記念すべき第1回のゲストは、〈ティンバー クルー(TIMBER CREW)〉や〈ジャーナル スタンダード ファニチャー(JOURNAL STANDARD FURNITURE)〉で、フリーランスPRとして活躍する勝山龍一さん。〈マウンテンリサーチ(MOUNTAIN RESEARCH)〉小林節正さんがディレクションを手がけるキャンプ場「水源の森 キャンプ・ランド」のクルーでもあり、多くのアウトドア誌に出演する生粋のキャンプフリークとして知られています。
勝山さんにお気に入りのキャンプギアを持参いただき、キャンプが好きになった経緯や魅力について伺いました。
(撮影/山田裕之、取材・執筆/笹谷淳介、編集/古賀結花、メルカリマガジン編集部)
学生時代から好きだった外遊びを経て、キャンプの道へ。
勝山:20代半ばほどから本格的にキャンプをはじめたのですが、いまでは仕事として「水源の森 キャンプ・ランド」のPR業務を請け負っているということもあって、公私ともにとにかく機会は多いです。なんだかんだ、月8回以上のペースでキャンプ場に足を運んでいますね。
―かなりの頻度! 勝山さんがキャンプやアウトドアにそこまでのめり込んだきっかけについて教えてください。
勝山:ぼくは埼玉の浦和出身なんですけど、学生時代から秩父や長瀞方面に川遊びに行ったり、そのまま河原でBBQをしたり、バンガローに泊まって友人とワイワイするのが大好きで。その延長線上でキャンプも好きになっていきましたね。
最初は趣味の一環だったんですけど、この頃は仕事でキャンプに関わることが増えまして。なんなら去年も今年も、プライベートより仕事で行く回数の方が多いくらいで…。
―普段はどのようなキャンプスタイルで楽しんでいるんですか?
勝山:その日の気分で、背の高いギアで食卓をつくるハイスタイルのときもあれば、低めのチェアでゆったり足を伸ばすロースタイルのときもあります。ただ基本的には、小さくて軽いギアを使うことが多いです。自宅もマンションだったり、大きい車に乗っているわけではないので、積載量も限られてきます。昔は部屋にドーンっとギアを飾っていたりもしたんですけど、そこから徐々に絞って最小限でキュっと収まるものが最近は好みなんです。それでいて機能的にはちゃんとしているものをセレクトしていますね。
勝山:ぼくは、キャンプのときの服装も普段通りで行きたいんですね。“これから、キャンプに行きます!”というザ・アウトドアみたいな格好はあまり気分じゃないんです。だからギアもキャンプ感を感じるものは最近選ばなくなってます。日常使いできるかっていうのもひとつのポイントですね。さりげなく自宅に飾っても大丈夫なものか、普段でも着ることができるのかなど、大義名分としてはキャンプ用の服として買うんだけど、日常で使うということを重要視してるんですよ。
―ちなみにおすすめのキャンプ場などはありますか?
勝山:山梨県の道志村にある「水源の森 キャンプランド」はやっぱり、スタッフの一員としておすすめさせてください(笑)。まず都心から近いのが魅力です。道が混んでいても2時間もあれば着いてしまいます。オートキャンプ場ではないので車の乗り入れはできないんですけど、その分ギアを厳選して持っていったり、レンタルを利用して使ったことのない道具を試してみたり、そういったこだわりを楽しめるキャンプ場なのかなと。便利な点でいえば、受付棟にはフリーWiFiが完備されていたり、シャワーが24時間無料で使えたりなど、便利さと不便さのバランスが面白いキャンプ場じゃないかなと思いますね。
失敗を経験し気づく、キャンプの魅力。
勝山:とりあえず、一通りの失敗は経験しましたよ! 化繊のジャケットで焚き火をやって穴が空いちゃったり、気合を入れてキャンプに来たのに大事なもの忘れてるとか。キャンプビギナーがやりがちな最初の失敗は全部経験してますね。あとは夕方、うっかり川に入ってブヨに足を噛まれまくったのは辛かった…。
でもそれもひっくるめて面白い。ぼくの場合は失敗を経て、それをどう工夫するか考えるのが楽しいなと思えましたね。忘れ物をどこでリカバリーしようかとあれこれ考えたりして。そして結局、夜の焚き火と朝日で全部チャラになっちゃう。そういうのがキャンプのいいところですよね。
勝山:“寝袋はいいのを買え!”ですね。よく“何を買えばいいですか?”と聞かれることが多いんですけど、必ずこのアドバイスをしています。ビギナーの方としては、野外泊というだけで不安じゃないですか。テントという天候の影響をダイレクトに受けるなかで、“この布1枚で果たして眠れるのだろうか”って。だから寝袋に関しては質のいいものを買っておくと安心です。〈ナンガ(NANGA)〉や〈モンベル(montbell)〉あたりなら間違いないと思います。高品質なのはもちろん、国産ということもあって、アフターサポートも万全。それ以外のものは追い追いでいいんじゃないでしょうか。最初はたくさんギアを持っている人と行けばいいと思うし、キャンプ場でのレンタルもありますからね。
―勝山さんが思う、キャンプの魅力とは?
勝山:みんなとワイワイできることも魅力だと思いますが、結局キャンプって常に頭を使っているんですよね、便利ではないので。空を見上げて雨雲が出てくればすぐに天気予報を見ますし、風が強くなってきたらどう対応しようとか、忘れ物をしたときにはどうしようとか。なんか生きてる感じがするんですよ(笑)。都会の生活では感じられないことを感じられるというのは魅力じゃないですかね。
売る方でも買う方でも! 勝山さんのメルカリ術
勝山:売る方が多いんですけど、結構使ってます。読みたい漫画やキャンプ道具は常にチェックしてますね。多分、〈MSR(エムエスアール)〉の「パビリオン」っていうテントはメルカリで買ったんじゃなかったかな。
―買い物をするときはどのようにアイテムを探しているんですか?
勝山:本当に欲しいものを決め打ちで検索しているか、なんとなく眺めてるかの2パターンですね。どちらかというと後者で探してることが多いですね。たとえば今だったら、バイクにもう一度乗りたいなって思っているので、まず気になる車体名とかを入れて見てみます。すると、関連で違うバイクも出てくるじゃないですか。“こんなのもあるんだ”って情報を仕入れていくみたいな。そうやって違うところにどんどん飛んでいってということを繰り返していますね。
勝山:仕事柄、いろいろ買ったりしてものが増えるので、メルカリを活用することは多いですね。若い頃は、金欠なこともあってガンガン買っては売ってましたね(笑)。リユース系のお店やフリマで売るより高くは売れるので、一時期は頻繁に使ってました。
―ちなみに最近狙っているアイテムはありますか?
勝山:昔のテントとかはちょいちょい見てます。〈モス(moss)〉のテントとか。テントのなかでも名品と呼ばれるものも多くて、それを1度使ってみたいなと。人とは違ったものを探そうと思うと、どうしても廃盤になったモデルとかに行き着いちゃいますね。それと最近友人がSUPを始めたので、ぼくもやってみようかなと〈ソウユウスティック(SOUYU STICK)〉とか見たりしています。
勝山さんが選ぶ7つのキャンプギア
勝山:ジャグってけっこう幅をとるし、車でも家でも邪魔になることが多いんですけど、折りたためるものが出たらしいという噂を聞いて最近購入しました。自分のスタイルにも合ってます。実際に2回ほど使ってみたんですが、よく考えられた設計だなと。使い勝手抜群ですね。
勝山:ぼくはキャンプに持っていくお酒に関しては質より量、重視。保冷力の高さや持続性より、たくさん入るものを選びます。と言いつつ、〈AOクーラー〉はソフトタイプなのに保冷力も高いし、見た目もいいしでやっぱり買っちゃいましたね。大きいクーラーボックスは別で持っていて、こっちは食材専用になってます。350ml缶が12缶ほど入る仕様で、キャンプじゃなくて近所の公園でピクニックをするときはこっちにお酒を入れて使っています。街中で持っていても違和感のないデザインなのがホント、気に入ってるんです。ってことで、これより一回り大きい24パックも持ってます。
勝山:このクッションはコットの上で枕になるし、床に座るときも寄りかかれるしでとにかくちょうどいい。まあ単純に、こんな形のものがキャンプサイトにあるとかわいいじゃないですか。そういう見た目的なところを意識して購入しました。ただ使い勝手がいいので、ほとんど家で使ってます(笑)。
勝山:胸ポケットに収納してパッカブルになるコンパクトなディテールがいいですよね。とはいえ、難しくて自分でパッカブルにできないんですけど…(笑)。いい意味でポンチョ感がなくて、街中でも全然着れる感じ。バッグに忍ばせておいてさっと取り出せるのもいいですね。機能性はもちろん高くて、雨もなかに入ってこないし、蒸れないんです。なんでだろう。機能とかそういう話はぼくに聞くよりオフィシャルサイトでじっくり見てください!(笑)。 とにかく、出番の多いジャケットです。
勝山:キャンプに行くと結局、足元ってサンダルになっちゃうんですよね。最初はブーツ履いたりして気合い入れるんですけど、テントに何度も出入りするとき面倒で。このサンダルはふかふかの履き心地でノンストレス。海や川にも入れるので、気に入って2足も買っちゃいました。自分の普段の服装にもマッチするし、このサンダルも街で履けるので、気に入ってます。
勝山:すこし前までキャンプでは「ほりにし」なんかのスパイスがブームでしたけど、個人的には次に来るのはレトルトカレーだと思っています。キャンプに慣れてきた人は分かると思うんですが、もう最近は料理らしい料理はしないんですよ、面倒で。キャンプでカレーって王道だけど、大鍋で大量につくるんじゃなくて、いろんなレトルトカレーを鍋で湯煎して、それをちょいちょいつまむのが今っぽい気がします。ご当地カレーもたくさんありますし、最近のレトルトカレーは本当においしいですし。
勝山:とにかく人気の商品なので、見かけたらつい買ってしまうランタンです。低価格かつ、ひとつでもかなり明るくて、USBで充電できる優れものです。これをタープの中にいくつか吊るしておけば余裕で一晩過ごせちゃいますね。買ってからはこればかり使っています。同じものを使ってる仲間も多いから、ステッカーを貼ったりしてプチカスタムをして楽しんでいます。
勝山龍一
フリーランスPR / 2013年に大手アパレル企業に入社し、インテリア・ライフスタイルラインの立ち上げのスタッフとして参加。2021年5月よりフリーランスのPRとして活動をスタート。アウトドア好きが嵩じて、週の半分近くを山梨県道志村のキャンプ場「水源の森 キャンプ・ランド」の運営とPRを務めるというデュアルライフを送っている。
Instagram【https://www.instagram.com/ryuichi_katsuyama/】
企画・制作:フイナム編集部
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