス・フォード・コッポラ監督作)も。そこでラルフ・マッチオが大好きになったんですよ。最近の作品だったら、松本壮史監督の「サマーフィルムにのって」がずば抜けて良かったです。
ーこの連載の最初のゲストは、「サマーフィルムにのって」で主演された伊藤万理華さんなんですよ。

Dream Aya そうだ、そうですよね! 最高の映画でした。あと、映画といえば私はポップコーンが大の好物(笑)。特に、TOHOシネマズかユナイテッド・シネマの塩ポップコーンが美味しいんですよ〜。家でも、チンしたらブワーってふくらむやつをでっかいボールに入れて、それを食べながら観ています。

ーそんなのぜったい最高の時間じゃないですか! 音楽に関してはいかがですか?

Dream Aya 昔は仕事柄聴きすぎっていうくらい音楽を聴いていたので、今は逆に家とかでは音楽をかけなくなりましたね。自分にとって特別な曲は、たとえば落ち込んだ時とかドキドキした時、自分の感情がグワっと動く時に聴きたいんです。

ーAyaさんにとって特別な曲、ミュージシャンって?

Dream Aya 甲本ヒロトさんです。一度Dreamがぜんぜん売れなくてエイベックスを解雇されてしまった時に、実家の母から「ブルーハーツが聴こえない」というDVDが送られてきたんですよ。何気なく観たらもう涙がとまらなくて。そこからヒロトさんが私の神様になりました。ブルーハーツも、ハイロウズも、クロマニヨンズも、全アルバムを借りて、今までヒロトさんが出演したラジオとかもすべて掘り起こして。その中でも、ブルーハーツのラストアルバムに収録されている「歩く花」は特別で、自分のテーマソングです。
ー音楽だと、いまZ世代の間でCDを中古で買う流れがあるんですよね。単にレコードより安いからだそうで。

Dream Aya わかりますよ。私も去年リリースされたクロマニヨンズのアルバムはメルカリで買いました。映画(「さかなのこ」)で大好きになったさかなくんがジャケットを手がけているんですが、限定盤についてる特典ステッカーがどうしても欲しくて(笑)。あと、自分のものを買い戻したこともあります。以前さくらももこさんがメンバー全員の絵を描いてくれたことがあって色んなグッズに展開されたんですが、その中にメンバーがもらっていないノートがあることをつい最近知りまして。1,000円くらいでメルカリに出ていたので、自分で買いました(笑)。

ーまさか本人が買い戻しているとは出品者は想像もしていないでしょう(笑)。その他にメルカリでよくポチるものってありますか?

Dream Aya 限定とかで今では手に入らない服を時々買います。ブランドで決まって好きなのは、ホリデイとビームス。あとローズバッドは昔からお店によく通っていました。

ーファッションの話でいうと、自分の記憶が正しければ、Ayaさんって昔ギャルでしたよね?

Dream Aya あー、それ、実は違うんですよ(笑)。ギャル雑誌にはよく出ていたんですけど、根はぜんぜんギャルじゃなかった。ギャルメイクも撮影の時だけやってもらって、終わったらすぐに落としていましたし。困るのは私服ページ。普段はデカめのワンピースにタイツにニット帽みたいな格好だから、私専用に衣装が用意されていたっていう(笑)。だって、はじめて買ったファッション雑誌がCUTiEなんですよ。セブンティーンでいったら木村カエラちゃんが好き、みたいな子だったんで、まったくギャルじゃないです!

ーやばい、ギャルを擬態していたわけですね(笑)。

Dream Aya 一人50体撮影しないといけない日に、そのモデルが彼氏と喧嘩したから行かない、なんてことも日常茶飯事でした。その代役を私がやらなきゃいけなかったりして、キツい日もありました(笑)。

ー今日は、まだ多くの人が知らないであろうAyaさんのバックボーンを知れた気がします。Ayaさんのように「いつでも軽やかに動いていいんだ」というムードがもっともっと出てくると良いですね。

Dream Aya  色んなことをやっていると、やっぱり「結局何が本業なの?」と言われることもあります。特にフォトグラファーにはお堅いイメージがあるし、私も仕事の中で恥ずかしい思いをしたくなかったから、ちゃんと修行しようと。「たいして勉強していないくせに」とか余計なことを言われなくなかったから。とか偉そうなことを言いつつも、根はサボりがちなところがあるし、楽しければ何でも良いっていうタイプなんですけどね(笑)。

Dream Aya

2017年7月に音楽活動を引退後、写真や絵などのアートな才能を活かしクリエイターとして活動をスタート。2020年1月より写真家として独立。現在は、写真家としてアパレルブランドのヴィジュアルやアーティストのジャケットなどの撮影にとどまることなく、さまざまな企業やメーカーのクリエティブディレクションやイラストなども手掛けている。 Instagram:@aya_dream04

長畑宏明

1987年、大阪府生まれの編集者。お仕事の屋号はLIFT。2014年にファッション雑誌『STUDY』を創刊。近年の誌面では頻繁にメルカリで購入した古着を使用している。最近メルカリでゲットしたのは、80年代ソニア・リキエルの、胸部分に小さいベロアスウェットがくっついているベロアスウェット。

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メルカリマガジン編集部

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