ノスタルジー2023.03.30

【メルカリでも買える】車でスキーに連れてって!バブル時代に流行ったエンタメと周辺アイテムを振り返る

近年注目されている昭和・平成レトロなどの一昔前のカルチャー。なかでも1980年代後半から1990年代前半のバブルと言われる時代は、独特な雰囲気と強烈な都市伝説もあって、今でも度々話題にあがります。そこで今回は、実際にその時代を経験した方にお話を聞きました。聞き手は、バブルが完全に崩壊した後に就活を経験したというデイリーポータルZ編集部の安藤さんです。

(執筆/安藤昌教、編集/デイリーポータルZ編集部、メルカリマガジン編集部)

みんな車を持っているのが普通だった

最近「バブルの頃はよかった」そんな話をよく聞く気がします。「毎晩のようにディスコで踊っていた」「100メートル先だけどタクシーに乗って行った」「ブランドものが飛ぶように売れた」などなど。

今では信じられないド派手なエピソードで伝説のように語られる「バブル時代」について、実際にバブル時代を体験したという方に話を聞きました。本当にあったんですよ、バブルって。

今回バブルのお話を聞いた人

kiyoさん(写真左)
バブル時代に東京でOLをしていた。その後いろいろあって今は社長。

三瓶さん(写真中央)
バブル時代に川崎で居酒屋の店長をしていた。ただしバイトより給料は安かった。

デイリーポータルZ編集部 安藤(写真右)
バブルが完全に崩壊した後に就活を経験。50社以上受けました。
安藤:最近の若者は車に乗らないっていいますが、当時はみんな車持ってたんですか。

三瓶:車は中古でもいいからみんな持ってたかな。車がないと何もできなかったし、車さえあればどこでも行けると思ってた。

kiyo:車にはお金かけてたよね。私はスカイラインに乗ってた。GTRはオートマがなかったからGTS-tターボ。川崎の港まで走りに行って、港に積んであった材木に登って写真撮ったりしたなー。

川崎の倉庫にて。kiyoさんと愛車のスカイライン。

三瓶:まさにバブル。

安藤:すごい車だ。

kiyo:このあとはグロリアに乗ってたかな。グランツーリスモ。
安藤:kiyoさん、当時の写真が浅野温子みたいですよね。これで男性ばかりの職場でド派手なスーツ着て仕事してたんでしょう。モテて仕方なかったんじゃないですか。

kiyo:へへへ。

当時はだいたいこんな感じのファッションだった。

バブル期に流行ったエンタメと周辺アイテム

安藤:バブルの頃ってカルチャーとしては何が流行っていたんですか?

kiyo:映画だとトップガンだね。私がバイトしてたショップの向かいのお店がサザビーで、そこが一日中トップガンのサントラ流してたの。頭おかしくなりそうだったよ。だから私の中でバブルといえばトップガンかな。

三瓶:トップガンは確かに流行った。ファッションも音楽も。みんなトム・クルーズみたいな革ジャン着て家でコンポでサントラ聴いてたよね。
バブル時代のアイテムメモ
80年代から90年代にかけて、憧れの音楽プレーヤーだったのが家庭用のミニコンポ。いま再び「バブルコンポ」などと呼ばれて人気が高まっているようです。ダブルカセットデッキ、アンプ、FMチューナー、一番上にはレコードプレーヤーが乗っていました。ケンウッドとかパイオニアとか、黒くて四角いビルみたいなミニコンポをとにかく部屋に置きたくてたまらなかったのです。
バブル時代のファッションメモ
日本では90年代にストリートファッションとして大流行したフライトジャケットですが、その後も何度かの流行りを経て最近は定番化しつつあるようです。ちなみに映画トップガンでトム・クルーズが着ていたフライトジャケットはG-1タイプ。日本で大流行したMA-1は実はトップガンではトム・クルーズは着ていないんですよね。
安藤:映画でいうとプリティウーマンもその頃ですか?ジュリアロバーツの。
kiyo:その頃かな。あと不倫が流行ってたのもあの頃じゃない。男がみんなお金持ってたからってのもあるけど、不倫テーマのドラマもたくさんあった気がする。

三瓶:不倫だけじゃなくて普通に恋愛ものも多かったでしょう。いわゆるトレンディードラマと言われるやつ。男女七人とか私をスキーに連れてってとか。

トレンディードラマみたいな写真もありましたよ。

kiyo:でもそのころは仕事と遊びに忙しくてテレビ見る暇なんてなかったからわたし一つも見てないわ。
バブル時代のファッションメモ
トレンディードラマの影響を受けたファッションが流行したのもバブル時代の特徴でした。SNSどころかインターネットもなかった時代、テレビ発の流行が今よりずっと主流だったんですね。吉田栄作、織田裕二、加勢大周らが着ていたリーバイスと白のTシャツ、紺ブレやラルフローレンのシャツなどなど。渋谷に集まる若者から流行した渋カジや、トレンディードラマで活躍した俳優さんたちのファッションを真似した覚えのある人も多いのでは。

バブルは「迷惑をかけない範囲で好きにやろう」という時代だった

安藤:バブル景気が終わった瞬間っていうのは、実感としてあったんですか?

kiyo:証券会社とか銀行とか、業界によってはあったでしょうね。でも私たちはバブルの時期に最高に遊んで、大人になって落ち着いたあたりからちょうどバブルがはじけて、世界も落ち着いてきたから、無茶な遊びしなくなってきたのが体力の問題なのか景気の問題なのかよくわかんないんだよね。

安藤:まさにバブルとともに走り抜けたわけですね。バブル時代、いつかまた来ると思いますか?

kiyo:時代が変わったからね、もう来ないんじゃないかな。今はみんなそれぞれに我慢してるでしょう。体に悪いから食べすぎるのよそうとかタバコやめようとか。でも当時は我慢なんかしたらストレスがたまるから、人に迷惑かけない範囲で好きにやろうって時代だったの。そういう雰囲気が今はないじゃない。

安藤:今はみんなと同じじゃないと不安になりますからね。

kiyo:当時は逆!誰かと同じ服なんてぜったい着たくなかったから。

安藤:バブル時代は楽しかったですか。

kiyo:当時の若者にとっては楽しかったよ!

たしかにどの写真を見ても楽しそうです。

三瓶:kiyoはいつもバブルに帰りたいって言ってるもんな。

バブルは本当でした

実際に経験してきた人に話を聞くと、バブルという時代が伝説ではなくて、たかだか数十年前に同じ国で起きたことなんだと実感できました。いや、むしろすごい話を聞きすぎて、やっぱり夢だったんじゃないかとも思っていますが。

バブル景気は80年代後半に政府が実施した金融政策(公共事業の拡大や低金利政策など)が発端でした。企業や個人にお金がまわり、余ったお金が投資に回された結果、土地や株価が急激に上昇しました。

これが崩壊したのが90年代前半。同じく政府の金融政策の転換がきっかけです。バブル景気はその名のとおり、実態のある好景気ではなかったのです。

背景を考えると手放しで面白がることはできないですが、日本中が活気にあふれてカラフルなファッションが大流行した魅力的な時代だったことも確かです。

とはいえ今、バブル時代のファッション要素がまた流行ってるみたいなので、当時の流行りを最新のファッションに取り入れるもよし、当時買えなかった服を探すもよし、メルカリで気になったバブルのアイテムを探してみるのも楽しそうです。

バブル時代の記事はこちら

安藤昌教(あんどうまさのり)

デイリーポータルZ編集部勤務。ものをむかずに食べる「むかない安藤」としても活躍中。好きなものはカメラと恐竜。あとサメが出てくる映画。

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