マーケティングはしない。「好き」を貫いて、世界とつながる。カケルメルカリ02:遠山正道

ファッション・音楽・アートなど、さまざまな分野で活躍しているトップランナーを招いて、これからの買い物やメルカリの進むべき方向について考えていくトーク企画「カケルメルカリ」。

第2回目のゲストは、株式会社スマイルズの代表取締役社長・遠山正道さん。2009年からリサイクルショップ「PASS THE BATON」を運営し、メルカリが掲げる「循環型社会」へ向けた取り組みを一足早く実践されている。二次流通の分野では間違いなく開拓者の一人だ。さらに、同店で扱われている商品には前所有者の“思い入れ”が書かれたタグがついており、その点でも、モノの売買を通じて新たなコミュニケーションを生み出しているメルカリと共通しているといえる。

「PASS THE BATON」のコンセプトが生まれた時代背景とは。そこには遠山さん個人のどんな思いやエピソードが眠っているのか。そして、「マーケティングはしない」や「プロパー超え」という言葉の奥にある真意とは? 聞き手は前回に引き続き、メルカリジャパンCEO・田面木宏尚。メルカリとスマイルズ、アプローチの異なる両社に共通するのは、「好き」を通じて経済を動かす、新しい企業文化・プラットフォームのあり方だった。(執筆/長畑宏明、撮影/今井駿介、編集/メルカリマガジン編集部)

※対談・取材は飛沫防止シートの使用や除菌を徹底した上で行っております。

遠山正道(とおやま・まさみち)

1962年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒業後、三菱商事株式会社に入社。1999年、スープ専門店チェーン「Soup Stock Tokyo」開店、店舗オープン。翌年、三菱商事初の社内ベンチャー企業として株式会社スマイルズを設立。2008年独立。現在は、ネクタイブランド「giraffe」、セレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」の企画・運営も手がける。

田面木 宏尚(たものき・ひろひさ)

早稲田大学を卒業後、GMOクラウド株式会社へ入社。CS業務、サーバーホスティング事業、および新規事業の立ち上げ等に従事。2010年にピクシブ株式会社へ入社し、取締役としてシステム開発、マーケティング、グロース等の事業統括に従事。2016年1月より株式会社アニメイトラボ代表取締役社長CEOに就任し、小売領域におけるIT事業推進を実行。2017年2月に執行役員としてメルカリに参画。2018年10月執行役員メルカリジャパンCEO就任、2020年9月より上級執行役員 メルカリジャパン CEO。

メルカリでは「不思議な一点もの」に出会いたい

まずは遠山さんのメルカリ利用エピソードから。「いったい誰が欲しがるの?」という意外な珍品から、ヴィンテージ・チェア、さらには巨匠のアート作品まで、幅広くリサーチされているという。

田面木 (インタビュー会場となったスマイルズ社内の一室に飾られた会田誠による巨大絵を見ながら)いや、それにしても強烈ですね、このアート作品は。

遠山 会田誠さんが夢想した都市計画をいろんなアプローチで発表する展示があって(2018年の会田誠展「GROUND NO PLAN」)、この「ちくわ女」はアクアラインの換気施設の改造イメージなんです。右下にある船を見ると、この像がどれだけ巨大かって分かりますよね。こんな意匠であれば、自由の女神みたいな観光スポットになるんじゃないかな。

田面木 「ちくわ女」、ずっと見ていられますね。

遠山 そうなんです、自分が買った中でも一番長く眺めている作品ですね。ちくわのところに座っている自分を想像しながら……せっかくならちくわの部分は大理石で作ってほしいな……とか。このさめざめと泣いているかんじも、なんとも言えないですよね。この絵画は、水彩画的だからごまかしがきかない。サササって描いたタッチも気に入っていまして。

田面木 アートのお話、僕も大好きなので、このままずっと続けてしまいそうです(笑)。今回遠山さんをお招きしたのは、メルカリが循環型社会の実現を目指す上で、「PASS THE BATON」に学ぶべきところが多かったからなんです。それともうひとつ、僕が個人的にスープストックトーキョー(Soup Stock Tokyo)を愛用しているんですよ。特に冷凍パックのシリーズは念願でした。

遠山 あ、冷凍パック。あの技術自体は以前からあったんです。ただ、スープストックトーキョーには「ふだんから電子レンジを使わない」という人が多くて。僕自身もそうだったんですけど、特に、当時のブランドマネージャーはティッシュも使わないような人で。

田面木 環境や食事に対して意識が高い方が多かったと。

遠山 そうです。だって、雨の日にメガネを拭きたいなと思って「ティッシュ持ってる?」って聞いたら、即答で「持ってません」って。普通はポケットを探すじゃない?(笑)そのかわり手ぬぐいを出してくれたんですが、そういう意識の人が多い中で、なかなか商品化に踏み切れなかったんです。

田面木 そんな背景があったんですね。あの冷凍パックのUX(ユーザーエクスペリエンス)はすごいですよ。驚くほど簡単。レンジに入れるだけで完結する。

遠山 レトルトだとパッケージする際に加熱処理をする必要があるから、家庭とあわせて2回調理することになっちゃう。今の技術だと、カレーだったりはおいしくできるみたいなんですが、スープの場合は風味が落ちるので、スープについては冷凍にこだわっているんですよ。

田面木 参鶏湯(東京参鶏湯)も、よく食べています。

遠山 うちのお袋は亡くなる前日の夜ご飯が、あの参鶏湯だったんですよ。もう体はだいぶ弱っていたので、スープくらいがちょうど良くて。

田面木 そんなエピソードが…!

遠山 最後の最後に食べてもらって、嬉しかったですね。
田面木 実は僕も母親にいつも送ってるんですよ。スープストック愛の話がなかなか終わらなくてすみません(笑)。

遠山 いやいや、嬉しいです(笑)。僕もメルカリを使ったことがありますよ。まだ数回だけれど。一番最初は、“りんご”のTシャツが欲しくて、それもアノニマスなデザインのものをメルカリで探していたんです。「どっから出てきたの?」っていうようなもの。

田面木 りんごですか?

遠山 そう。前に古着屋で買った、肩のところにりんごのアップリケが3個ついた長袖Tシャツが大のお気に入りで、そういう不思議な一点ものに出会いたいから、メルカリに頼ったんです。ほかにも、菅井汲っていうアーティストが好きで、彼の版画を買ったこともあるし、セブンチェア(デンマーク家具の老舗インテリアブランド「フリッツ・ハンセン」の代表モデル)もメルカリで。新品よりも誰かが愛着をもって使ってきたものが欲しくて、アイボリー4点と、ライムグリーンとピンクグリーンを1点ずつ。大きなものをやり取りするのは慣れていなかったから、本当に届くのかな、と思いながら(笑)。

田面木 ちゃんと届きましたか?(笑)。

遠山 もちろん。当たり前だけど新品よりも安いし、あとはね、新品よりも嬉しい。

田面木 新品よりも嬉しい、とは?

遠山 そもそもライムグリーンに関してはどこを探しても見つからない。それと、「2000年代に西武百貨店で買いました」っていう説明を見て、当時の空気感も一緒に届くような気がしたんですよ。人が物を大切に選んできた歴史を感じて、そこがいいな、と。

出典: Instagram

田面木 僕もメルカリで楽器を買ったことがあるのですが、それもやっぱり「ストーリー」が最後に背中を押してくれる。売る側も語りたい内容があるみたいで、そのあとメッセージでやり取りしたんです。「せっかく買ってくれたので、予備の弦もつけておきますね」とかって。

遠山 僕も自分の車を手放す時はメルカリで売ろうかな。黄緑のクラウンで、珍しい色だから、何かおもしろい売り買いになるかもしれない。

田面木 ぜひ。珍しいものほど、探している人にとっては出会えたときに嬉しいですからね。

「PASS THE BATON」は、そこにある価値をプレゼンテーションする包紙のような存在

たとえ二次流通の商品であっても、そこにある種の「美学」がなければ十分に魅力を伝えることはできない。遠山さんがセカンドハンドに魅せられたのは、リーマンショックによる空前絶後の不況によって、世界の価値観が揺らいだ時代だった。新品には持ちえないその美学に惹かれ、ちょうど構想中だった新店舗のコンセプトは、必然的に「リサイクルショップ」になったという。メルカリの話に続いて「PASS THE BATON」の原点について話題は移っていく。

田面木 メルカリを実際に使われてみて、サービスに対しての率直な印象や要望があれば、教えていただけますか?

遠山 メルカリとTakramさんがいっしょに手掛けた新しいロゴが、シンプルで好きです。上質に感じますよね。サービスの顔になる部分だからこそ、いろいろな制限や思いがあったのではないかと想像するのですが、それがミニマルにまとまっているのがいいな、と。少し残念に思う点は、アプリ上に並ぶ写真が、畳の上で乱雑に撮られていること。C to Cだから、生っぽい良さもあるんだろうけど、ちょっと気になります。

田面木 たしかに、自分にとって価値のあるものだと「もうちょっと丁寧に、かっこよく扱ってよ」って思うことはありますね。

遠山 インスタだったら頑張ってフィルターをかけるんだけど……要するに「少しは気にかけて」っていう。その美意識をプラットフォームにどう持ち込むかですよね。

田面木 その点は、まさにメルカリの課題としているところで。美意識の話でいうと、「PASS THE BATON」はかなり大切にされていますよね? 「PASS THE BATON」の歴史についてもお聞きしたいです。

遠山 東日本大震災の2年後に事業をスタートしたメルカリさんと、始めた時の境遇は似ているかもしれません。僕は当時、三菱商事からMBOしたばかりで、新しいブランドをやってくれないかという依頼があったんですけど、リーマンショック真っ只中で。ピカピカの新品を作って在庫を抱えるような事業をやる気にはならなかった。それならリサイクルショップはどうかなと。「丸の内の真ん中でリサイクルショップ」ってなかなか洒落が効いているじゃないですか。

田面木 時代背景が強く影響しているんですね。社会に対して「こうあるべき」を形にするのは、まさに事業を立ち上げる強いモチベーションだと思います。
遠山 それに加えて、個人的なきっかけもあります。ある後輩が結婚するときに仲人をやったことがあって、せっかくだから近所の骨董屋さんで見つけた古い鉢と黒千代香(くろぢょか:焼酎をお燗にして飲むための伝統的な酒器)をプレゼントしようと思ったんです。ただ、お店ではそれを新聞紙に包んでコンビニの袋で渡される。そのまま渡すのじゃ味気ないし、その物の価値をうまく伝えられないでしょう。

田面木 貴重な骨董品だということが伝わりませんよね。

遠山 そう。価値を伝えるためのプレゼンテーションが必要だなと思って。それで、家に帰ってきれいに包み直して麻ひもで縛ったら、だいぶイケている感じになりまして(笑)。これは客観的に価値が担保されているものに見えるぞと。この体験が「PASS THE BATON」の原点になったんです。

田面木 ああ、なるほど。「PASS THE BATON」は、すでにある価値をプレゼンテーションする包紙のような機能を果たしている、と。それはプラットフォームというより、ブランドやセレクトショップに近い立ち位置ですね。それでも、「リサイクルショップ」と自分たちを定義づけている理由はあるんですか?

遠山 ここはうちの会社の思想的なもので、余計な脚色はしたくないんですよ。スープストックトーキョーはフードチェーンだし、100本のスプーンはファミレスだし、「PASS THE BATON」もあくまでリサイクルショップ。受け取る人のリテラシーに頼るようなコミュニケーションをとるのではなくて、パッケージの仕方で「なんとなく」でも価値が伝わることを担保したいんです。

個人の価値観を貫くからこそ、世界とつながる

ここからは「スマイルズ」という会社についてたっぷりと。これまでのお話を聞いていても、全てのものごとが遠山さん個人のモチーフから始まっている印象が強いが、そこから社会全体とつながる術をどのように獲得しているのだろうか。最後は、事業のルーツや会社における社長の役割について、ざっくばらんに語ってくれた。

田面木 世の中の購買行動ってだんだん変わってきているじゃないですか。たとえば、「セール品は買わない」という声を聞いたりすることがあって。「安いから」という理由で買うのではなく、気に入ったものを長く使うことに価値を感じる方も少しずつ増えているのかなと。遠山さんは消費行動の変化について、どう見られていますか?

遠山 そうですね。例えばアートの世界では新品よりも古いものの方が価格が高くなるわけで、その価値観を他の分野にも応用できないかな、と考えています。

田面木 ああ、たしかにそうですね。ファッションの分野に関しては、今は在庫を消化できないという問題がよく叫ばれていて、その問題を解決するためにも、一時流通と二次流通が密接になる必要があると思います。それは結果的に一時流通を活性化することにつながるんじゃないかなって。たんすのスペースが空けば、そこに新しいものを入れてくれるだろうという、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の考え方です。ただ、プラットフォームは仕組みの面で循環を後押しできても、ひとつひとつの物の価値を魅力的にプレゼンテーションするという点では、もう一歩及ばない。PASS THE BATONは、さきほどおっしゃっていたプレゼンテーションが抜群に上手だと思うのですが、そこにはどんな戦略があるんですか?

遠山 僕はもともと「マーケティングしない」って考え方なんです。だから、ものを作って世に出すまでどういう反応が来るか分からない。正しく受け取ってくれたらもちろん感謝するんだけど、最初からお客さんの顔色を見ることはしません。冒頭の冷凍スープの話にも当てはまるんですが、「いま売れる・売れない」よりも重視しているのは「自分たちがどうあるべきか」。そこに嘘をつきたくないといいますか。

田面木 前回、丸山敬太さんに出ていただいた際も同じような話が出てきたんです。「人の心をどうやって掴んでいるんですか?」って聞くと、「それは分からない。自分の情熱だ」と。

遠山 丸山さんは、どんな環境でも自分自身であり続けていますよね。世の中が右の時に右にいけば、その他大勢と一緒になっちゃうわけで、何かを作りだすということに向き合う上では、社会の流れと距離をとることが必要になる。だからアーティスト的な感覚が重要だと思います。どんな仕事をしていても、良い時もあれば悪い時もあるわけで、世の中の流れに左右されず、自分を貫いて長く続けることができれば、すごく幸せな人生だな、と。

田面木 まさにおっしゃる通りですね。ただ、メルカリはマスに開かれているプラットフォームだからこそ、個の思想や価値観を立たせてブランディングするということが難しい立ち位置にいるんですよね。

遠山 マスのためのサービスってすばらしいじゃないですか。僕は逆に、良い意味での民主化には憧れがありますよ。多くの人に開かれたサービスを形作るためには、どう進めたらいいと思いますか?

田面木 なかなか難しい質問ですね。今は個人のパワーがどんどん強くなっていますよね。これまでは中央集権的に、お金を持っている人や組織がダイナミックな手段で大衆に影響を与えられる時代でしたが、分散型の構造になってきている。言い換えるなら、いろんな価値観が認められる時代なのかなと。それはメルカリというプラットフォームの中で証明されていることだとも思います。その多様さを後押しできる枠組みが求められているのかな、と。

遠山 ユーチューブが一人放送局だとしたら、メルカリは一人商店ですもんね。僕も「これからは一人プロジェクト化の時代だ」と言っています。あるいは「社会的私欲」っていう言葉を使っていて。要は自分の興味をグーっと突き詰めていくと、ある時全体にバーっと広がっていく現象が起きるんじゃないかと。そもそもアートっていうのはそういうもので、個人的な嗜好や感情を煮詰めて、それを広く波及させていくということだと思うんです。
田面木 経営も似ていますよね。スティーブ・ジョブズはすごく変わった人だし、突拍子もないエピソードがたくさんありますが、その独自のこだわりや美意識を貫きつづけたことで、最終的にプロダクトを通じて世界とつながりました。結果が出ればどんな過程でもいい、というわけではないですが、こだわり続けるということの価値は確かにあるな、と。

遠山 僕はそのことに、33歳で絵の個展をやった時に気づいたんです。それまで幼稚園から大学まで慶應に通って、三菱商事に入って、しかも時代はバブル。それなりに楽しくやっている時に、プロデューサーの知人とご飯を食べていたら、いきなり「君の夢は何?」って訊かれて。サラリーマンである自分が個人の夢を語る場面なんてなかったから、答えに詰まっちゃった。みんな経済のために奔走していて、そこに疑問を持つ人もいなかったんです。で、しばらく考えて、学生時代に雑誌・POPEYEでイラストを描いていたことがあったので、「絵の個展をひらきたいですね」って言ったら、「いつやるの?」って(笑)。35歳だとおじさんが悪あがきしているように見えるから……「じゃあ34歳で」って答えると、「年齢は3捨4入だよ。つまり34歳は40歳と一緒だ」と言われて、33歳でやることになりました。それで、その場で一年後のギャラリーをおさえちゃったんです。そこからは本気で自分と向き合って、作品をつくり、実際に個展をやってみたら無事に全ての作品が売れまして、個人の嗜好を突き詰めた先で世界とつながるということを感じました。
田面木 すさまじい行動力ですね。今は、個人で何でも始められると思うし、それを後押しする機運も強くなってきていますが、そんな時代だからこそ、最近僕は新しい組織のありかたに興味があって、非中央集権的なチームとは何か、ということをずっと考えているんです。

遠山 そういう意味では、うちは非中央集権的かもしれません。単純に、スープ作りも財務も人事も、自分より得意な人がいるんですよね。最近、いい言葉を発見したんです。「サレンダー」っていうんですけど、「信頼して委ねる」という意味で。究極のことを言えば、僕はもう経営会議にもいる必要がない、というか。スープストックトーキョーに関しては何もしていないんですよ(笑)。経営会議でも「うん!いいね!」か「うーん、うん!」とかだけ言って終わり。今は「スープストックトーキョー」も「PASS THE BATON」も、それぞれのキャラクターがはっきりしてきたので、「こういうことはしないよね」という判断がしやすくなったというのもあります。

田面木 遠山さんって、ブランドにこだわる、すさまじい経営者というイメージだったんですけど、みんなの力で上がっていく組織を作り上げてきたんですね。そこまで任せられるのって、すごいことですよ。経営に携わる人間として、なんだか励まされました。「サレンダー」という言葉に近い概念として、メルカリには「マネージャーは上下関係ではなく一つの役割である」というものがあります。

遠山 上長が決定したことに従わせようとすると、いくらでもその上長のせいにできるし、モチベーションが上がらないですからね。それぞれが自分ごとにするためには、自分が決定するということが一番。ところで、ひとつ相談して良いですか?

田面木 はい、もちろんです。なんでしょう。ちょっと緊張する(笑)

遠山 今、ArtStickerという、アートの販売とコミュニケーションのプラットフォーム事業をやっていまして、アーティストやギャラリストとのつながりはだいぶ充実してきたのですが、まだお客さんをたくさん巻き込めていないんです。僕はこれからアートのセカンダリーをどんどんやっていきたくて、そこで何かご一緒できないかと……ある人にとっては理解不能なものでも、別の人にとってはとてつもない価値がある。そういう意味ではアートは魔法にかかっているじゃないですか。

田面木 僕自身もアートをセカンダリーで買ったことがあるので、課題はすごくわかります。

遠山 世界のアート市場はセカンダリーが引っ張っているわけだから、日本でもイケてるアートのセカンダリー市場をやれたらなと。僕はインフラに関する知見がまだまだ足りないので、メルカリさんと一緒に組めば面白い化学反応が起こせそうな気がするんですよ。

田面木 まさか、ここで最初のアートの話に繋がってくるなんて(笑)。個人的にも、大好きな分野です。ぜひこれから、詳しく議論させてください。

遠山正道(とおやま・まさみち)
1962年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒業後、三菱商事株式会社に入社。1999年、スープ専門店チェーン「Soup Stock Tokyo」開店、店舗オープン。翌年、三菱商事初の社内ベンチャー企業として株式会社スマイルズを設立。2008年独立。現在は、ネクタイブランド「giraffe」、セレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」の企画・運営も手がける。

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メルカリマガジン編集部

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