ハマりすぎ危険!「家族愛が深まる」名作・傑作ボードゲーム10選

「工夫次第で自宅をエンタメ空間に変えられます」そう話すのはボードゲームライター双六屋カゲゾウさん。
 
「ボードゲームは自宅のテーブルの上で気軽に、そして家族で楽しめる。サイコロのひと振りが、めくったカードの1枚が、奇跡やドラマを生むんです」
 
「おうち時間」をアツくする、傑作ボードゲームを紹介いただきました。
(執筆・撮影/双六屋カゲゾウ、編集/メルカリマガジン 編集部)
みなさんこんにちは。ボードゲームライターの双六屋カゲゾウといいます。『くるねこコイコイ』や『はじめてゲーム 映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史 守れ!コーヤコーヤ星!!』などのゲームデザインの経験もあります。ボクには小学生の姉妹と幼稚園の息子の3人の子どもがおり、普段から家族でボードゲームを楽しんでいます。

ボードゲームは最高のコミュニケーションツール。ゲームに勝つためには頭も手も会話もフルに使うため、そこには濃密な時間が流れます。1、2時間経つのはあっという間! 「おうち時間」が家族で過ごす最高の経験へと変わることでしょう。

これまでに遊んできたボードゲームのなかから、何度も笑い、叫び、喜び、(次の一手に)苦しみ、(負けて子どもが)泣いた10タイトルを厳選しました。

【ピッチカー・ミニ】まるでF1のようなに熱い走り。おはじきレースゲームの大傑作

人数:2〜8人 対象年齢:6歳以上 デザイナー:ジャン・デュ・ポエル
 
マシン(コマ)を指で弾き、いち早くゴールを目指すおはじきです。小さなお子さんでも大人と一緒に盛り上がれる傑作。息子と次女が大好きで、2二人とも小さいころから遊んでいます。
 
「ミニ」と名前はついていますが、トラックは木製で重厚感があり、なんともカッコイイ。これにプラスチック製のガードレールを装着し、組み上げれば実に全長2.5mものコースが出現します。 
 
ガードレールに沿ってマシンがコーナーを抜けライバルをぶっちぎる! そんなロングショットが成功したときの爽快感は格別。大人でも「よっしゃー!」とつい叫んでしまいます。
スタンダード版もありますが、これがミニの2回りくらいデカイ! ほんとはそっちも欲しいのですが、自宅の住宅事情を鑑みいまだに購入をためらっています。

子どもが熱中する度:★★★★☆ 大人が本気になる度:★★★★★

【スコットランドヤード】抜群におもしろい「究極の鬼ごっこ」1人の怪盗VS刑事チームの知恵比べ

人数:3〜6人 対象年齢:10歳以上 デザイナー:プロジェクトチームⅢ
 
舞台は霧のロンドン。市内を逃走する怪盗ミスターXをスコットランドヤードの刑事が追い、捕まえられるか…? というゲームです。
 
怪盗以外の全プレイヤーは刑事です。怪盗を「乗り物チップ」の履歴から逃走経路を推理し、チームで怪盗を追い詰めます。24ターンというリミット内に怪盗を捕まえれば刑事チームの勝ち、逃げ切ればミスターXの勝ち。
 
街には1~199までの番地があり、それぞれがバス、地下鉄、タクシーなどの交通手段で結ばれています。プレイヤーが番地間を移動するとき際には、それぞれの交通機関に対応した
「乗り物チップ」を出す必要があります。
  
ミスターXは特定のターン以外はボードにコマを置きません。その代わり、今いる番地の数字を怪盗専用のラックに書き、その数字を移動に使った乗り物チップで隠します。
怪盗ミスターXはAに行ったと見せかけBに行く……あるいはその裏をかいてCに逃げるのか? 刑事たちはどう連携し、どう包囲網を狭めるのか?
 
お互いに相手の次の行動を推理しつつ、繰り広げられる鬼ごっこ。一手一手に虚々実々の駆け引きが展開され、この頭脳戦がとにかく抜群におもしろい。 
 
最初のころはカンタンに負かせた子どもたちも、回を重ねる度に巧妙なテクニックを身につけ、今では怪盗・刑事のどちらの役でも手ごわい好敵手となりました。
 
怪盗役の孤独度:★★★☆☆ わが家での刑事の団結度:★★☆☆☆

【UNO】パパママには定番のカードゲームも、子どもにとってはニューカマー

人数:2〜10人 対象年齢:7歳以上 デザイナー:マール・ロビンス

遠足や修学旅行の自由時間に、一度は遊んだことがあるであろう『UNO』。

子どもたちにはじめて遊ばせたときは「コレおもしろい!」とびっくりされました。

そうか、大人には遊び慣れたものでも、彼らにとっては未知のゲーム。しかも一番下の5歳の息子でも1度でルールを理解できるし、ゲーム展開も目まぐるしく楽しい。カラフルなカードもいいですよね。
家族と遊ぶと、どういうわけか子どもたちが共同戦線を張ってきます。長女のスキップで手番を飛ばされたり、息子のリバースで順番が回ってこなかったり、ようやく次女が回してくれたとおもったらドローフォーだったり。
 
困る父を見て子どもたちはゲラゲラ。「コノヤロー!」って本気を出すのですが、それで勝てるほどUNOは甘くありません。惨敗してやっぱり笑われています。
 
子どもたちの暗黙の連携度:★★★★★ 親たちの共同戦線度:★☆☆☆☆

【カタン】開拓×交渉×運! モダンボードゲームの圧倒的金字塔

人数:3〜4人 対象年齢:8歳以上 デザイナー:クラウス・トイバー

世界中のゲーム愛好者が“傑作”だと太鼓判を押す交渉系ボードゲームの名作があります。それが『カタン』。「スタンダード版」からはじまり、シナリオが違う「拡張版」も数多く発売されています。

プレイヤーは入植者となって未開の島「カタン」を開拓。各土地から産出される木材・レンガ・小麦・羊毛・鉱石の5つの資源を組み合わせ、道を整備し、街を発展させ、勝利ポイント10点を目指します。

資源の産出は2つのサイコロの合計次第。資源が足りないときは他のプレイヤーとの交渉や港での交易で入手する必要があります。

また島には「盗賊」がおり、「7」の目がでるといずれかの土地に置かれ、その土地からの資源の産出を止めてしまいます。盗賊を排除するためには「騎士」の配備も欠かせません。

こいつらがおじゃま者の盗賊! トップ潰しのために、一番リードしているプレイヤーの土地に置かれることが多い

とにかく多彩な要素と技術と運が絶妙に融合し、勝利にいたる戦術がいくつもある。何度でも遊びたくなる大傑作です。
 
さすがに小さなお子さんには少し難しいですが、小学生ぐらいになれば十分楽しめると思います。ボードゲームファンの友人は「ようやく子どもとカタンを遊べるようになった」と、わざわざ喜びの報告をしてきました。
 
やり込み度:★★★★★ 我が家にあるバージョン違いのカタンの数:★★★★★★★

【ミッドナイトパーティー】盛り上がり必至! 背後から迫りくるオバケに全員大絶叫

人数:2〜8人 対象年齢:8歳以上 デザイナー:ヴォルフガング・クラマー

ある屋敷でパーティーが開催されます。プレイヤーはゲスト役。しかし、この屋敷には恐ろしい秘密が……。地下室にヒューゴという名のオバケが潜んでおり、一定の条件を満たすと会場に現れ、人々に襲いかかります。捕まってしまうと地下牢送りに!
ゲストとヒューゴはサイコロで移動します。ゲストは部屋に逃げ込めばセーフです。6面のうち2面あるオバケマークはヒューゴの移動。しかも常に3マス動くのでとてつもなく足が速い! これを遊び始めると、子どもも大人も迫りくるヒューゴに「ぎゃー」「ひゃー!」と大パニック。
ボクは近所の児童センターでゲーム会を開催することもあるのですが、これで遊ぶとお互いを知らない子どもたちでも一気に盛り上がり、あっという間に仲良くなってしまいます。本当に魔法のようなゲームです。
 
絶叫度:★★★★★ ヒューゴの怖いけど憎めない度:★★★★☆

【バックギャモン】人類を数千年間魅了しつづける究極のクラシックゲーム

人数:2人 

お互いに15枚のコマを持ち、これを2つのサイコロの目で動かして、先にすべてのコマをゴールさせた人が勝利するゲームです。

コースは1本道で、お互いのスタートとゴールが反対にあるため衝突は必至。ヒットといって相手のコマを殺してスタートに戻したり、あるいはプライムという陣形でコースを塞ぎ、相手の進行を妨げたりすることもできます。さらにゾロ目がでるとその目を4回使えるというボーナスがあり、劣勢から一気に大逆転することも。毎回スリリングでエキサイティングな展開を楽しめます。
子どもでも十分遊べますが、ボクは彼らが寝静まった後、お酒を飲みながら奥さんとゆっくりと遊ぶことが多いです。日本では「盤双六」ともよばれ、日本書紀や徒然草にも登場します。ボクの「双六屋」というペンネームはこのゲームに由来しています。
 
アダルトな雰囲気度:★★★★☆  悠久の歴史度:★★★★★

【ラミィキューブ】イスラエルの天才によって発案されたタイルゲームの名作

人数:2〜4人 対象年齢:8歳以上 デザイナー:エフライム・ヘルツァノ

手元の14枚のタイルから「ラン(同色の連続の数字)」や「グループ(色違いの同じ数字)」と呼ばれる3枚以上のセットを作って場(全員共通で使う中央の場所)に出します。最初にすべてのタイルをなくした人が勝つゲームです。

このゲームの醍醐味は「アレンジ」とよばれるルールです。すでに場にあるセットを分割したり組み換えることで、手元のタイルをつけ加えて新たなセットを作ることができます。これがまるでパズルのようで非常に中毒性が高く、つい何度も遊びたくなってしまいます。
算数が得意な長女がめっぽう強く、思いもかけないアレンジで親たちを唖然とさせることもしばしば。あれ、ひょっとしたら算数が得意だからこれが強いわけではなく、これが強いから算数が上達したのかしらん??? 子どもにあっさり負け、「泣きのもう一戦」を頼み込んだことは一度や二度ではありません。
 
中毒度:★★★★☆ 長女のしてやったり度:★★★★★

【ハゲタカのえじき】超シンプルなのに人々が絶叫・絶句するカードゲームのマスターピース

人数:2〜5人 対象年齢:8歳以上 デザイナー:アレックス・ランドルフ

ルールはカンタン、でも展開は激アツのカードゲームです。

ラウンドごとに「場」に得点カードが1枚提示されます。プレイヤーは全員同じ構成の手札(1~15)を持っており、そこから1枚を選び伏せて出し、全員で一斉にオープン。

もっとも大きい数字を出していた人が場に出ている得点カードを獲得できます。ここまでは実にシンプル。

しかし「バッティング」というルールにより怒涛の展開へ。オープンしたときに一番大きい数字がほかのプレイヤーとかぶった場合、次に大きい数字を出した人が得点を獲得できるのです。それさえもかぶっていた場合は、次々点の人が得点を獲得します!
これがバカみたいに脳みそを沸騰させます。勝負手がほかのプレイヤーとかぶり、ショボい数字にまんまと負ける。これが悔しいのなんのって! 「マジか!」「なんで今そのカード出すんだ!」など怒号と絶叫が飛び交います(まあ、逆に漁夫の利パターンもあるのですが)。
 
このゲーム、勘がするどい次女がやたら強く、みんなが絶叫するなか、ニヤニヤしながら得点カードを悠然と持ち去ります。こちらの悔しさは倍増です。
 
次女のクール度:★★★★★ 父親の立ち振る舞い度:★☆☆☆☆

【カルカソンヌ】幾多のシリーズや拡張版が誕生した、ゲーム史に燦然と輝く傑作タイルゲーム

人数:2〜5人 対象年齢:8歳以上 デザイナー:クラウス・ユルガン・レード

タイルを使った陣取りゲームです。裏になっている山からタイルを1枚引き、すでに場にあるタイルの絵柄に合わせて配置します。

また各プレイヤーは7人の手下(コマ)を持っています。手下はタイルの配置の際に一緒に置くことができます。施設や地形などの陣地を完成させた時に、そこに自分の手下がいれば「得点」なのですが……ここからがこのゲームのキモ!
例えばそれぞれに完成を目指す2つの飛び地の間に、1枚のタイルが入ることで一つの陣地が完成するとします。この際、得点できるのは陣地内により多くの手下がいるプレイヤーのみ! 高得点が期待できる陣地などは絶対に手下の数で負けるわけにはいきません。
 
しかしタイルは四方にどんどん拡張していくので、一つの陣地にこだわりすぎるとほかの場所が手薄になってしまいます。タイルと手下をどう配置するか。これが悩ましくも楽しいジレンマです。
 
とはいえタイル引きは運次第。考えどころは多いですが、経験や年齢に差があってもみんなが楽しく遊べるゲームです。
 
ジレンマ度:★★★☆☆ 奥さんの家庭内での手下の数:★★★★☆

【アベ・カエサル】コロッセオを沸騰させる戦車戦。レースゲームのキング・オブ・キングス

人数:3〜6人 対象年齢:12歳以上 デザイナー:ヴォルフガング・リーデッサー

レースゲームの最高峰の一つであるこの『アベ・カエサル』は、古代ローマのコロッセオが舞台です! プレイヤーは剣闘士となり四馬立ての戦車(チャリオット)を駆り、コースを先に3周すれば勝利の栄冠に輝きます。戦車の移動は毎回3枚の手札から1枚を選び、その数値分だけ進めます。

このゲームのおもしろさはズバリ「コース取りの駆け引き」です。戦車が1台しか通れない隘路を押さえてほかの戦車の走行を妨げたり、インコースをブロックして敵に大回りをさせたりなど、この攻防が凄まじくおもしろい。
さらにレース中に一度は皇帝が待つレーンに入り、「アベ・カエサル(皇帝万歳!)」の宣誓とともにコインを捧げなければなりません。このタイミングも勝負のアヤを生みます(宣誓ができないとその剣闘士は不敬罪で失格です!)。

とにかくテーマもアートワークもかっこよく、簡潔なルールながら遊び応えも十分。家族全員がガチンコで戦えるので、勝てば大喜びし、負ければ本気で悔しがることができる。心を揺るがすレースゲームのマスターピースです。

かっこいい度:★★★★★ 映画『ベン・ハー』度:★★★★★ 

・・・

ボードゲームでやりとりされるのは、コマやカードだけではありません。そこには思惑や企み、必勝の意思や感情も伴っています。
 
ゲーム上の一手一手のやりとりのことを、囲碁の世界では「言葉以上に心を深くつなげる」という意味で「手談」と呼ぶそうです。
 
そんな深いコミュニケーションの経験を自分の家族と持てたら、とても素敵だと思いませんか? あるいは、そこまでいかないとしても家族でゲームを囲んだ時間は、楽しい記憶として子どもたちの心にずっと残るとボクは信じています。
実は今回ご紹介したボードゲーム10選は、発売から20年~40年(バックギャモンに至っては数千年)以上経っており、しかも今なお世界中で遊び継がれているものばかり。つまり、人々の、そして時の洗礼を受け生き残った傑作群ということになります。
 
これらを皮切りに他のボードゲームにも興味をもっていただけたら、こんなうれしいことはありません。
 
みなさんがさらなる素敵なボードゲームに出会えることを願いつつ、GOOD ROLL‼

双六屋カゲゾウ
ボードゲームライター、オフィス新大陸所属。
All About の元カード&ボードゲームガイド
「育児屋カゲゾウ」名義でブログなども。
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メルカリマガジン編集部

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