オートバイ2022.11.17

おすすめの「125ccバイク」をバイク好きライターが本気でセレクト【14選】

ひと昔前まで125cc以下の小型バイクと言えば、ビジネス用途など「生活の足」として使う方が多いイメージで趣味車としては広く知られていませんでした。しかし近年は国内4メーカー(HONDA・YAMAHA・KAWASAKI・SUZUKI)も力を入れている人気クラスで、種類も豊富で魅力的な車両が多く発売されています。今回はバイク歴9年のアウトドア系ライターである高木はるかさんが、125㏄クラスのなかから、中古でも買えてコスパ最強のバイクを教えてくれました。

(執筆・写真/高木はるか、編集/株式会社モジラフ、メルカリマガジン編集部)

原付バイクの種類について【原付一種/原付二種】

原動機付自転車、通称「原付」には、自転車の延長で乗れるような手ごろなイメージがあります。

実は原付には大きくわけて2種類があります。排気量50cc以下のバイクは「第一種原動機付自転車」、通称「原付一種」。そして51〜125ccのバイクは「第二種原動機付自転車」、通称「原付二種」と呼ばれています。一種と二種では、免許の区分や交通ルールも違うのです。

今回ご紹介するのは、排気量51〜125ccの原付二種にあたるバイクです。

失敗しない125ccバイクの選び方【国内メーカーの特徴とは】

中古バイクは、前オーナーの取扱いや保管状況によって状態が左右されます。そのため購入前の現車確認と、購入後のメンテナンスは必須と思った方がよいかもしれません。エンジンの始動や異音の有無、消耗品の摩耗などを確認してからの購入がおすすめです。

また、比較的失敗が少ないのは、年式が新しい国内メーカーのバイクです。その理由は2点あります。

故障の少ないバイクが多い

海外メーカーのバイクと比較すると、昔から故障が少ないといわれているのが国内メーカーのバイクです。しかし最近は海外メーカーのバイクにも品質が高いものが多く、徐々にその差は埋まりつつあります。

部品が簡単に手に入る

国内に倉庫があるため、メンテナンスや故障の際はすぐに部品が手に入ります。海外メーカーのバイクの場合、部品取り寄せに数カ月かかることも珍しくありません。

また工賃に関しても、海外メーカーのバイクは別料金を設定しているショップもあるため、やや出費がかさむ傾向にあります。

125ccバイクに乗るメリットとデメリット【維持費が安く取り扱いやすい】

メリット

維持費が安くてコスパ最強

車体価格や消耗品はもちろんですが、125ccクラスのバイクであれば税金や保険といった維持費も抑えることができます。

具体的には、自動車税と自賠責保険が安く、自動車重量税は非課税。おまけに任意保険に関しても、自動車保険に付帯できるファミリーバイク特約が使えます。

小柄なライダーも取り扱い簡単

125ccクラスのバイクには、車重が軽くて足つきがよい車両がたくさんあります。小柄なライダーであっても不安を感じることなく取り回しができ、気軽に乗ることができます。

取扱いやすさはフットワークの軽さとイコールの関係にあり、気ままに探検しながらのツーリングにはもってこい。寄り道が好きな人にもおすすめです。

周りの車のペースに合わせやすい

排気量50cc以下のバイクには法定速度30km/hという制限がありますが、125ccクラスのバイクにはその制限がありません。つまり速度指定のない一般道路では、60km/hで走行することが認められているのです。

まわりの車のペースに合わせやすく、無理やり追い抜かれる機会も少ないため、比較的安全に走ることができます。

デメリット

自動車専用道路を走れない

125ccクラスのバイクは、高速道路や自動車専用道路を走ることが禁止されています。どこへ行くにも一般道路を走る必要があり、長時間乗る際は体力の消耗につながります。

また稀に125cc以下は通行禁止のバイパスや橋などがあり、ビギナーは慣れるまでは慎重に運転する必要があります。

非力なエンジンによるパワー不足

平坦な道を法定速度内で走る分には十分なのですが、登り坂になるととたんにパワー不足を実感させられます。

坂道では徐々にスピードが落ちるため、ギアチェンジした上でアクセルをしっかり回すなどの操作が必要です。一方で、そういった操作感が好きな人にとっては、逆にメリットにもなるのかもしれませんね。

【おすすめ125ccバイク】HONDA(ホンダ)

カブシリーズをはじめ、多くの人気車種を抱えているのがホンダです。近年の125ccクラスの流行を作っているといっても過言ではありません。丈夫で壊れにくい車両が多く、信頼して長期間乗り続けることができる名車が多いのが特徴です。

HONDA(ホンダ)スーパーカブ110:ライダーの生活に寄り添うスタンダードバイク

60年以上愛され続けるロングセラーバイク。とにかく丈夫で、メンテナンスさえ怠らなければ長期間乗ることができます。

カスタムパーツが非常に豊富で、ライダーの生活に合わせて機能を拡張しやすいこともメリットです。生活の足、ツーリング、アウトドア、ビジネス用途など、スタンダードなモデルだからこそ使い道が制限されず、多くの人に愛されています。

スピードを出して峠を攻めるというよりも、ストレスフリーにトコトコと走ることに向いている乗り味です。2022年のモデルチェンジでエンジンやブレーキの性能がアップし、よりアクティブな走りができるようになりました。

HONDA(ホンダ)スーパーカブC125:C100の遺伝子を受け継ぐワンランク上のシティコミューター

初代スーパーカブC100を彷彿とさせるクラシカルなスタイルが魅力の、スーパーカブ史上もっともパワフルな1台です。

重厚感を感じる力強い走り、作り込まれた足まわり、LED灯火類やスマートキーなど、原付ばなれした豪華な装備を搭載しています。また見た目に似合わずスポーティな走りができ、ディスクブレーキのおかげで安心感もあります。

「上質なシティコミューター(街中の移動に使われる小型乗用車)」というコンセプトで作られており、ビジネスバイクの枠を超えた次世代スーパーカブといえるでしょう。

HONDA(ホンダ)クロスカブ110:遊び心全開な万能アクティブバイク

カブシリーズ随一の遊び心が感じられるバイク。アウトドアテイストなデザインは、ライダー以外からも好評です。

乗り味は意外にもマイルド。低ギアから丁寧に加速をすることが必要とされますが、逆にそれがアクティブな操作感を感じさせてくれます。2022年以降のモデルではエンジンやブレーキが改良され、スポーティな走りもできるようになりました。

柔軟な足回りのおかげで走破性が高く、フラットダートでの走行、キャンプやロングツーリングなど、幅広い用途で活躍してくれます。ハンターカブよりも価格が安く、気軽に扱えるのも魅力です。

HONDA(ホンダ)ハンターカブCT125:欠点ナシの本格アウトドア派バイク

2020年の発売から現在まで、125ccクラスの話題の中心であり続けているバイク。1981年に発売された名車CT110の復刻モデルです。外遊びが好きな人にはこれ以上ないほどぴったりなアウトドア派バイクです。

無骨さを感じるデザインも人気ですが、本格的なオフロード走行を想定された仕様はマニアをも唸らせます。

低速のトルクがしっかりとあって悪路を難なく走行できるだけでなく、パワフルながらも軽いハンドリングで峠を楽しむこともできます。乗れば人気の理由がわかる、欠点がほぼない優秀なバイクです。

HONDA(ホンダ)モンキー125 :運転が楽しくなる! 身軽で本気な遊べるバイク

大人気の名車、モンキー(50cc)のリバイバル車両。丸っこいタンクやシートが可愛らしいだけでなく、メッキパーツが多用されて高級感も感じさせてくれるデザインです。

車重が104kgと軽く、加速もスムーズ。後輪が地面を蹴っているような感覚で、周囲の車に置いていかれることなく軽やかにツーリングを楽しめます。

タイヤが前120/80-12、後ろ130/80-12と小さくて太いため、コーナーでは簡単に倒し込むことができます。運転がワンランク上手くなったような気持ちにさせてくれる、気持ちのよい乗り心地です。

カブを除く125ccクラスのバイクの多くは、ノーマルの状態ではほとんど荷物を積載できません。ロングツーリングやキャンプよりも、日帰りツーリングに向いているといえます。

HONDA(ホンダ)CB125R:スタイリッシュに走れるネオスポーツカフェ

新世代CB-Rシリーズのエントリーモデルで、コンセプトは「ネオスポーツカフェ」。昔ながらのカフェレーサースタイルではなく、現代的なエレガントさを加えた美しいデザインが特徴です。

スムーズな加速と、後輪が地面を蹴って進んでいるような力強さは、125ccクラスとしては十分な性能。高回転まで回したスポーティな走りが得意です。

125ccとしては装備が豪華で、CB250Rと共通のボディが使われています。シート高は815mmと少し足つきが悪いため、特に低身長のライダーは注意が必要です。

HONDA(ホンダ)グロム:カスタムしてよし、走ってよし! 125ccブームの火付け役

海外人気も高く、125ccスポーツバイクブームの火付け役といえます。

メカっぽいかっこよさと、おもちゃっぽい可愛さが共存したデザインが特徴的。特に2021年以降のモデルでは、ライダーが手軽にカスタマイズできる仕様が魅力的です。

エンジンは先にご紹介したモンキー125と共通です。車重は102kgと軽量で、小排気量でありながらも鋭い加速があります。しっかりアクセルを回して軽快なスポーツ走行が楽しめ、街乗りはもちろん、ワインディングでも活躍してくれるはず。日常が楽しくなるバイクです。

【おすすめ125ccバイク】YAMAHA(ヤマハ)

トリシティをはじめ、個性的なスクーターを中心に販売しています。現代的なデザインと最先端の技術が取り入れられたバイクはどれも高品質。今後は海外限定の車両が国内販売されるという噂もあり、目が離せません。

YAMAHA(ヤマハ)トリシティ125:独自のメカニズムを持つ新時代の3輪モビリティ

他のメーカーにはない珍しい3輪構造が特徴です。独自のメカニズム(リーニング・マルチ・ホイール)で抜群の安定性があり、一般道であればどんな道でもある程度は安心して走ることができます(ただし、無理は厳禁です)。

意外なのが、コーナリングを中心にバイクらしい操作感、運転の楽しさはそのまま味わえることです。また長時間乗っても疲れにくく、「新しい乗りもの」とはこういう車両のことを指すのかもしれません。

159kgと125㏄クラスのなかでは車重が重め。自立はできないので、取り回しの際は十分な注意が必要です。

YAMAHA(ヤマハ)シグナスX:レースもこなす「通勤特急」なスポーツスクーター

レースで使われるほどの性能を持つスポーツスクーター。「通勤特急」という異名も持っています。

乗り心地は全体的にキビキビとした印象です。走りはじめからの加速力があるだけでなく、渋滞や坂道もスムーズに走れます。制動能力が高く小回りも効き、市街地ではこれ以上ないほどの性能ですが、他の車種と比較してやや燃費が悪いのが玉にキズです。

シート下に29リットルと大きな収納があるのはスクーターならでは。過去3回のモデルチェンジを経てなお人気を集め続けており、カスタムパーツが豊富にあるのも魅力的です。

YAMAHA(ヤマハ)YZF-R125:欧州育ちの本格スーパースポーツバイク

欧州向けのスーパースポーツバイク。中型バイクにも引けをとらない車格と高級感を持っています。

車重は144kg と意外に軽く、その影響で125ccクラスとは思えないほどスピード感ある走りができるのが魅力です。攻めのバイクのため、乗車姿勢は前傾が強めです。シート高も820mmと高く、小柄な人は事前に足つきをチェックした方がよいかもしれません。

逆輸入車のため維持費は安くありませんが、2023年には日本国内での販売が噂されています。今後中古車の在庫が増える可能性もあり、目が離せません。

【おすすめ125ccバイク】KAWASAKI(カワサキ)

豪快で無骨なイメージが強いカワサキ。125ccクラスの現行車種は、残念ながら2022年現在はZ125 PROのみです。過去には人気のオフロード車を製造しており、新車が手に入らない状況のなか、カワサキのこのクラスを狙いたい人であれば中古バイクを検討するメリットは大きいといえます。

KAWASAKI(カワサキ)KLX125:コンパクトで身軽なお手軽オフロードバイク

コンパクトで小回りの利くオフロード車。カワサキらしい無骨で直線的なデザインと、どんな場所でも気兼ねなく乗れる身軽さが魅力です。

のんびりトコトコと走る範囲では、街乗りから林道遊びまで幅広く楽しめます。爆発的な加速やスピードは期待できませんが、特にオフロード走行においては、車重の軽さと足つきの良さによってリカバリーが効きやすいのがメリットです。

兄弟車として、モタードモデル(オンロードタイヤを履いたオフロードバイク)のDトラッカーがあります。

KAWASAKI(カワサキ)Z125 PRO:カワサキの本気が詰まったネイキッドスポーツ

Zシリーズの遺伝子を継ぐバイク。ストリート感の強い、シャープで高級感のあるデザインが人気を集めています。

アクセル操作への反応が素直で、低回転でのトルクと高回転までのスムーズさに定評があります。見ためのとおりメリハリのある走りが得意で、フットワーク軽くさまざまな場所に遊びに行きたくなるはず。

軽いハンドリングでUターンも簡単。街乗りレベルではパワー不足を感じることはなく、攻めなければ山道をツーリングするのにもピッタリです。

【おすすめ125ccバイク】SUZUKI(スズキ)

他メーカーに比べると、お手軽で実用的なバイクを数多く販売しているスズキ。125ccクラスにはスクーターのラインアップが多く、通勤や通学などの用途で多くの人々に愛用されています。今回はMT(マニュアルトランスミッション)にしぼり、ちょっと風変わりなバイクもご紹介します。

SUZUKI(スズキ)GSX-R125 ABS:アクセル全開で遊べるクラス最強のスポーツバイク

DOHC4バルブヘッドを搭載した高性能エンジン、最高出力15馬力と、125㏄クラス最強を誇るスーパースポーツバイク。GSXシリーズ共通のスポーティなデザインも人気です。

当然250ccクラスよりも非力ではありますが、本格スポーツバイクながら法定速度内でしっかりエンジンを回して遊べるというのは、ある意味メリットです。状況に応じたギアチェンジやアクセルワークといった操作をすることで、バイクの性能を引き出す面白さが味わえます。

兄弟車に、ノンカウル(バイクを覆う樹脂製の外装パーツがない)モデルのGSX-S125 ABSがあります。

SUZUKI(スズキ)GN125:旧車の雰囲気漂うマニア向けバイク

スズキが技術供与した中国メーカー、大長江集団製で、スズキがOEM販売している輸入車です。旧車(おおよそ30年以上前に生産されたバイク)っぽい昭和の雰囲気を残したデザインが、コアなファンを集めています。

作りの粗さや純正パーツが手に入りにくいなどのデメリットはあります。しかし価格も抜群に安いうえ、社外パーツも手に入るため、気軽にカスタムして遊べるバイクといえます。

もともとは1980年代にスズキが開発しているため、基本的な設計はしっかりしてます。年式によって品質にバラつきがあるため、調べてから購入するのがおすすめです。

安いだけが魅力じゃない! 中古で買える125ccバイクの面白さとは

ひとことで125ccクラスのバイクといっても、車種ごとにまったく違った性格を持っています。スタイルや性能によって、個性豊かな乗り味を楽しめることが伝わりましたでしょうか。

どの車種にも共通しているのは、軽くて小さな車体を自在に操作し、バイクのスペックを最大限に生かす楽しさを味わえるということです。

近年、中古バイク価格が高騰していますが、もともと車両価格が安い125ccクラスは比較的手に入れやすい価格で販売されています。お気に入りのバイクが見つかったら、思い切って購入してみてもよいかもしれませんね。

高木はるか(たかぎ・はるか)

バイク歴9年のアウトドア系ライター。主にバイクやアウトドアに関する記事もを書いています。 愛車はハイゼットジャンボエクストラ、ヴェルシス650、クロスカブ110、スーパーカブ90。

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メルカリマガジン編集部

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