ファッション2020.10.20

「みんな違うけど、みんな美しい」水原希子が日本の仮装文化とメルカリのヘビーユーズを語る

好きなものと生きていく #33

女優、モデル、デザイナーとして、ボーダレスに活躍する水原希子さん。このたび「ハロウィンをもっと自由に、もっと優しく。」をテーマにしたオンラインイベント「メルカリハロウィンアワード」の初代アンバサダーに、YOKO FUCHIGAMIさんと一緒に就任しました。審査員として「サステナブル賞」や「メルハロアワード大賞」の選考もつとめます。

水原さんといえば、SNSに上げるハロウィン仮装の写真が毎年話題になるなど、自他共に認めるハロウィンフリーク。「驚かせたい気持ちがあるから、なるべく人とかぶらないテーマを狙ってます」という彼女の仮装は、とてもユニークです。家のクローゼットにあるものを組み合わせたり、古着を集めてコンセプトを表現したり。「実はめっちゃヘビーユーザー」というメルカリも、水原さんのハロウィン仮装に一役買っているんだとか。

「日本のハロウィンが世界で一番個性的だと思う」という水原さん。ファッション業界の第一線で活躍する彼女に、仮装文化から受けた影響や多様性への想い、そしてハロウィンとサステナビリティについて聞きました。(撮影/神藤剛、編集/メルカリマガジン編集部)

ファッションの原体験は子ども時代の“仮装”だった

――水原さんがインスタグラムを開始した2012年から、ほぼ毎年ハロウィンに仮装やパーティーの写真を上げられています。ハロウィンを好きになったきっかけは? 

子どもの頃から、仮装が大好きだったんですよ。昔うちには「仮装用の棚」があって。父方のアメリカのお祖母ちゃんが、向こうで買ったアクセサリーとか、ハンドメイドで作ってくれたコスチュームとかをよく送ってくれてたんですね。プリンセスのドレスみたいなものから、スパンコールのワンピースとか、ハワイアンのレイとか、フェザーのストールとか。学校から帰ってくると毎日のように、その棚から服を選んでドレスアップして、お友だちと“ごっこ遊び”をしていました。誰かに変身できるワクワク感が好きだったんです。あの頃の影響でファッションが大好きになったし、モデルになりたいとも思ったんですよね。

――水原さんのファッションの原体験が仮装だったんですね。

そうなんです。そのまま、大人になっちゃったという感じで(笑)。日本だと思いっきりドレスアップする機会も少ないから、ハロウィンは唯一、自分の好きな仮装を100%できる日。どんな格好をしていても誰にも何も言われないし、みんながドレスアップしてるのを見るのも楽しい。ハロウィンの日だけは何にでも変身できるって、ちょっと魔法にかかったみたいじゃないですか。だからハロウィンが好きなんですよね。
――過去にSNSで「ファッションと音楽は現実逃避 私たちを癒してくれる魔法」と投稿をされていたのが印象に残っています。

ファッションにも通じることですけど、非日常の装いをするって、現実逃避でもある一方で、新しい自分と出会うことでもあると思うんです。服を着たり仮装するって外見のことだけど、同時に知らない自分の内面が引き出される行為じゃないですか。たとえば男の子がスカートを履いてみたとき、突然しぐさが女の子っぽくなるとか。仮装っていうと、ちょっとギャグというかコメディみたいなイメージもあるけど、自分を解放したり再発見できる、結構重要な体験なんじゃないかと思いますね。

メルカリのほうがオリジナルなアイテムが見つかる

――水原さんご自身は仮装のアイディアはどこからインスピレーションを得ているのでしょうか?

仮装のコンセプトを決めるのは、実はいつも本当にギリギリ! でも、なるべく誰もやってなさそうなテーマを選ぶかな。「驚かせたい」っていう気持ちがすごい強いので、他の人と比較的かぶらなそうで、変化球!みたいな感じを狙ってます。そういう意味では、私メルカリをめちゃくちゃ使ってますよ。ハロウィンのアイテムも新しいものを買うより、メルカリのほうが面白いものとか、オリジナルなものがみつかることが多くて。なんじゃこのコルセットは!みたいな(笑)。私はいつも必ずチェックします。それこそ、2017年のハロウィンはコギャルの仮装をしたんですけど、あの時着たアルバローザは、まさしく全部メルカリで買ったものなので。

2017年にインスタグラムに投稿されたハロウィン仮装「コギャル」

出典: https://www.instagram.com/p/Ba7KnKohuB5/?utm_source=ig_web_copy_link

――そうだったんですね。すごく話題になっていたのでよく覚えています。

あれはもともと、普通にアルバローザのパンツが欲しくて、メルカリで探していたんですよね。ギャルブーム世代なんですけど、あの頃のアイテムを今着たらカッコいいなと思って、わりと普段から履いてたんです。あの年も、ギリギリでハロウィンの仮装するタイミングができた!ってなって。時間がなかったので、自分の持っている服でギャルの格好をした、という感じでした。私はもともとヴィンテージが好きなんですけど、古着だと人とかぶらないし、アイディア次第でひとつのアイテムでも全然違う着こなしができる。すごく楽しいですよ。
――コスチュームでなくても、家にあるもので自由に発想してハロウィンを楽しむことは、メルカリハロウィンアワードの「ハロウィンをもっと自由に、もっと(地球に)優しく」というテーマにもつながっていますね。

家にあるものでいくらでも仮装が出来る、っていうのはそのとおりで。メイクとかアクセサリーが変わるだけで、服も全然変わって見えるから。普段着でもアレンジして楽しめたら、サステナブルですよね。今年はおうちでハロウィンをする方も多いと思うんですけど、家だと壁とか背景でも世界観を作れそう。これまでとはまた違った面白いことが出来そうな気がします。11月1日に「アフターハロウィンパーティー」で大賞とサステナブル賞を発表させていただくんですが、今から楽しみです。

「みんな違うけど、みんな美しい」が私のハロウィンのコンセプト

――最近ではご自身でも毎年ハロウィンパーティーを主催されていて、昨年はドラァグクイーンのヴァイオレット・チャチキを呼ばれたことでも話題でした。ジェンダーも国籍もミックスな魅力に溢れていますが、パーティーで意識している世界観はありますか?

私と妹(水原佑果)の誕生日が10月なので、バースデーパーティーも兼ねて4、5年前から企画しています。とにかく「どんな人が来ても楽しい」という状態にしたいな、というのはすごく考えています。意識しているのは「偏らない」。音楽も、結構オールジャンル入れちゃうんですよ。HIP HOPからテクノ、ハウスまで、ごちゃまぜにするのが好きで。そうすると、HIP HOPのDJ目当てで来た人が、ちらっとハウスミュージックを聞いて、「なんかいいな」と感じるかもしれない。いろんな人やいろんな音楽が行き交っていて、新しいものに出会える場所にしたいな、というのは自分なりのテーマですね。

私自身が、好きなものが多い人間なので。女の友だちもいるし、男の友だちもトランスジェンダーの友だちも、ドラァグの友だちもいるし。誰が来ても、嫌な感じにならないようにっていうのはすごい考えてるかな。去年チャチキさんがパフォーマンスしてくれたときに、男の子の友だちが「もうなんか、めちゃくちゃ綺麗だった!」ってすごい興奮してて、それが本当に嬉しかったんです。みんな違うけど、みんな美しいよね、ということがナチュラルに感じられるような場所にしたいと思っていたので。

日本のハロウィンって、実は世界一個性的なんじゃないかなって

――お仕事やプライベートで、さまざまな国のカルチャーに触れてこられたと思うですが、日本のハロウィンや仮装文化はどう映っていますか?

日本のハロウィン、すごい面白いと思います。多様性も増えてきていますし、このまま突っ走って欲しい。私は昔の雑誌を眺めるのが好きなんですけど、そもそも日本ってコスプレとかお洒落に対する精神が、すごく先進的だと思っていて。例えば、バブル時代のジュリアナ東京のスナップを見ていると、みんなすごくエッジーなんですよ。私がたとえどんな格好をしても絶対浮かないな、くらいの(笑)。90年代とか2000年くらいの雑誌なんかにも、日本の着飾る文化を感じます。『CUTiE』とか『FRUiTS』とか当時のストリートスナップに出てる人って、すごくDIYですよね。服やアクセサリーを作って、独自のメイクをして、髪の毛もセットして。自分がなりたいイメージのために、手間や時間を惜しんでいないのが分かる。ロリータとかコスプレイヤーの文化もそう。やっぱり世界的にも、なかなかそんな場所ってないと思うんです。日本の人たちは、たぶん自分たちが思っている以上にファッション好きな気がします。

――日本人の着飾る精神性が、ハロウィンにも通底している。

2000年代以降、世界的にSNSの普及で個性が均一化された流れがあると思うんですよ。でも近年の日本のハロウィンを見ていると、もともと存在していたファッションのコンテクストの複雑さや成熟をビビットに感じるというか、どこか復活しているような感覚もあるんですよね。だから私は日本のハロウィンって、ハロウィンという枠を超えて仮装文化のお祭りのような気がしていて。実は世界で一番個性的なんじゃないかなって思ってます。

「その時のムード」がファッションの本質だから、楽しんだら循環させるサイクルにのせたい

――一方で先ほどの「ハロウィンとサステナブル」という点では、ハロウィン大国アメリカにはコスチュームの廃棄削減などに向き合う「グリーンハロウィン」の動きがあります。日本ではまだそういう意識はあまり共有されていない印象があります。

ハロウィンの仮装って、どうしてもその時のムードみたいなものがありますよね。でも、それってしょうがないことだとも思うんですよ。それがファッション(=流行)の本質でもあると思うし。人や流行を変えるのはなかなか難しいと思うので、まずはハロウィンを“作る”側が変わる。街にリサイクルボックスを設置するとか、なるべくエコな素材を使ったものを提供するとか。それこそヴィンテージで仮装してみたり、今回のアワードみたいに「家にあるものやハンドメイドでも仮装を楽しもう」っていうメッセージはすごくいいと思います。工夫しながらオリジナリティを楽しむことで、ハロウィンもサステナブルにアップデートしていけるといいですよね。

――確かに、まずは届ける側が意識を変える必要がありますよね。

ファッション業界がすでにそうなってきていて、もうどのブランドもサステナブルへの視点抜きでは何も考えられないと思うんですよ。ファッションが環境破壊に大きな影響を与えてきたことは、すでに誰もが知っている事実だと思うので。だからみんなサステナブルとかエコではいたいけれども、ファッションだってハロウィンだって楽しみたい、でもな…っていう葛藤があると思うんです。私はそのモーメントを楽しむことは否定したくないので、ムードが変わったら、次に欲しいと思う人につなげていけばいいと思っています。それで循環していくじゃないですか。古着が好きなのも、そういう理由もありますね。新しい服ももちろん買いますけど、「その時のムード」が終わったら循環させるサイクルにのせたいなという気持ちでいます。だからメルカリ好きなんですけど。

ファッションオタクのメルカリの使い方

――ハロウィンに限らず愛用していただいてるんですね。

結構ヘビーユーザーです、私(笑)。ファッションオタクなので、大好きなブランドのヴィンテージを探すのに活用していて。最近だとベッツィ・ジョンソンのビキニを買ったんですけど、それがすごく可愛くて。前のシーズンでもう売ってないものが買えるのもいいですよね。あとはこの前、マリメッコの生地も買いました。もともと同じ生地を部屋の大きな窓のカーテンとして使ってたんですけど、小さい窓にも同じ柄のカーテンをつけたいなと思って。「マリメッコ 生地」で検索して見つけましたね。あと私はKENZOがすごい好きなんですけど、KENZOのヴィンテージってなかなか売ってないんですよ。でも、メルカリだと結構いいものに出会えますね。それから90年代のW.&L.T.(ウォルト)っていうブランドが、私の中で神みたいな感じで。そのヴィンテージも検索して買ったりしています。あとはなんだろ、イッセイミヤケとかジャン=ポール・ゴルチェのトップスとか...ちょっといま自分の購入履歴を見てたんですけど、めちゃくちゃ、すごい買ってますね(笑)。

――すごい(笑)。

あとは好きなアーティストの作品とかアートブックだとか、わりとレアなものを掘り出すツールとしても使ってます。美術館に行って「いいな」と思う作品に出会ったとき、その人の名前をメルカリで検索すると、昔の作品やブックが出てくることがあるんですよ。60年代のヴィンテージのラグとか、アンティークのランプも買ったし、カルチャー作品をディグる感じで見ても楽しくて。昔のCDとか...あ、この前は伊丹十三のDVDコレクションを買いましたね。履歴さかのぼっていくとキリがないですけど、いい掘り出しものを見つけている自信あるかも(笑)。
――いいものを掘り起こすテクニックってありますか?

私は「検索条件」をたくさん保存していて、新しい出品がないかいつもチェックしています。キーワードとかカテゴリとかサイズとか、詳細設定ができるじゃないですか。それを細かく設定すると、探し求めていたものと出会える確率が上がります。以前は「かわいいと思って買ったら子ども服だった!」みたいなこともあったんですけど、「検索条件」をマスターしてからミスがなくなりました。あとはとにかくスクロールしまくる(笑)。家具を売ったこともありますし、幅広く活用しています。

――暮らしの中の、サステナブルなサイクルとして使っていただいてるんですね。

自分がいろんないいものに出会えているからこそ、捨てる前に売って欲しい。だって、自分にとってはいらないものでも、誰かにとっては宝物だと思うんですよ。ヴィンテージの服も必要なくて手放した人がいる一方で、私にはめちゃくちゃ価値のあるものだったりするから。出品してくれたら、私が買うかもしれないですし(笑)。
――生活の中で他に水原さんが心がけている、地球環境に配慮したルーティーンはありますか?

ステイホーム中に、「裂き織り」にトライしてみたんです。やっぱりファッション業界にいると、どうしてもお洋服が増えてしまうので、自分の手でアップサイクルしてみたいと思って。自分のブランドもやっているので、服作りにも生かせないかな、という気持ちではじめました。裂き織りは昔から日本にある文化なんですが、私なりに新しいアレンジを加えながら。まずは浴衣の端切れを織って生地にして、バックにしにたりポーチにしたりしてみたんですけど、着なくなったものが新しいものに生まれ変わるって、すごくいいなと思って。次に挑戦したのが「みやこ染め」というECO染料で、着古したTシャツを染めて、一本の長いヤーン(編み糸)にする方法。それで織りはじめたら楽しすぎちゃって、しかもあまりにも可愛いからテンション上がっちゃって。無心で織っていたら、巨大なラグみたいになりました(笑)。日本にもともとあった文化に、エコなヒントはたくさんあるなぁと思いました。
あとは、やっぱり「毎日使うもの、毎日やることを変えていく」のが、最も大きな変化につながると思っています。例えば、化学繊維を洗濯するとマイクロファイバーが流出して、海が汚染されてしまうと聞いたことがあって。それから洗濯には繊維の抜け落ちが減る「グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ」を使っています。なるべくペットボトルのゴミを出さないようにマイボトル持ち歩いたり、家の電力をCO2を排出しない自然エネルギー発電の電力会社に変えたりもしました。あとは最近車を買ったんですけど、それも電気自動車にして。洗濯も水も電気も車も、日々のことだから、積み重なって大きな変化を起こすと信じています。今年はさまざまな生活様式の変化がありましたけど、それは暮らしと地球環境の関係を見直すチャンスでもあると思っています。

――変化へのチャンスは、常に身近なところにあると気付かされました。今年のハロウィン
も、例年とは状況が異なる中で、これまでの「普通」をちょっとアップデートする機会なのかなと感じます。「メルカリハロウィンアワード」アンバサダー兼審査員として、水原さんが今年ハロウィンを楽しむ人や、アワードに参加する方に期待することはありますか?


ハロウィン好きの私としては、しかも大好きなメルカリのアワード審査員になれてとても嬉しいし、めちゃくちゃテンション上がっています(笑)。今年はアイディア勝負で、思う存分クリエイティブを発揮して楽しんでもらいたいですね。みなさん、私を驚かせてください(笑)。

水原希子(みずはら・きこ)
女優、モデル、デザイナーとしてマルチに活躍。女優活動としては、様々な映画やテレビ番組に出演。ニューヨーク、ミラノ、パリのファッションウィークではモデルとしてAlexander Wang 2018 SSNYFWなど様々なブランドのショーに参加し、2017年ニューヨークで開催されたMet Galaにも招待され、ベストルックの一人にも選ばれる。2020NYFW、COACHのショーでもモデルとしてランウェイを歩いた。2018年アジア人初のDior Beautyアンバサダーに抜擢される。2018年よりCOACHのグローバルキャンペーン広告に出演中。今後もグローバルに活躍の幅を広げていく。

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WRITTEN BY

宮川直実

(みやかわ・なおみ) 編集者。好きなものは、猫、コーヒー、プロレス、海外文学、お買い物。

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