メルカリ2021.03.26

すべてのテック企業はブランドである。では、メルカリは? カケルメルカリ05:落合陽一

ファッション・音楽・アートなど、さまざまな分野で活躍しているトップランナーを招いて、これからの買い物やメルカリの進むべき方向について考えていくトーク企画「カケルメルカリ」。
第5回のゲストは、ピクシーダストテクノロジーズ・CEOの落合陽一さん。メディアアーティスト・大学教員・経営者・研究者など、さまざまな肩書きを持って活動している落合さんですが、実はメルカリとの関係も深く、2017年に設立した研究開発組織「mercari R4D」(メルカリ アールフォーディー)との共同研究も行っている。
そんな落合さんを招いて今回は、コロナによる価値観の変化や、メルカリ・メルペイがこれから事業を進めていくうえで核となる「信用創造」「価値交換」といったテーマを入り口に、社会の未来ついて掘り下げていく。聞き手を務めるのは、落合さんと10年以上の親交があるメルペイCTO 兼 メルカリメルカリCISO・曾川景介。そこにモデレーターとしてメルペイの中村奎太も参加し、ディープに話を繰り広げることになった。
(執筆/村上広大、撮影/玉村敬太、編集/メルカリマガジン編集部)
※対談・取材は飛沫防止シートの使用や除菌を徹底した上で行っております。

落合陽一(おちあい・よういち)

1987年東京都生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学府)。ピクシーダストテクノロジーズ代表取締役、筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授・JST CREST xDiversityプロジェクト研究代表。専門はHCIおよび知能化技術を用いた応用領域の探求。2009年にIPA未踏ユース事業に採択、IPA認定スーパークリエータ。一般社団法人未踏理事。受賞歴にWorld Technology Award 2015、MIT Technology Review Innovators Under 35 Japan 2020 など多数。

曾川景介(そがわ・けいすけ)

株式会社メルペイ取締役CTO 兼 株式会社メルカリ執行役員CISO。京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻修士課程を修了。2011年にIPA未踏ユース事業に採択。大学院修了後にシリコンバレーの FluxFlex社にてWebPayを立ち上げる。ウェブペイ株式会社の最高技術責任者(CTO)としてクレジットカード決済のサービス基盤の開発に従事、LINEグループに参画しLINE Pay事業を経験。2017年6月メルカリグループに参画。

中村奎太(なかむら・けいた)

大学在学中にインターン生としてサイバーエージェントでプログラミング教育サービスの立ち上げや、DeNAで動画サービスでの感情分析基盤導入などを行う。その後、メルカリの研究機関「R4D」にインターン生として参加。2018年に新卒入社後はプロックチェーンエンジニアとして、R4D内で進められていた「mercariX」プロジェクトに携わる。その後、グループ会社であるメルペイへ異動し、PMとして与信事業を含む多くのプロジェクトを担当。

未踏ユースプロジェクトで繋がる天才たちの輪

今回、「カケルメルカリ」に登壇する落合陽一さんと曾川景介は旧知の中。冒頭は昔話で盛り上がることになった。二人の出会いは、とあるプロジェクトがきっかけだったという。

中村 おふたりはいつから知り合いなんですか?

落合 はじめて会ったのは「未踏ユース」という人材発掘のプロジェクトの合宿だよね。

曾川 2010年の出来事ですね。よく覚えています。落合くんは「未踏ユース」の先輩なんですけど、当時から本当にすごくて。そのときは確か電気を見えるようにするデバイスをつくっていたよね。

落合 「The Visible Breadboard」ですね。懐かしい。

曾川 僕はその未踏ユースで出会った仲間と一緒に渡米して起業したこともあって。だから、あのプロジェクトに参加していた人たちは何かしら繋がりがあると思います。

落合 LayerXの福島(良典)くんもだし、古くはスマートニュースの鈴木健さんも。

曾川 実はメルペイのミッションになっている「信用を創造して、なめらかな社会を創る」は、鈴木健さんの著書『なめらかな社会とその敵』が由来なんですよ。

決済サービスの問題点は「お金を使い過ぎていますよ」と言わないこと

お互いに肩の力が抜けてリラックスした雰囲気で始まったトーク。場も温まってきたところで、いよいよ本題に。最初のテーマは「コロナによって消費の価値観は変わったか」。新型コロナウィルスの感染が拡大してから1年以上の月日が経ち、さまざまな非日常が日常となったと落合さんは指摘する。
中村 最初に伺いたいのが、コロナ禍における消費の価値観の変化について。落合さんは何か気になっていることはありますか?

落合 すごく気になっているのは、男性用髭剃りや女性用リップクリームみたいな日用品雑貨。マスクを日頃から着けるようになったことで、売れなくなっている気がするんですよね。あと服。あれだけヨウジヤマモトフリークな僕が2020年は全くと言っていいほど買わなかった(笑)

曾川 それは意外!

落合 僕がヨウジヤマモトを愛用しているのって、いろんなところに着て行けるからなんです。ふらっと公園にも行けるし、テレビ収録にも対応できるっていう。でも、家の中にずっといるとなると話が違ってくるというか。さすがにあの格好でゴロゴロはできないから。

曾川 それでいうと、家の中で過ごす時間にお金を使う人が増えているのはデータとしてもわかっていて。

中村 メルカリでも売買される商品が変化しているんですよね。

落合 何が売れているんですか?

曾川 ゲームが多いですね。あとDIYをするための道具を買う人も増えています。

落合 まさに消費の価値観の変化を感じますね。

中村 今の話に付随した質問になるのですが、メルカリとメルペイの金融サービスとしてのポテンシャルはコロナによって加速すると思いますか?

落合 キャッシュレスの流れは止められないんじゃないですか。あと10年くらいしたら、貨幣で売買していたことが信じられないって世の中になっていると思いますよ。「え、紙と金属持ち歩いてたの?!」みたいな(笑)。

中村 実はメルペイでは与信事業に取り組んでいて、このコロナ禍で加速していくんじゃないかと考えています。それについて落合さんはどう思われますか?

落合 よく言われる話ではあるんですが、メルペイに限らず、決済サービスに問題点が一つあるとすれば、「お金を使い過ぎていますよ」って言わないことだと思うんですよ。

曾川 あらゆる決済サービスは使われることを第一に考えますからね。でもそれだけじゃ不十分だと。

落合 もっと実際の生活に紐づけていくべきだと思うんです。それでお金の使い過ぎを警告したり、貯蓄や投資にお金を回すようなアドバイザリングができたら、人々のフィナンシャルリテラシーも高まるし、自己破産する人も減るんじゃないかなって。そういうエコシステムを構築した方が社会にとっても良いじゃないですか。生活へのコミットメントが与信事業に関わるうえで必要な気がします。

曾川 貯蓄の機能も付いているといいのかもしれないですね。あと、お金を返しやすいUXになっていることもけっこう重要で。買い物が好きで買いすぎてしまう人って家の中にめちゃくちゃ物が溢れているはずなんですよ。それをメルカリで簡単に売れるといいなと思うわけです。

中村 僕は少し前までメルペイの後払いサービスの構築に携わっていて、どれくらいまでだったらお金を使っても大丈夫なのかを自分で判断できるようにするUXにこだわっていたんです。お二人の話を聞いて、フィナンシャルリテラシーを養っていくことは本当に大切だなとあらためて考えさせられます。

誰もが「信用創造」と「価値交換」ができるなめらかな社会を作りたい

これまでメルカリは、CtoCのマーケットプレイスとしてモノの流動性を高めてきた。そして、決済サービスとしてそこにお金の流動性という新たな軸をもたらしたのがメルペイと言える。こうした取り組みの先に見据えるのは、お金に代わる新たな信用システムの創造だ。その前段階としてグローバル社会の先行事例に目を向けたい。落合さんは、ヨーロッパ・中国・アメリカそれぞれがどのような信用システムを築いているのかを説明していく。
中村 続いてメルカリ・メルペイの事業の核になっている「信用創造」と「価値交換」のあり方に対する落合さんの意見を伺いたいです。

落合 これは考えれば考えるほど何が正しいのかわからなくて。ヨーロッパ型は階級的構造と高額な税金によって社会が成り立っていて、それ故に手厚い社会保障が受けられる一方、人権や自由に対する問題提起がよく起きているんです。2018年には、オランダで69歳の男性が「自分の年齢を変える権利がないのはおかしい」と訴訟を起こしていて、びっくりしたんですよ(笑)

曾川 ものすごい自由ですね(笑)

落合 オランダ人の彼は「気持ち的に49歳だから、実年齢も49歳であるべきだ」と訴えていて。こういう詭弁、僕は大好きなんですけど、それも様々なパラメータ、性別だったり名前だったりを変える訴訟に勝ってきた歴史があるからできることだと思うんです。一方で中国みたいにAlipayのような決済サービスによる信用格付けが前提となる社会もあるわけじゃないですか。

曾川 そこには信用格付けに属せない人たちの苦しさがありますよね。

落合 一時期はスマホを持っていてもAlipayがないと何も購入できないみたいなことが起きていたわけで。じゃあアメリカはどうなんだというと、ものすごい格差社会で、シリコンバレーの家賃は鰻登りな一方、ファストフード店に行くと会計計算ができない店員さんがいたりするわけですよ。で、そうした国々に挟まれた日本はどうあるべきかというと……まさしく、自由に信用創造ができて、資産や社会的ステータスに囚われずに価値交換ができることを目指せるのが良いんじゃないかなと思います。

曾川 それが僕らメルペイが目指している世界でもあります。

落合 「なめらかな社会」ね。そういえば、この前、元日銀参事で早大大学院教授の岩村充さんに自分の番組に出てもらったんですけど、プルーフ・オブ・ステークとプルーフ・オブ・ワーク※のどちらが好きか聞かれて、僕はワークが好きだと答えたんですよ。

曾川 資産に報いるのか、行動に報いるのか、という話ですよね。プルーフ・オブ・ステーク的な考え方が社会に浸透しきってしまうと、どこまでもいっても特権を持った人が勝ち続けてしまいますから。

落合 そう。あれってインフルエンサーがClubhouseを始めるとフォロワーがついてくるのと同じで、永遠にステークから逃れられない世界になってしまうんですよ。

曾川 そのあたり、落合くんはすごく意識的ですよね。Clubhouseでも若手の人を呼んでトークしているじゃないですか。

落合 僕はあまりフォロワーが多い人は呼ばないんですよ。いわゆる“SNSマッチョ”が集まってトークするのはダサい。ステークが固定化されてしまうので。ステークの流動性を担保するために、フォロワーが5人しかいない人をどうやって500人にするのかを考えることの方が重要で。

曾川 それはまさに、エスタブリッシュの側の人々が自覚的になるべきポイントですよね。社会の多様性を守る上でも重要な考え方だと思います。特権を持った人が意識的に持たざる人たちに参加してもらうような制度、仕組みを作っていく、という。

落合 今は特権を持った人が強い社会だからね。YouTubeも元々有名な人の方が強くなってしまっているし。

曾川 僕らが好きだったインターネットってマイノリティを尊重するような側面が少なからずあったと思うんです。でも、今は社会構造がそのまま反映されるようになってしまった。それをどう解消していくのかも今後の課題になっていくのでしょう。

落合 だから、さっきの話の繰り返しになるんですけど、ステークを持っていない人でも「信用創造」ができるようになるべきだし、新しいプラットフォームが出てきたら全く新しい価値がそこに生まれるべきなんですよ。テレビの冠番組を持っている人のフォロワーが増える、ということではなくて。メルカリ・メルペイは、金融やマーケットプレイスとして新しい価値交換を生むサービスだと思うし、ぜひもっといろんな角度から挑戦してほしいです。

主観的な価値をAIでパーソナライズできたら未来のテクノロジーになる

AIというとなかなか正体が掴みにくい印象もあるが、今もさまざまなシーンでAIの活用は進んでいる。それはメルカリでも同じ。サーチやパーソナライゼーションなどの機能の最適化のためにAIを活かして用いているのだ。このAIの活用について、落合さんと曾川からユニークな提案が次々となされた。
中村 現在、メルカリではAIの活用を進めているのですが、今後どこに注力していくべきでしょうか。落合さんのご意見を伺えればと思います。

落合 視覚障害者のための自動読み上げ機能は早く作ってほしいですね。画像を読み上げてくれるイメージキャプショニングの研究はたくさん行われているので、早く実用化まで進むといいなと思います。

曾川 それはカメラの機能をうまく活用すればできる気がします。今だってレンズ越しに値段を判定してくれる技術はあるわけですから。「価値交換」の分母を大きくするためにも大事な視点ですよね。

落合 あと、お宝鑑定団的なことをもっとしたいですよね。将来的に価値が上がりそうなものを教えてくれるとか(笑)

曾川 例えばワインなんてまさにトークンですしね。価値の媒介としてお金というものが存在しているんですけど、お金という形をしていなくても、モノが価値を媒介することもできるので、そういうアプローチも必要ですよね。

落合 それをAIに繋げるのも面白いね。ただ、トークンとAIが完璧にならないときちんと機能しないんだろうなとは思います。

曾川 今の話題に関連する内容なんだけど、落合くんとぜひ話したかったことがあって。

落合 お、なんでしょう。
曾川 価値って主観的なものと客観的なものに分けられるじゃないですか。メルカリでは、客観的な価値基準によってモノの大体の値段が決められて、売買が成立しています。でも、もっと主観的な価値基準を大切にしてもいいんじゃないかと思うんです。例えば、落合くんがすごく貴重なカメラを持っているとしますよね。落合くんにとっての主観的な価値は高い。でも、それを僕が持ったところで使いこなせる自信はないので、僕にとっては主観的な価値は低い。そういう個人の主観を物々交換の尺度として重要な指標にすることができれば、お金じゃない判断軸が生まれるんじゃないかなって。

落合 ああ、なるほど。僕にとっての大事なものは、手紙とか、何かよくわからないものを買った時のレシートとかで。2度と手に入らないものに価値を感じるんですよね。そういうものを集めて机の端っこに置いておく癖があるんだけど、小さな頃に母親に捨てられて、すごく怒った記憶がある(笑)。つまりそれって、他人にとっては本当にどうでもいいものだということ。主観的な価値と客観的な価値は全然別だからね。

曾川 思い出とか、まさにそうですよね。

落合 思い出は代替できないですから。東日本大震災は、本当に悲痛な出来事だったけど、ある人が「アルバムが全て流された」という話をしていて、胸が痛みました。デジタル化してクラウドに入れておけば済む話なのかもしれないけど、それも保存しているサーバーが吹き飛んだからすべて無になるわけで。

曾川 それはもうGoogleを信じるしかない(笑)

落合 僕は今、Googleのオンラインストレージを使っていて、30テラバイト近くの写真をクラウドに保管しているんですよ。

曾川 今の世の中で、30テラバイトの写真を保存している人はなかなかいないですよね(笑)。

落合 だから、データが消えたら本当に泣くと思う。一般的に世の中では、社会的に価値が高いと思われているものから優先的に保存されていくからこそ、主観的に価値が高いものをどうやってバックアップしていくか考えるのはすごく重要ですよ。

曾川 その価値の曖昧なところにアプローチできたらいいなと考えているんです。AIもパーソナライズが進むと主観的な価値がわかってくるようになるはずで。これってまさしく未来のテクノロジーになる気がしています。SpotifyとかAppleMusicって、主観をかなり学んでいて、高度なパーソナライズをしているんですよね。

落合 わかる。僕はこないだAppleMusicでダンス音楽のリコメンドをされて、ものすごくいいな、と思ったらそのインド人のアーティストのフォロワーがめちゃくちゃ少なかった。ユーザーの好みを把握した上で選曲しているんですよ。だから滅多に出会わない出会いも増えてきた。ただ気をつけなきゃいけないこともありますよね。例えば音楽ストリーミングサービスを見ていると、数字で楽曲の価値が左右されていたりする。何が起きているのかというと、1曲ごとの時間がどんどん短くなっているんですよ。再生時間ではなく回数を伸ばしていくことが優先されている。

曾川 単に再生回数だけでなく、それ以外の側面もAIが学習しなくちゃいけないんでしょうね。Instagramがライクの表示を消したことってすごくいい判断で、言ってみれば客観的な価値じゃなくて、主観的な価値を大事にしようという方針だと思うんです。人間の意思決定の中からそういう数字的なバイアスを取り除いていく必要がありますよね。

あらゆるものがファッションになる時代にメルカリはどうありたいか

これから先、企業には持続可能性やダイバーシティがさらに求められるようになっていく。それはメルカリやメルペイにとっても例外ではない。だからこそ、落合さんは今まで以上にビジョナリーな視点が必要なことを説く。
中村 最後の質問です。メルペイは「信用を創造して、なめらかな社会を創る」という大きなミッションを掲げて事業を進めているのですが、その達成のためには今後何が必要だと思いますか?

落合 これは僕の持論でもあるんですが、“すべてのテック企業はブランドである”と思っています。ある程度世の中に浸透してきた考え方かもしれない。AppleもMicrosoftもGoogleもFacebookも、テックだけでなくブランド価値になっている。近い将来、どこの企業の製品を使っているかがファッションになる日が来ると思うんですよ。というのも、80〜90年代は“何を着るか”がファッションでしたが、ゼロ年代になってから“どう過ごすか”も含めたライフスタイルがファッションになりましたよね。たとえば、女性ファッション誌に幼稚園受験に関する記事が載っていたりするわけで。そう考えると、今後はあらゆるものがファッションになると思うんです。そうなったときにメルカリがどういうブランドでありたいかがすごく重要だと思います。

曾川 それでいうと、持続可能な社会に貢献していきたいですね。それがブランドとして認知されていくことかな。

落合 社会が持続するためには、環境課題対策と並列で、ダイバーシティへの対応と格差の是正にセットで取り組まないといけないと思っています。それぞれがものすごく大きなトピックだけど、これらは相関関係にある課題なんですよ。貧困状態にある人は環境への負荷に配慮なんてできない。卵が先か鶏が先か、みたいな話だけど、とにかく既存の社会構造におけるステークの視点では解決できないんですよね。だからこそ、まずはアンチ・ステークな姿勢を持たないと、そのミッションの達成は難しいんじゃないかな。

曾川 今の言葉、すごく刺さります。

落合 2020年代と2030年代では、取り組むことがけっこう変わる気がする。2020年代はまさしく移行期にあって、まだまだ旧来のステークが強い社会だし、意思決定にもそれは反映されている。いまメルカリとメルペイは既存のステークを巻き込みながら新しい挑戦をしていて、大人だなって思うんですよ。

曾川 まさしく、様々な方面に対して配慮が必要なタイミングなんですよ。今は変化の途上にあるし、いろんな立場の人を巻き込みながら事業を進めていかなくちゃならない。

落合 それはすごくいいことなんだけど、これからこれからは、既存のステークを持つ人たちと協力しながら、ステークを持たない人たちに対して何ができるかを考えて、より良い社会を作っていくべきだと思います。それは自分自身も意識的に取り組んでいくことだし、メルカリに期待するところでもあるかな。それにしても、舵取りがすごく難しい2020年代を生きてるよね。

落合陽一(おちあい・よういち)
1987年東京都生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学府)。ピクシーダストテクノロジーズ代表取締役、筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授・JST CREST xDiversityプロジェクト研究代表。専門はHCIおよび知能化技術を用いた応用領域の探求。2009年にIPA未踏ユース事業に採択、IPA認定スーパークリエータ。一般社団法人未踏理事。受賞歴にWorld Technology Award 2015、MIT Technology Review Innovators Under 35 Japan 2020 など多数。

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メルカリマガジン編集部

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