「家の中で楽しめるソロキャンプグッズ」リロ氏 #みんなのおうち時間

みんなはいま、どんな時間を過ごしているのだろう。

こんなときだからこそ、普段は人に見せない「おうち時間」を、ちょっとのぞかせてもらえませんか――メルカリマガジンのそんなお願いに、さまざまな書き手の方が〈寄稿〉というかたちで参加してくださいます。

誰かの自分だけの密やかな時間が、ほかの誰かを安らげ応援することが、きっとある。「みんなのおうち時間」では、多様な家での過ごし方と、とっておきのお気に入りアイテムをご紹介していきます。
(文・写真/リロ氏、編集/メルカリマガジン編集部)

なんでおうちでソロキャングッズ?

ぼくはキャンプで使う調理器具を使って、家の中で料理する動画をよくSNSに投稿しています。もともと自然が大好きで、9年前に狩猟を始めてからは、ひとりで山に行く機会が増えました。自分の心臓の音がうるさく聞こえるほどに静寂な冬山で、ぼーっと流れる雲を眺める。たったひとり山の中にいるだけで、何とも言えない充足を感じます。まるで人類で自分ひとりしか残っていないような孤独感と、同時に高揚感があるのです。狩猟シーズンオフは釣りやトレッキング、射撃などとローテーションしながら、月に1回ほど山の中でソロキャンプをしています。

家の中でキャンプ用の調理器具を使いはじめたのは、「ぶっつけ本番でアウトドア料理をすると、段取りがわからず失敗しそうだから、家で予行演習しておこう!」というのが元々のキッカケでした。今ではそれが楽しくなってしまって、日常的に使うようになっています。
自宅でアウトドア調理グッズを使うときは、備え付けのガスコンロの上にテーブルを置いて、換気扇の下で使用しています。そんなぼくが、いま家の中でも楽しめるソロキャングッズと、オススメの使い方を紹介していきます。

「ホットサンドメーカー」はホットサンドだけじゃない!

私物のホットサンドメーカー いつの間にかこんなに...

買ったはいいけれど、持ち腐れとなってしまいがちなホットサンドメーカー。でも、挟むのは別にパンじゃなくてもいいんです。
ホットサンドメーカーはいわば「お1人様用の両面焼きフライパン」、なんでも挟んで焼いてOK! ぼくのTwitterやblogを見てくださっている方はご存知かもしれませんが、キャンプではもちろん、家の中で一番愛用しているアイテムがこちらです。

まず、なぜホットサンドメーカーが普段の料理にも大活躍するのか、その凄いところを説明していきたいと思います!

全体に火を通しやすい絶妙なサイズ

ホットサンドメーカーは面積が狭いので、バーナーの火を当てやすく、全体に火を通しやすいんです。食パンサイズのホットサンドメーカーなら、少しの位置調整だけで全体をムラなく焼き上げることができます。

ひっくり返さなくても焼き加減を確認できる

フライパンで何かを焼く場合、焼き加減を目視確認するために、一度ひっくり返す必要があります。でもホットサンドメーカーなら、開くだけで両面の焼き加減を確認することが出来ます。「こっち側はもう少し焼き色を付けたいな」「右端がまだまだだな」と逐一チェックすることができるので、限りなく理想に近い焼き加減に調整することが容易です。

洗い物が少ない

焼きあがった後はホットサンドメーカーをそのままお皿にして食べることができます。分離すれば使えるお皿がもう1枚増えます。タレや調味料を入れたり、食べ終わった骨や串を置くといいですね。

隙間から余分な水分や油を捨てることができる

ホットサンドメーカーでお肉を焼くと、まるでオーブンで焼き上げたように表面をこんがり仕上げることができます。フライパンと違ってホットサンドメーカーを
ひっくり返す際に、余分な水分や油を捨てることができるのでカリカリの焼き上がりになるんですね。ホットサンドメーカーは内部が狭いので、すぐに温度も上がります。

ホットサンドメーカーは油跳ねが少ない

例えばトントロや鳥セセリ、イカのような油が飛びやすい食材だって、被害を最小限に焼き上げることができます。フライパンやホットプレートで焼く場合は箸で1枚1枚裏返す必要がありますが、ホットサンドメーカーなら閉じたままひっくり返して両面焼くことが可能です。焼き加減をチェックする際も一瞬開けて目視確認するだけなので、油跳ねを最小限に押さえられるのです。

では、具体的にどんな食材と相性がいいのでしょうか? 普段ぼくが「これはむしろホットサンドメーカーで調理した方が美味しい!」と思っているもの中から一部を紹介したいと思います。

手羽元やスペアリブでも芯まで火を通しやすい

安くて美味しい手羽元ですが、焼いてはみたけど中まで火が通ってなかった、なんてこともあります。ホットサンドメーカーなら両面からじわじわ火が通せるので簡単に焼き上げることができます。オーブン料理や煮込み料理のイメージが強いスペアリブも、ジューシーに仕上がります。

ホットサンドメーカーでこんがり焼いたスペアリブ。家の中で気軽に豪快なアウトドア料理を味わえる

ホットケーキやお好み焼き

ホットサンドメーカーなら「フライ返し」が必要ありません。閉じたままひっくり返せばいいだけですからね! なのでホットケーキやお好み焼きを形を崩さず簡単に作ることができます。

焼き魚もカンタン

シャケやカレイなどの魚でも、カタチを崩すことなく焼き上げることができます。フライ返しを使わずに両面にまんべんなく火を通すことができるのでホットサンドメーカーで焼き魚を失敗することはないでしょう。ぶつ切りにすればサンマだって焼けます!

ホットサンドメーカーは串ものに強い

意外かもしれませんが、ホットサンドメーカーでは焼き鳥のような串ものも焼くことが出来ます。ホットサンドメーカーの隙間から串が飛び出した状態で火にかけるのですが、中身の肉と串が挟まれてほぼ固定されますし、串を持ってくるくる回さなくてもホットサンドメーカーをひっくり返せば両面焼くことができます。

ここまでホットサンドメーカーの素晴らしいところを羅列してきましたが、注意点もあるので書いておきます。

ホットサンドメーカーは基本的に弱火

アルミのホットサンドメーカーはすぐに熱くなってしまいます。フライパン感覚で使うと中まで火が通る前に表面が焦げてしまうので、最初から弱火がオススメです。弱火でじっくり火を通してから、焼き目を付ける段階で火を強くする使い方がいいでしょう。

煮物系は苦手!

隙間から煮汁がこぼれてしまうので、水分の多い料理は苦手です。またお好み焼きやホットケーキの種もギリギリまで注ぎ入れるとあふれ出てしまいます。粉ものを焼くときは、水分を気持ち少な目にするといいですよ。

王道の「ダッチオーブン」はステンレス製で攻めろ!

2つ目にオススメしたいのが、少し上級者向けのダッチオーブンです。
ダッチオーブンといえば重い鋳鉄のイメージを持ってる方が多いと思います。鋳鉄製のスキレットやダッチオーブンは、維持管理に手間が掛かるデメリットがあります。空焚きしたり野菜くずを炒めたり等の使用前準備に加えて、保管する際には食用油を塗布し、錆びないようにしなければいけません。洗う時も洗剤を使用することができませんし、作った料理を一晩放置なんてこともできません。
使用前準備や維持管理を「いやいや、これぞダッチオーブンの醍醐味ですよ!」と思っている人もたくさんいますが、やはり普段使いとなると面倒です。

でも心配いりません、最近はステンレス製のダッチオーブンもあるのです。

ステンレスはおうちで使うのにいいぞ!

ステンレスは鋳鉄と違って錆びに強い金属です。なので使用前のシーズニングや油の塗布など面倒な作業は一切必要ありません。
普通の鍋と同じように使用することができますし、IHクッキングヒーターにも対応しています。作った料理を一晩放置しても問題ありません。

ラフに使える

ダッチオーブンなのでもちろん炭火の上でも使用できます。ガンガン空焚きしてもOKです。コーティングフライパンでは絶対にできないことですね。
さらに洗う時も鋳鉄ダッチオーブンと違って台所用洗剤で洗う事ができますし、金属製タワシで力いっぱいガシガシやっても全く問題ありません。錆びたり、コーティングが剥げる要素がないので維持管理が楽で長く使用することができますね。

ダッチオーブンで焼いた豚肉と野菜。旨味と甘みがぎゅっと閉じ込められている

ダッチオーブンレシピは無限大

ダッチオーブン自体は歴史が長く、王道のアウトドアアイテムのひとつです。つまりレシピ数がとにかく多い! 「ダッチオーブン レシピ」で調べれば先人たちが培ってきた技術とレシピをいくらでも集めることができます。

ステンレスダッチオーブンは高価

ステンレスダッチオーブン唯一の短所…それは値段が高いことです。
安いモデルでも1万円以上するのでアウトドア入門者には若干手が出しにくい金額かと思います…。
しかし上記の通りステンレスダッチオーブンは、とにかく維持管理が楽でラフに扱える優れものです。切った材料を入れて火にかけるだけ。食べたら洗剤と金属タワシだガシガシ洗ってハイおしまい。ズボラな人にこそステンレスダッチオーブンの満足度は高いはずですよ!

まるでおうちカフェ 直火式エスプレッソメーカー「マキネッタ」

最後に紹介するのは、直火式エスプレッソメーカーです。キャンプの時、焚き火などしながら自然の中で飲むコーヒーは格別ですよね。エスプレッソメーカーなら、手軽に濃厚なコーヒーを淹れられるので、おうちでもまるでお店でお茶をしているような気分が味わえます。そのままで飲むのはもちろん、濃いコーヒーで作るカフェラテやアイスコーヒーは格別です。

ぼくが使っているのは、イタリア生まれの直火式エスプレッソ―メーカー「ビアレッティ」のマキネッタです。中が2つに分離していて、下部に水を注ぎ、上部にコーヒーの粉を入れたら火にかけるだけ!

シンプル、フィルターいらず

マキネッタはフィルターなしでエスプレッソを淹れられますし、丸洗いできるのでお手入れも楽チンです。

サイズバリエーションが多い

ビアレッティ「直火式 モカ・エキスプレス」なら1カップ用から18カップ用までサイズバリエーションが豊かです。ぼくは3カップ用を使用していますが、コーヒー好きならもっと大きなものでもいいかもしれません。
エスプレッソ1杯なので1カップ用で作れる量はかなり少ないので3カップ用以上がオススメです。

泥水のように濃いコーヒー

エスプレッソ用のきめ細かいコーヒー豆を使えば、とても濃いコーヒーを淹れることができます。朝から手軽にエスプレッソがキメられますよ!

アイスコーヒーもオススメ

マグカップにたっぷり氷を入れてからエスプレッソを注ぐと、いい感じのアイスコーヒーが作れます。普通に入れたコーヒーで作ると薄めになってしまいますが、濃いエスプレッソで作るととてもおいしいです。

アフォガート

バニラアイスクリームにエスプレッソをかければアフォガートのできあがり!
ナッツやミントを添えるともっとおいしくなりますね。シメにもよし!

バーナープレートが必要かも?

ガスコンロのゴトク形状によっては、マキネッタをそのままのせることができないかもしれないので注意が必要です。その場合は別売りのガスバーナープレートや網などの上に置いて火にかけましょう。

今回ご紹介したソロキャングッズは、どれも家の中で気軽に使えながら、非日常感を感じられるものばかりです。こんなときだからこそ、毎日のおうちごはんに、アウトドア調理器具でエンターテインメントを加えてみるのもいいかもしれません。

リロ氏 
平成生まれのゆとり世代。20歳の冬に狩猟デビュー。いつもはサラリーマンで、猟銃所持歴9年目の週末ハンター。Twitter(@ly_rone)やブログで猟の様子や、アウトドア用品の解説やレビューなどを発信。2020年6月に初の書籍『リロ氏のソロキャンレシピ 』が発売予定。
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メルカリマガジン編集部

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