近年注目されている昭和・平成レトロなどの一昔前のカルチャー。なかでも1980年代後半から1990年代前半のバブルと言われる時代は、独特な雰囲気と強烈な都市伝説もあって、今でも度々話題にあがります。そこで今回は、実際にその時代を経験した方にお話を聞きました。聞き手は、バブルが完全に崩壊した後に就活を経験したというデイリーポータルZ編集部の安藤さんです。
(執筆/安藤昌教、編集/デイリーポータルZ編集部、メルカリマガジン編集部)
(執筆/安藤昌教、編集/デイリーポータルZ編集部、メルカリマガジン編集部)
月収50万円のフリーターが存在したバブルの居酒屋
最近「バブルの頃はよかった」そんな話をよく聞く気がします。「毎晩のようにディスコで踊っていた」「100メートル先だけどタクシーに乗って行った」「ブランドものが飛ぶように売れた」などなど。
今では信じられないド派手なエピソードで伝説のように語られる「バブル時代」について、実際に体験したというお二人に話を聞きました。本当にあったんですよ、バブルって。
今では信じられないド派手なエピソードで伝説のように語られる「バブル時代」について、実際に体験したというお二人に話を聞きました。本当にあったんですよ、バブルって。
今回バブルのお話を聞いた人
kiyoさん(写真左)
バブル時代に東京でOLをしていた。その後いろいろあって今は社長。
三瓶さん(写真中央)
バブル時代に川崎で居酒屋の店長をしていた。ただしバイトより給料は安かった。
デイリーポータルZ編集部 安藤(写真右)
バブルが完全に崩壊した後に就活を経験。50社以上受けました。
バブル時代に東京でOLをしていた。その後いろいろあって今は社長。
三瓶さん(写真中央)
バブル時代に川崎で居酒屋の店長をしていた。ただしバイトより給料は安かった。
デイリーポータルZ編集部 安藤(写真右)
バブルが完全に崩壊した後に就活を経験。50社以上受けました。
安藤:三瓶さんはそのころに居酒屋の店長に?
三瓶:そう。入社してその日に「じゃあおまえ店長やれ」って言われて、課長代理になったんです。
安藤:コントみたいですが、日本中でそのくらい人が足りなかったってことですかね。
三瓶:どの業界も忙しくて人が足りなかったのは確かだよね。あと管理職にしておけばさ、残業代はらわなくていいから。当時はフリーターって言葉が出てきたころで、うちの店でも稼いでるフリーターは月50万くらい働いてたよ。店長のおれよりずっともらってた。
安藤:居酒屋の店長は忙しかったですか。
三瓶:ものすごかった。川崎の居酒屋だったんだけど、新宿店と競るくらいの売り上げだしてて。当時はほら、品川あたりにビルをばんばん建ててたから。
三瓶:そう。入社してその日に「じゃあおまえ店長やれ」って言われて、課長代理になったんです。
安藤:コントみたいですが、日本中でそのくらい人が足りなかったってことですかね。
三瓶:どの業界も忙しくて人が足りなかったのは確かだよね。あと管理職にしておけばさ、残業代はらわなくていいから。当時はフリーターって言葉が出てきたころで、うちの店でも稼いでるフリーターは月50万くらい働いてたよ。店長のおれよりずっともらってた。
安藤:居酒屋の店長は忙しかったですか。
三瓶:ものすごかった。川崎の居酒屋だったんだけど、新宿店と競るくらいの売り上げだしてて。当時はほら、品川あたりにビルをばんばん建ててたから。
ド派手服で会社に行くのが普通だった
安藤:みんな仕事も忙しいのに、よくそんなに飲みに行ったりとかして遊んでましたね。
三瓶:当時はホワイトカラーもブルーカラーも、忙しくてもとにかくよく飲みに行ってたよ。
kiyo:12時まで残業して、それから六本木行ったりしてたね。3時4時まで飲んで、ちょっとでも寝たいと思って家に帰りたくてもタクシーがつかまらないの。
三瓶:そうそう、タクシーは本当につかまらなかった。
kiyo:私は当時視力が2.0あったから、ものすごい遠くのタクシー見つけて手を振ったりしてたな。それでもちょっと手前で拾われちゃったりして。
安藤:今より物価が安かったりとか給料が高かったりしたわけではないんですよね?それなのにみんなどうして飲みに行って服買ってタクシー乗って、そんなバブルな生活ができてたんですか。
kiyo:もちろん業界にもよるんだろうけど、証券とか広告とかの業界は羽振りがよかったんじゃないかな。女子は飲み会でお金払わなくてよかったし、服は割賦で買ってたよ。
安藤:割賦?
三瓶:分割ですよね。たぶんどこかのデパートが始めたんじゃないかな。高いブランドのスーツとか買っても毎月分割で払えるの。
安藤:そういう工夫をして遊んでたわけですね。
kiyo:当時は工夫してるつもりはなかったんだけどね。とにかく日本中が活気にあふれてたから。どんどん使うのがよしとされる、みたいな雰囲気があったんだと思う。
安藤:kiyoさんはどんな服を着て仕事に行ってたんですか。
kiyo:肩パットの入った派手なスーツ着て営業行ってたよ。あと正月は会社に振袖を着て来る風潮があってね。
三瓶:当時はホワイトカラーもブルーカラーも、忙しくてもとにかくよく飲みに行ってたよ。
kiyo:12時まで残業して、それから六本木行ったりしてたね。3時4時まで飲んで、ちょっとでも寝たいと思って家に帰りたくてもタクシーがつかまらないの。
三瓶:そうそう、タクシーは本当につかまらなかった。
kiyo:私は当時視力が2.0あったから、ものすごい遠くのタクシー見つけて手を振ったりしてたな。それでもちょっと手前で拾われちゃったりして。
安藤:今より物価が安かったりとか給料が高かったりしたわけではないんですよね?それなのにみんなどうして飲みに行って服買ってタクシー乗って、そんなバブルな生活ができてたんですか。
kiyo:もちろん業界にもよるんだろうけど、証券とか広告とかの業界は羽振りがよかったんじゃないかな。女子は飲み会でお金払わなくてよかったし、服は割賦で買ってたよ。
安藤:割賦?
三瓶:分割ですよね。たぶんどこかのデパートが始めたんじゃないかな。高いブランドのスーツとか買っても毎月分割で払えるの。
安藤:そういう工夫をして遊んでたわけですね。
kiyo:当時は工夫してるつもりはなかったんだけどね。とにかく日本中が活気にあふれてたから。どんどん使うのがよしとされる、みたいな雰囲気があったんだと思う。
安藤:kiyoさんはどんな服を着て仕事に行ってたんですか。
kiyo:肩パットの入った派手なスーツ着て営業行ってたよ。あと正月は会社に振袖を着て来る風潮があってね。
安藤:仕事にならないじゃないですか。
kiyo:ほんと、こんな恰好で代理店の廊下とか歩いてたからね。今だと信じられないでしょう。
kiyo:ほんと、こんな恰好で代理店の廊下とか歩いてたからね。今だと信じられないでしょう。
安藤:男性はどうだったんですか。
三瓶:男はやっぱり高い時計とかスーツに金かけてたんじゃないかな。ベルサーチとかダンヒルとか。あとは車かな。
三瓶:男はやっぱり高い時計とかスーツに金かけてたんじゃないかな。ベルサーチとかダンヒルとか。あとは車かな。
バブル時代のファッションメモ
80年代にビートたけしが着ていたようなカラフル柄が今の若者の間で再び人気だといいます。カラフルな花柄とかポップな色合いをセンス良く着こなすには、今風のスタイルの中に当時のアイテムをバランスよく取り入れるスキルが必要なのかも。
80年代にビートたけしが着ていたようなカラフル柄が今の若者の間で再び人気だといいます。カラフルな花柄とかポップな色合いをセンス良く着こなすには、今風のスタイルの中に当時のアイテムをバランスよく取り入れるスキルが必要なのかも。
バブル時代のファッションメモ
バブル時代は身に着けるものもド派手が基本だったとのこと。当時流行していたシルバーとゴールドのコンビの時計ですが、じつは今また注目されているようです。バブルならではのゴージャスなアクセサリーも、いまのファッションに合わせてみると意外としっくりくるのかもしれません。
バブル時代は身に着けるものもド派手が基本だったとのこと。当時流行していたシルバーとゴールドのコンビの時計ですが、じつは今また注目されているようです。バブルならではのゴージャスなアクセサリーも、いまのファッションに合わせてみると意外としっくりくるのかもしれません。
デジタルが無かったからアナログで繋がるしかなかった
安藤:みんなおしゃれしてかっこいい車に乗ってたんですか。
kiyo:今はSNSとか、一人でも楽しめるツールがいろいろあるじゃない?でも当時は車がないと友だちにも会えないしなにも出来なかったの。夜中に走りに行ったりとか、今だったらなんでって言われちゃうかもしれないけど、他に人とつながるツールがないから引きこもっていられなかったわけ。
kiyo:今はSNSとか、一人でも楽しめるツールがいろいろあるじゃない?でも当時は車がないと友だちにも会えないしなにも出来なかったの。夜中に走りに行ったりとか、今だったらなんでって言われちゃうかもしれないけど、他に人とつながるツールがないから引きこもっていられなかったわけ。
安藤:そうか、今だと車がなくてもスマホがあれば外とつながれちゃいますからね。
三瓶:逆に当時は車さえあればどこでも行けるって思ってた。日本中に熱気があって、社会が変わろうとしてるんだなっていうのは実感できたよ。
バブル時代のど真ん中にいた二人はものすごく楽しそうに当時の話をしてくれる。バブルは狂乱の時代なんてイメージがあったけど、もしかしたら日本中が盛り上がって一つになっていた時代だったのかもしれない。
次回はファッション以外の流行りものについても聞いてみます。
三瓶:逆に当時は車さえあればどこでも行けるって思ってた。日本中に熱気があって、社会が変わろうとしてるんだなっていうのは実感できたよ。
バブル時代のど真ん中にいた二人はものすごく楽しそうに当時の話をしてくれる。バブルは狂乱の時代なんてイメージがあったけど、もしかしたら日本中が盛り上がって一つになっていた時代だったのかもしれない。
次回はファッション以外の流行りものについても聞いてみます。
安藤昌教(あんどうまさのり)
デイリーポータルZ編集部勤務。ものをむかずに食べる「むかない安藤」としても活躍中。好きなものはカメラと恐竜。あとサメが出てくる映画。
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