(執筆/安藤昌教、撮影/JUNERAY、編集/デイリーポータルZ編集部、メルカリマガジン編集部)
実は使い勝手も良い「ガラス食器」
安藤
家の食器類をおしゃれにしたいんですが、なにから手を付けていいのかわからなくて。僕みたいな人とか、これから引っ越ししたり、新しく食器を揃えたりする人向けに、これさえ買っておけば間違いなし!というおすすめがあれば教えてほしいんです。
JUNERAY
それなら安藤さん、ガラス食器がおすすめです。
ガラスかー。きれいなのはわかるんですが、ガラスはちょっと高そうだしすぐに割れてしまいそうで。
わかります。私もガラス食器が趣味ですって言うと、だいたい「高くないですか?」って言われるんです。
でも高いですよね、ぜったい。これは振りではなく本心で。
高いものもあります。でも今日紹介するのは新品でも数百円から数千円で買えます。メルカリで探せばもっと安いです。
安心しました!師匠、いちから教えてください。
2重ガラスがかわいい「KINTOのKRONOSシリーズ」
まずは見た目からしてちょっと不思議でかわいい食器から。
うっわ、かっこよ。どうなってんですかこれは。サラダが浮いてる。
KINTOのダブルウォール、つまり2重になってるんですね。それのなにがいいって、断熱効果があるから熱いものを入れても持つ時に手が熱くないし、冷たいものの持ちもいいんです。
構造が複雑な分、値段も高そう。
これはダブルウォールのスープボウルというやつで、今サイトを確認したら税込で1430円ですね。
え!
買えちゃうでしょう。朝にシリアル食べるのにもいいし、お昼にちょっとしたサラダを食べるのにも、夜にスープ飲むのにも使えちゃいます。
参りました。
しかも聞いてください。なんとこれ、電子レンジ可です。
そんなむしのいい話がありますか。だまそうとしていませんか。
ここで安藤さんをだます意味がどこにあるんですか。冷めちゃったごはんを温めなおしたい時とかにとってもいいんです。
同じダブルウォールでCASTシリーズから出ているカクテルグラスも便利なんです。熱々のコーヒーを入れても手が熱くないし、見た目も浮かんでるみたいで可愛いし、冷めたらレンチンできちゃいます。
ぐうの音も出ません。
「イッケンドルフのウォーターグラス」で水を飲むことが趣味になる
さきほどKINTOのカクテルグラスを紹介した写真の左のお皿は、イタリアのICHENDORF (イッケンドルフ)のソーサーです。
これもきれいですねー。
これ、ソーサーなんですが、わたしは小皿として愛用してます。イッケンドルフはデザインが全部よくて。
ちょっとレトロな感じがしてまたおしゃれです。
安藤さん水は飲みますか?
もちろん飲みますよ。
その時にね、ちょっといいグラスで飲むと、なんかその「水を飲む」っていう行為がすごく楽しくなるんです。これは趣味になりえますよ。
水を飲む、という行為が趣味になるのか。僕はグラスを洗うのが面倒で手ですくって飲んでました。
効率的!そんな人でもぜひ一個お気に入りのグラスを置いてみてください。信じられないくらい忙しいときでも、手元にあるグラスがめちゃくちゃきれいってだけで救われることがありますから。
いいこと聞きました、反省します。
しかもイッケンドルフの製品はほとんどが耐熱ガラスなので、こんな華奢に見えてお湯も入れられちゃう。
ガラス食器って敬遠してたけど、もしかして便利なのではと思えてきました。JUNERAYさんが前に紹介していた(※1)、インドの理化学メーカーのグラスも可愛かったですよね。
シンプルかつ直火もオッケー「BOROSIL」
BOROSILですね。
このメーカーのはデコデコしてないのがいいなと思います。
そうですね。側面も底も均一な厚みのグラスってなかなかめずらしくて。あとBOROSILのすごいのは、ビーカーとか作ってるメーカーだから直火OKなんです。
あと、なんのためにあるのかわからない蓋も理化学感があって好きです。
あ、これ小皿じゃなくて蓋なんですね。
そうなんです。でも一人でお酒のみながらつまむのにちょうどよくないですか。私は常備菜を器で保存して、蓋を取り皿として使うことも多いです。
一人で飲みながらつまむならポテチか竹輪でしょう。こんなしゃれたものをつまんでいるのは僕の知る限りではJUNERAYさんだけですよ。
いやいや、これカルディで買ってきたスパイスにキュウリとタコを和えただけですから。
竹輪なんて皿すらいらないですから。
香りが変わる「HARIOのフレーバーグラス」
これは個人的にヒットした商品で、HARIOのフレーバーグラスです。HARIOって日本のメーカーでガラスの王様「玻璃王(はりおう)」から来てるんですよ。
HARIOは聞いたことありましたが漢字だったんですね。かっこいい。そういえばJUNERAYさんってソムリエ協会認定のワインエキスパートの資格持ってるんでしたよね。
そうなんです。おかげで家にワイングラスが大量にあるんですが、ワインだけじゃなく、飲み物ってグラスの形で香りが大きく変わるんです。このグラスは私が持ってる中でも香りがすごく繊細に感じられます。
グラスでそんなに変わるんだ!
変わりますね。飲み口がやや外に広がった形状がうまく香りを拡散するのだと思います。この形のグラス、探しても意外とないんですよね…。私は日本酒やビールもこれで飲むことがあります。紅茶なんかもいい香りに感じられますよ。
生活にぴったり馴染む「無印のガラスボウル」
最後にこちらを紹介させてください。無印良品のガラスボウルです。
無印は僕もよく行くんですが、だいたい靴下しか買わないな。
無印の靴下はいいですよね。
無印の靴下って足首が直角なんです。あれがピシッとしてて好きで。
わかります。人の足は直角なんだから、他のメーカーも直角にしたらいいのに。
それにしてもこのガラスボウルもまたきれいですね。
これ、先月くらいに買ったんですけど、買ってからものすごく使用頻度が高くて。
何を入れてもきまる気がしますね。
「ちょっとサラダ食べたい」とか「フルーツ洗ったから盛りたい」みたいなときに必ず使えるんです。
素麺食べるのにもよさそう。
そうそう、暑い時期は素麺ですよね。無印の器は「とくべつじゃないけど生活にぴったり馴染む」のがうまいと思います。
なるほどー。
対してイッケンドルフやBOROSILは「とくべつだけど生活の中で意外と使える」だと思います。使い道を探すのがまた楽しい。
ガラスは割れる。だから暮らしが丁寧になる。
まんまとガラス食器が欲しくなってるんですが、でもガラスってやっぱり割れやすいんじゃないですか?僕はそれが嫌で家の食器はほとんどが木です。
木もまたおしゃれなんですが、ガラスは割れるのが嫌だからこそ、ある程度大切に扱うことになるんです。で、その気持ちのまま料理しはじめると、なんとなく丁寧に盛り付けちゃったりして。
なるほど、食器が意識を変えるんだ。
そうそう。全体的にとくべつな感じが生まれますよ。
そこまで込みでのガラス食器なんですね。
安藤昌教(あんどうまさのり)
デイリーポータルZ編集部勤務。ものをむかずに食べる「むかない安藤」としても活躍中。好きなものはカメラと恐竜。あとサメが出てくる映画。
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JUNERAY(じゅーんれい)
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、クラフトビアアソシエーション認定ビアテイスターのライター。元家具屋で花屋でバーテンダー。好きなものは酒と花。
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