人気バンド「凛として時雨」のドラマー・ピエール中野さんは、メルカリのヘビーユーザーだという。彼のアカウントを見せてもらうと、お財布からウィスキーまでなんと250回以上の取引履歴があった。今回はメルカリでもよく検索するという大好きなウィスキーの専門店で、メルカリ愛について存分に語ってもらった。(編集/メルカリマガジン編集部、撮影/草場雄介)
使用機材もメルカリで探す
ロックフェスやライブツアーで全国を飛び回る売れっ子バンドマンは、意外にも倹約家だった。地元にいる10代の頃から、国道沿いのリサイクルショップなどの中古市場をよくチェックして買い物していたという。ネットオークションも、ヘビーユーザーだったそうだ。
「凛として時雨がブレイクするまでは、お金が全然なかったんですよ(笑)。楽器や機材を買い換えるのも経費がかかりますし、どうしようかな... と思ってたときに、ネットオークションで、安く手に入ると知りました。そこからどんどんハマっていきましたね。メルカリを利用するようになったのは、3年くらい前かな? フリマアプリってことでサービス開始時から気になっていたんですけど、使ったことはなかったんですよ。でも、匿名配送のサービスが始まって、『これで素性がバレずに売買できる!』と思って(笑)」
らくらくメルカリ便の匿名配送が始まったのは、2016年1月のこと。中野さんがメルカリで初めて購入したものは、意外な商品だった。
「最初に買ったのは、「某アイドルのキーホルダー」。完売しちゃって、買えなかったものを探したのを覚えています。それがきっかけで、服や小物を購入していくうちに『あれ、これもしかして売るのも手間がかからないんじゃない?』と思うようになったんです。そこから、自分でどんどん出品もするようになりました。ドラムの機材とか、身の回りのアイテムは、なんでもメルカリで探しています。イヤホンの変換ケーブルとかも。すぐなくしちゃうから、よく買っていますね」
毎日愛用している財布も、メルカリで購入したのだという。
「『GIVENCHY』のディズニーコラボのミニ財布は2万円。もともとは大きなお財布を使っていたのですが、最近はクレジットカードや電子マネーを使っていて、基本的にはキャッシュレス生活。ポケットに入れられて、革紐をつければなくさないし、便利です。そうそう、今もメルペイの残高、2万以上ありますよ。メルペイはクーポンもいいですよね。アイスコーヒー11円で買えたりしてお得!」
昔好きだったものを、買い戻すことも
「基本的には未使用新品を狙って検索します」と語る中野さんだが、昔好きだった懐かしい品物を探すことも多いという。
「2歳の頃、YMOのカセットテープをずっと聴いていたんですよ。僕の音楽の原体験となったものだし、大人になってから、またそのカセットテープが欲しくなったんですけど、作品名も一切覚えていなくて。『緑色のカセットテープだった』といううっすらとした記憶だけが頼りだったんですが、なんとメルカリで見つかったんです。30年以上前の商品なのに、保存状態が良いものが1,500円で買えました。プレミアついているのかな? と思ったんですけど、YMOのように流通量が多い作品は、掘り出し物も多いですね」
若い頃、バンドの活動費を捻出するために、ネットオークションで「テレタビーズ」のぬいぐるみを泣く泣く手放したそうだが、それもメルカリで同じ商品を発見し、すべて買い戻すことができたのだという。
「メルカリでは日常的に使うモノを買うことが多いですが、もうどこにも売っていなくてなかなか手に入らないものを探すのも楽しいんです。ぬいぐるみをたくさん集めているのですが、中でもドイツのぬいぐるみブランド『Steiff(シュタイフ)』のテディベアが大好きで。廃盤になっているレアな型も、メルカリで購入できました」
ピエール中野流、メルカリテクニック
メルカリでの売買を体験してから、実際の店舗やECサイトで買い物する際にも、品物を選ぶ基準が変わったのだという。その理由は?
「服を買うときは、全部ではないですが、メルカリで売れるかどうかを考えて買います。そして、ワンシーズン着て、飽きたらすぐ売る! 来年も絶対に着るお気に入りの服以外は、高値で売れるうちに早く手放すといいですよ」
そんなヘビーユーザーである中野さんだが、出品時には気を遣うこともあるという。
「取材で着た衣装はバレるからあんまり出品しないようにはしています。けど、もし出品者が僕だとわかっても、ファンの方はそっとしておいて欲しいですね(笑)」
Twitter上では「エゴサの鬼」とも呼ばれている中野さん。「ピエール中野と1回ツイートしただけで本人にフォローされた」「つぶやいてすぐいいねがきた」など、ファンからも驚かれるほど、検索機能を活用している。Twitterだけでなく、メルカリでもレアアイテムを見逃さないように検索しているのだという。
「好きなものの情報を拾うのって、結構むずかしいですよね。ピンポイントで商品名検索することもありますが、目的なくメルカリを眺めていると、掘り出し物が見つかるのも楽しいです。機材とか、自分が好きなシンバルを出品しているユーザーがいたら見るようにしていますね。『この人、次は何を出してくるんだろう!』みたいな。あとはベタに「プーマ」などのブランド名で商品検索することもあります。新品じゃないと買いたくないので、絞り込み検索機能を使って、いいね数順に並び替えるのがコツ。『いいね数が多い=みんなが狙ってる商品』ですからね。そうやって根気よく検索すると「プーマにこんな可愛いスニーカーあったんだ!」ってのが、見つかるんですよ」
高額商品から食品まで、なんでもメルカリで買う理由
ウィスキーが大好きな中野さんは、メルカリで年代物を探すこともある。
「食品や飲料も、抵抗なくメルカリで買っていますね。以前、自分が出品したときに、配送時に破損トラブルがあったんですよ。僕も梱包しっかりしていたので、相手の方と『どうしましょう?』と相談して。結局、メルカリのカスタマーサポートの方に対応していただいて、全額補償してもらいました。トラブルがあったときになんとかしてくれる安心感があるんですよね」
この経験があってから、ブランド物も頻繁に売買するようになったという。
「この『ヴィヴィアン・ウエストウッド』のトートバッグは4万円くらいです。ヴィヴィアンの店舗でも入荷数が少なくて、手に入らなかったんです。ダメ元でメルカリで探してみたら、新品未使用で出品されているのを見つけて買いました。最初、転売ヤーが出品してたから、値段も高かったんです。でも、定番アイテムではなかったからか、値段がだんだん下がりだしたんですよね。いい買い物でした」
お酒がとにかく好きで、酒器やグラスもメルカリで購入したという中野さん。オススメ商品を聞いてみると、ヘビーユーザーならではの答えが返ってきた。
「狙い目なのは、プレゼントの定番高級商品ですね。僕は、お酒を楽しむためのバカラのグラスを買いました。結婚式の引き出物とかでもらったのをみんな出すから、定番品が安く買えるんです(笑)」
なんでもメルカリで購入する彼は、リアル店舗・ECサイトをどうやって使い分けをしているのだろうか。
「違いを意識したことはないですね。定番の買い物先のひとつとして、メルカリがある感じなんです。それくらい、生活の中にあたりまえにある存在かな。メルカリって、ドンキとかアメ横の、ごちゃごちゃした感じがありますよね。それがおもしろいなって。今後も、メルカリは使い続けますよ。欲を言えば、著名人が利用できる公式アカウント機能が欲しいですね。そしたら、バンドマンもやると思います。みんな、喜ぶんじゃないかな。匿名じゃないと販売できない人っていっぱいいると思うので。自分も堂々と機材売れるし(笑)。実装されるといいな」