ノスタルジー2023.03.28

【バブリーアイテムも紹介】「バブル時代」は本当にあった!ファッションも仕事も全力だった当事者に話を聞いてみた

近年注目されている昭和・平成レトロなどの一昔前のカルチャー。なかでも1980年代後半から1990年代前半のバブルと言われる時代は、独特な雰囲気と強烈な都市伝説もあって、今でも度々話題にあがります。そこで今回は、実際にその時代を経験した方にお話を聞きました。聞き手は、バブルが完全に崩壊した後に就活を経験したというデイリーポータルZ編集部の安藤さんです。

(執筆/安藤昌教、編集/デイリーポータルZ編集部、メルカリマガジン編集部)

今はなき、バブル期の必需品とは?

最近「バブルの頃はよかった」そんな話をよく聞く気がします。

「毎晩のようにディスコで踊っていた」「100メートル先だけどタクシーに乗って行った」「ブランドものが飛ぶように売れた」などなど。

今では信じられないド派手なエピソードで伝説のように語られる「バブル時代」について、実際に体験したというお二人に話を聞きました。本当にあったんですよ、バブルって。

今回バブルのお話を聞いた人

kiyoさん(写真左)
バブル時代に東京でOLをしていた。その後いろいろあって今は社長。

三瓶さん(写真中央)
バブル時代に川崎で居酒屋の店長をしていた。ただしバイトより給料は安かった。

デイリーポータルZ編集部 安藤(写真右)
バブルが完全に崩壊した後に就活を経験。50社以上受けました。
安藤:僕は就職氷河期と言われた時代にまさに就活を経験したので、バブル時代っていうものを伝説のようにしか聞いたことがないんです。ジュリアナで羽の付いた扇子を振って踊ってる写真なんかを見ると、すごい時代だったんだなとは思うんですが、今から考えるとあまりにもリアリティがないというか、本当にそんな時代があったのかなと思ってしまって。
kiyo:バブルっていうと80年代後半から90年代の前半ですよね(※)。ジュリアナなんかはもうバブルのあと、本当に景気が良かった時期が終わった後だったんじゃないかな。私は80年代の後半に高校を卒業?いやまだ高校生だった頃かな、渋谷のワンオーナインっていう若者ブランドが入ってるファッションビルでバイトしてて、そのまま誘われて店長になったの。だから就活とかまったくしたことなくて。

※一般的に1985年ごろから1991年ごろまで、日本で起こったバブル景気の時代をバブル時代といいます。

安藤:今の109ですか?じゃあ本当にど真ん中の時期に渋谷にいたんですね。当時の渋谷はどんな雰囲気でしたか?

今の渋谷

kiyo:当時の原宿とか渋谷とかって、街を歩くだけで楽しかったよ。今は同じような無地の服ばかりがウインドーに並んでるじゃない、でも当時はウインドーショッピングって言葉があったくらいで、珍しい服とか見たことない柄ばかりが並んでて、見てるだけでワクワクしたもの。

安藤:たしかに今は奇抜なものほど売れにくくなくなっているのかも。多様性とか言ってるけど、バブル時代の方がずっと多様性があったのかもしれないですね。

kiyo:それはほんとそう。当時は街も人も、みんなとにかくカラフルだった。でもその時のアパレル業界が忙しすぎて結局身体を壊しちゃって、そのあと近所の知り合いに無理やり印刷会社の面接に行かされて、行ってみたらもう名刺ができてて、みたいな。その日から働くことになったの。

安藤:就職氷河期だった僕らからするとその就活スタイルも別世界です。

kiyo:当時はとにかく人が足りなかったからね。会社で営業職の男性30人くらいの中で私一人が女性で、社員旅行とか行っても100人以上にビールついで回ったりしてた。

当時の写真。こうして紙焼きのアルバムがあるのも時代を感じます。

三瓶:そういう文化も今では考えられないよね。社員旅行とかだって、当時は当たり前のように毎年行ってたけど、今だと「それって仕事ですか?」とか言われちゃいそう。

kiyo:当時は毎年社員旅行で温泉とか行ってたね。そのあと広告関係の仕事をするようになって、その頃の広告業界はほんとバブル真っただ中だったからさ、みんなポケベルもって年中呼び出されてた。ショルダーの携帯持ってる人もいたりしたかな。

写真で振り返る。バブル期のレディースファッション

安藤:その頃の写真なんてあったりしますか?

kiyo:ある。すごいよ。
安藤:すごい。ヒョウ柄ですか。
kiyo:そう。当時はヒョウ柄とかとにかく派手な色、あと水着はハイレグが流行ってた。肩パットも。

kiyo:オフィスはこんな感じ。

トレンディドラマのワンシーンのよう。

安藤:みんなこんな恰好してたんですか。あぶない刑事じゃないですか。デスクにパソコンが一台もないのも時代を感じます。

kiyo:みんなこんな感じだったよ。あとはハイウエストとか太いベルトとかもかな。私服ではとにかくへそとか肩とか、出せるところは出してた気がする。

「出せるところは出していた」という当時のファッション。

バブル時代のファッションメモ
太い眉に真っ赤なリップなど、バブル時代はメイクもカラフルで派手なものが流行りました。イブサンローランやシャネル、ディオールなど、ハイブランドの真っ赤なリップスティックが女性のバッグには欠かせなかったといいます。
バブル時代のファッションメモ
80年代はいわゆるDCブランド(デザイナーズ、キャラクターブランド)が誕生した時代でした。バブルというとカラフルなイメージがありますが、逆に黒一色でまとめた「カラス族」と呼ばれるよりファッション感度の高いスタイルも流行したようです。
安藤:仕事自体は忙しかったんですか。

kiyo:忙しかったと思うよ。お金がどんどん動いてた感じはする。当時どこかの企業のパンフレットを作ることになったんだけど、とにかく大量に刷らなきゃいけなかったし時間もなかったから、タクシーに自分は乗らずに色稿の見本だけ乗せて代理店まで走らせたりしてたもの。

三瓶:バイク便なんかもすごい数走ってたよね。今はもうほとんど見ないけど、当時は月契約したりしてた。

当時を思い出すkiyoさん。

熱狂のバブル時代は本当にあったのだ。次回も引き続きファッションについて聞きました。

安藤昌教(あんどうまさのり)

デイリーポータルZ編集部勤務。ものをむかずに食べる「むかない安藤」としても活躍中。好きなものはカメラと恐竜。あとサメが出てくる映画。

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