アウトドア2023.03.10

キャンプは道具に沼る。外遊び人たちの偏愛品。vol.5 GOLFOUT 佐藤佳代

この連載では、アウトドア道具を見て、買って、使っている外遊び人たちが、個人的に推せるものについて自由に語ります。

5回目となる今回のゲストは、主に雑誌『GOLFOUT』でPRを担う佐藤佳代さん。アメリカ発のアウトドアブランド〈チャムス〉での広報経験を活かして、『GOLFOUT』以外にもPRやSNS運用など、アウトドアをフィールドにしながら多岐にわたって活動されています。

とにかく野外フェスへの出現率が高い佐藤さん。もちろんテント泊の装備もバッチリです。佐藤さんにお気に入りのアウトドアギアを持参いただき、話を伺いました。
(撮影/山田裕之、取材・執筆・編集/古賀結花、メルカリマガジン編集部)

ボーイスカウトの経験を手に、野外フェスを渡り歩く。

―以前〈チャムス〉でPRされていた時から、野外フェスでお見かけすることが多かったように思います。

佐藤 ですね。ベースとしてはフェスがあって、そこで寝泊まりするためにキャンプするっていうイメージです。春から秋の終わりくらいにかけて、キャンプインのイベントはほぼ行ってるかも。

冬場はフェス自体がやってないのでお休み期間です。辛いキャンプはしたくないから…(笑)。
―キャンプするフェスだとやっぱり「FUJI ROCK」とか?

佐藤 「FUJI ROCK」は毎年行ってます。大きなフェスなので、〈チャムス〉時代は設営や撤収も含めて1週間も滞在してました!2021年はコロナもあって、まだ規制が厳しかったですけど、2022年は感染症対策をしつつも例年のように賑わってました。

―キャンプに行きはじめたのはフェスがきっかけなんですか?

佐藤 音楽が好きだったり、一緒に行く人がいたのでフェスは大学生になってからよく行くようになったんですけど、初めてのキャンプはもっと前ですね。

小学生からボーイスカウトに入っていて、子供のころは活動の一環で夏季キャンプに行ってました。親もちょうどキャンプブーム世代だったので、家族でもよく行ってましたよ。一番最初のきっかけはファミリーキャンプだった気がします。

年齢が上がるにつれて、キャンプの頻度も減っていたんですけど、大学を出てアウトドアブランド〈チャムス〉のPR担当に就いてから、また頻繁に行くようになりました。

アウトドアプロモーターとの出会い。

―キャンプには幼少期から親しんでいたんですね。大学卒業後はアウトドア業界に行こうと考えていたんですか?

佐藤 元々アウトドア、と決めていたわけではなかったです。ちょっと紆余曲折ありまして。まず大学時代、アウトドアプロモーターと名乗る大木ハカセさんに出会ったのがきっかけです。
―アウトドアプロモーター…というのは、一体どういう活動をしている方なんでしょうか?

佐藤 大木ハカセさんはなんていうか、とにかくアウトドア業界に精通している人って感じです。仕事の幅もすごく広くて、キャンプイベントのコーディネートをしていたり、あるアウトドア系テレビ番組のブッキングを任されていたり。その方がイベントの仕事でうちの大学に来たんです。

ところで、登山家の竹内洋岳さんってご存じでしょうか? 世界的に山登りが注目されていた時代のクライマーで、世界で29人目かつ、日本人唯一の8000メートル峰全14座を登りきった方です。

―すごい記録です、初耳でした。確かに、高い山に登頂するのがある種のステータスのようになっていた時代がありましたね。

佐藤 私は竹内さんと同じ大学出身で、私の在学中に竹内さんは全14座制覇から60周年を迎えました。

そこで学生が中心となったイベントが何かできないかと竹内さんが持ちかけた相手が、大木さんだったんです。
―話が繋がってきましたね。佐藤さんはもしかしてイベント主催に参加されたとか?

佐藤 まさにです! 就活に向けたネタづくりも兼ねて、何か楽しいことができればいいな、くらいの気持ちではありましたが…(笑)。

そこで大木さんと知り合って、結構しっかりイベントにコミットしてましたよ。竹内さんが世界で初登頂した山がネパールにあるってことで、わざわざ現地まで行って民芸品なんかを買い付けて、イベントで売るとか。

―貴重な体験ですね。

佐藤 そしていよいよ就活の時、大木さんが〈チャムス〉のイベントを手伝っているツテで、“PRの子がもうすぐやめるらしいから、〈チャムス〉受けてみたら?”と言ってくれて、面白そうだったので面接を受けて入社することになったんです。

キャンプづくしの4年間。

佐藤 入社してからは公私ともに、特に仕事で何度もキャンプに行きました。毎シーズンのカタログ撮影に、イベント出店に、雑誌などメディアの撮影立ち会いなどなど。〈チャムス〉にいた4年ほどの間に100回くらい行ってる気がします(笑)。

―それはすごい回数です。一年中キャンプをしているイメージでしょうか。

佐藤 そうですね。日帰りのときもあれば、必要なときは二泊、三泊ということもあるので、一概には言えませんが回数は多い方だと思います。

―何度もキャンプに行く中で、道具も集めていったという感じでしょうか?

佐藤 元々フェスが好きだったこともあって、チェアとかちょっとしたギアは持ってました。仕事だと、テントなんかは会社の備品を持っていくことが多かったので、大物はそんなに揃ってなかったりします。代わりに小物をちょこちょこ集めたり、アップデートしたりしていました。
―プライベートでも結構キャンプには行ってますか?

佐藤 〈チャムス〉で一緒に働いていたメンバーや、仕事で知り合った方とグループで行くことが多くて、最近も寒さに耐えながら行ってきました。

楽しいことが好きなので、カードゲームみたいな、みんなで遊べるものとか盛り上がりそうなものを持っていったりして、夜まで盛り上がるのがいつものパターンです。会社勤めじゃなくなった分、平日もたくさんキャンプに行くことになりそう。

佐藤さんこだわりのキャンプギア6選

〈チャムス〉での4年間を通して磨かれた審美眼による珠玉のセレクト。見落としがちな小物類は要チェックです。

キャノンのinspic ミニフォトプリンター

チェキとかガジェット系のカメラはひと通り遊んでみたんですけど、やっぱりスマホで写真撮るのがいちばん楽だなと気づきました(笑)。Bluetoothでスマホのアプリとつなぐと、撮った写真がすぐに印刷できるものです。パッと撮って印刷して、その日の記念に。

KAVU ボアグローブ

いつものキャンプ仲間とクリスマス会をしたときに、プレゼント交換でもらったものです。キャンプは手先を使う作業が多いから、普通の手袋だと不便なんですよね。ちょっとした贈り物をするならこれ、おすすめです。

『GOLFOUT』のポーチ

『GOLFOUT』主催のゴルフコンペに参加したときに、景品としてもらったものです。なので非売品なんですけど、22年の秋に発売した『GOLFOUT』2号で〈パシフィック ゴルフクラブ〉とコラボしたものが付録になっています。見た目はそっちのがかわいいですよ(笑)。ライトとかちょっとした小物を入れてます。

阿蘇ロックフェスティバルのパイントカップ

なんだかんだフェスの公式グッズってつい買っちゃいます。デザインに力を入れているところも結構ありますよね。これは2021年の『阿蘇ロック』で手に入れたもの。たっぷり入るサイズ感がよくてキャンプのときも使ってます。買い損ねたものや、昔のグッズこそメルカリで探すと出てきたりしますよ。

リーボックのビートニク モック

最初は〈クラークス〉の「ワラビー」をいいなーと思ってチェックしてたんですけど、今流行ってるのもあって、街中で履いている人がめちゃめちゃ多いんですよね。人とはちょっと違うものを、と思ってこれにしました。冬キャンプに履いていくのにいいですよ。中央を縫い合わせたデザインがポイントです。

マーモット×ヴァイナルアーカイブ ダウン

毎年人気のコラボダウンです。特に17年に発売されたこのダウンは、写真家・小浪次郎さんによるフォトタグがつけられていて、中まで凝ったデザインになってます。冬のキャンプ撮影用に買って以来、手放せません。

佐藤佳代

大学卒業後、アウトドアブランド〈チャムス〉でPRとして4年間勤務したのち、フリーランスへ。雑誌『GOLFOUT』を中心に、アウトドアをフィールドにしながらPRやSNS運用などさまざまな仕事を手がける。@satokayohttps://www.instagram.com/satokayo/】

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メルカリマガジン編集部

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