YouTubeチャンネル「今日ヤバイ奴に会った」で、インドの街中で撮った屋台動画を公開している坪和寛久さん。もはや芸術とも言えるような手さばきで、屋台のおじさんが300個もの卵を割ってスクランブルエッグを作ったりと、見ていて飽きることがありません。一体、坪和さんはいつもどんなスタイルで撮影をしているのか? 撮影に必ず持っていくマストアイテムをご紹介していただきました。
(編集/メルカリマガジン編集部、撮影/飯田協平)
カメラとして使ってるのはこれ「iPhone SE」
坪和さん
インドの屋台を撮影するときは、いつもiPhoneを使っています。撮影時間はだいたい5〜10分、長くても30分くらいです。本当は、僕の勤務先の社長が買ってくれたiPhone Xをカメラとして使ってたんですけど、それがですね、インドに来て初めてスリに盗まれてしまい、昔使っていたSEを今使っています。とにかくiPhone本体以上に、その中に入っていた動画データが全部なくなっちゃったのが辛かったですね。とはいえ、僕がインドから得ているものとか、勉強させてもらってることに比べたら…って思って自分を慰めてます。
「iPad Pro」で「FilmStory」を使って動画編集
坪和さん
iPhoneで撮影した動画データは、このiPadに取り込んで編集します。編集アプリは「FilmStory」というもので、僕がYouTuberを始めた頃からずっとこれを使っていますね。インドはどこでもそうなんですが、特に僕が住んでいるムンバイは渋滞がひどいので、タクシーとか移動中によく編集をしています。動画1本につき、だいたい1〜2時間くらいかかります。
ソニーのBluetoothイヤホン「WI-C310」
坪和さん
外で動画編集をするのに、イヤホンは欠かせません。インドってとにかく街の騒音がひどく、例えばタクシーの中でも日本と違って爆音で音楽を流したり、ラジオを聴いてたりするので、たまにそれが嫌になることがあるんですよね(笑)。現実逃避したくなるというか…。このソニーのイヤホンは僕の耳の形にフィットするので重宝しています。それに“完全ワイヤレス”ではないところも気に入っています。僕はすぐにモノをなくしてしまうタイプなので、完全ワイヤレスだとなくさない自信がありません。ましてやインド、絶対に見つからない(笑)。
スラム発のブランドDharavi Market「Genuine Leather Backpack BP14」
坪和さん
ジンバルなどの撮影機材や、編集のためのiPad、それに撮影で購入した屋台飯を入れるのに使っているバッグです。ムンバイで一番大きなスラム「ダラヴィスラム」で、5,000円くらいで買いました。お店の人は「本革」って言ってましたが、何の革かはわかりません(笑)。今、ダラヴィスラムは観光地化しようとしていて、こういうバッグとかジャケット、財布、靴などの革製品を作って、ダラヴィブランドにして売ってるんですよ。まだ日本では買えませんが、スラムの近くの革製品のお店によく売ってます。僕はどこかでインドに恩返ししたい気持ちもあるので、これをどんどん紹介したり、買ったりして応援していきたいですね。
1〜200ルピー(1.5〜300円)までの少額紙幣
坪和さん
インドの屋台ってお釣りを持っていないことが多いんです。なので、屋台撮影に小銭は必需品。常にポケットには小銭を入れてます。でも僕は基本的にいつも多めに払って、撮影させてくれたお礼の気持ちを込めて「お釣りはいらないよ」って言ってます。それでもお釣りの代わりに、飴玉やチョコ、たまにキュウリを切ったやつにちょっとマサラをつけて、それで5ルピー分として渡されたりすることも(笑)。インドは日本以上にキャッシュレスが広まりつつあるんですけど、タクシーやオートリキシャ(三輪タクシー)もお釣りがないことが多いので、やっぱり小銭は必要ですね。
視聴者からの差し入れ「RALPH LAURENのハンドタオル」
坪和さん
インドの街歩きをするライブ配信を2年くらい前から始めたんですけど、インドは暑いので汗だくになってやっていたら、その姿を見かねた視聴者の方がファンミーティングなどで、タオルを差し入れてくれるようになったんです。このタオルもそうやっていただいたものです。以前の僕はタオルやハンカチなどを一切持ち歩かなかい人間だったんですけど、今ではこういう小さなタオルをいっぱい持ってます(笑)。ちょっとは、ちゃんとした人間になってきたかな?
インドを代表する蚊よけクリーム「Odomos」
坪和さん
半年くらい前にデング熱になったんです。デングの菌を持った蚊に刺されたんですね。そこから1週間くらい40℃の高熱が出て入院したんですけど、幸いその時は動画のストックがあったので、うなされながら病室で編集してました(笑)。で、デング熱って2回目からはアナフィラキシーショックになる可能性があるので、それ以来、このインドで一番ポピュラーな蚊よけクリーム「Odomos」を必ず持ち歩いています。まあ、それでも刺されることもありますけど、塗らない状態よりかは刺される量がちょっと少ない気がします。
坪和さん
これらが僕のインド屋台撮影の必需品です。もちろん撮影させてもらった料理はあとで全部いただきます。ただ、あちらの料理は脂っこいものが多いので、どうしても体重が増えてしまうんですよね…。おかげで8kgも増えました。最近は一緒に住んでいるインド人にお土産としてあげたりしてるんですけど、今度は彼が太ってきてしまいました。インドの屋台撮影において、体重増加は避けて通れない問題です(笑)。
坪和寛久(つぼわ・ひろひさ)
1984年生まれ、茨城県北茨城市出身。人気YouTubeチャンネル「今日ヤバイ奴に会った」の中の人。東京の電子書籍系の会社に勤務していた2013年、縁あってインドの不動産会社に転職。以降、ムンバイに在住。2014年の暮れから街で見つけた面白い屋台の動画をYouTubeにあげるようになり、2017年に入ってチャンネル登録者数が急上昇。今では50万人を超える。屋台動画の他に、毎週土曜20:30から同チャンネルでインドの街歩きをするライブ配信をしたり、日本へ帰国の際はファンミーティングも開催。さらに現在勤務しているインドの会社ではYouTube部門を立ち上げ、インド向けの動画開発や、インド人YouTuberの育成にも取り組んでいる。