趣味2022.12.11

燻製の初心者におすすめの道具をセレクト【燻製の種類/やり方も解説】

食材を燻すことで、独自の風味をつけることができる燻製。

ハードルが高いように思えますが、必要となる道具とやり方を知っていれば、初心者でも気軽にはじめることができます。この記事では燻製の種類や、おすすめの道具を紹介します。

(執筆・編集/メルカリマガジン編集部)

温度でわかれる燻製の種類【冷燻法/温燻法/熱燻】

燻製のやり方は、温度によって3つの方法があります。

冷燻法

冷燻(れいくん)法は15~30度の低温で長時間燻製する方法です。

長時間かけて食材の水分を抜くため、燻製した食材がドライな味わいになり、長期保存が可能です。食材に熱を通さない燻製方法なので、スモークサーモン作りなどに適しています。

ただし、冷燻法は他の燻製に比べると時間がかかり、外気温との兼ね合いを考えた温度管理が必要です。大きな器具を用意し、食材や温度の管理が難しいため、他の燻製方法に比べると上級者向けです。

温燻法

温燻(おんくん)法は、30~80度の煙で燻す燻製方法です。

スモークウッド(スモークチップを固めたもの)に直接火をつけて、煙で数時間から1日程度燻します。もっともポピュラーな燻製方法で、食材の約半分の水分が抜けるため、数日程度の保存ができます。

熱燻に比べて時間はかかりますが、熱源を用意する必要がないため、道具を揃えれば初心者でもはじめやすいです。

熱燻

熱燻(ねっくん)法は80度~140度の高温で、短時間燻す燻製方法です。

スモークチップをガスコンロやバーナーで熱し、出た煙を使って10分~1時間程度食材を燻します。燻製する時間は、他のやり方に比べて短く、自宅でも比較的手軽にはじめられるので、初心者におすすめの燻製方法です。

素材の水分が多く残るので、ジューシーな味わいが特徴です。そのため、水分が多く、保存性はあまり高くありません。

燻製に必要な道具:燻製器

燻製器とは、食材を煙で燻して香りづけや色付けができる調理器具のことです。燻製器があれば食材を置いたり、吊るしたりでき、スモークチップやスモークウッドを置くスペースがあるため、燻製がしやすくなります。

燻製の種類によっては専用の燻製器を用意する必要があるため、自分がやりたい燻製法に適した燻製器を探してみましょう。

冷燻におすすめの燻製器

冷燻法は大型の燻製器で時間をかけて行うのが一般的です。低温の煙で燻すため、外気温が低い冬にしかチャレンジできず、温度管理が大切なため上級者向けの燻製方法になります。

ただし、最近では食材にスモークチップの風味を、短時間で加えることができる燻製器があります。低温の煙で香りづけする燻製のため、厳密には違いますが冷燻を試してみたい方は「フードスモーカー」や「燻製メーカー」をチェックしてみましょう。

グリーンハウス(GREEN HOUSE)の「フードスモーカー」

グリーンハウス(GREEN HOUSE)の「フードスモーカー」は、食材に熱が届かない冷燻が可能な燻製器です。コンパクトなサイズで電池式のため、自宅だけでなく、キャンプ場などの屋外でも、燻製レシピを楽しめます。

RAKU・RAKU LIFE「燻製メーカー」

RAKU・RAKU LIFEの「燻製メーカー」は短時間で手軽に燻製風味の食材を味わえる燻製器です。3~10分程度の短い時間で手軽に燻製できるので、チーズやゆで卵、ナッツなどにスモーキーな香りを付け、いつものおつまみを簡単にアレンジすることができます。

温燻におすすめの燻製器

温燻は30~80度の煙でじっくりと燻す燻製方法です。熱燻と違って時間を掛けて燻すやり方で、煙を回す空間(スペース)が少ないと食材が焼けてしまうので、中型以上の燻製器を購入しましょう。

コールマン(Coleman)「ステンレススモーカーⅡ」

コールマン(Coleman)の「ステンレススモーカーⅡ」は高さが約40cmあり、ふた裏のフックや2段棚があるため、十分な量の食材を一度に燻すことが可能。スモークウッドの交換や取り出しに便利な下部窓や温度計が付いているのもポイントです。

ソト(SOTO)の「お手軽香房 ST-124」

ソト(SOTO)の「お手軽香房 ST-124」は高さ約41.5cmで、本体正面の扉がフルオープンする燻製器です。付属の吊り下げフックや燻煙網は取り外し可能なため、大きな食材を入れたり、自分なりにレイアウトを変更できます。温燻だけでなく、熱燻にもおすすめです。

熱燻におすすめの燻製器

熱燻は80度以上の煙で短時間だけ燻す燻製方法です。そのため、食材が入り、煙が循環するスペースがあるなら、小型で底が浅い燻製器でも問題ありません。

ソト(SOTO)「スモークポット Coro」

ソト(SOTO)の「スモークポット Coro」はキッチンで手軽に熱燻ができる燻製器です。食材に熱を伝える陶器製で、温度計が付属しているため温度管理がしやすくなっています。蓋の形状が異なる「スモークポット Don」があり、色も3色あるので自分好みのデザインを選べます。

ユニフレーム(UNIFLAME)の「インスタントスモーカー」

ユニフレーム(UNIFLAME)の「インスタントスモーカー」は使用していないときは折り畳める燻製器です。持ち運びしやすいサイズとなるため、アウトドアやキャンプのときに便利で、熱燻だけでなく、温燻も可能となっています。

【番外編】段ボール製燻製器

燻製器は食材を置く場所と煙が回るスペースがあれば十分なので、段ボール製の燻製器もあります。商品によっては金網やフックが付いているので、手軽に本格的な温燻が可能です。比較的安価なため、温燻に興味がある初心者におすすめです。

ソト(SOTO)「燻家 スモークハウス」

ソト(SOTO)の「燻家 スモークハウス」は燻製器や金網、フックだけでなく、ミニサイズのスモークウッドが付いてきます。段ボール燻製器は一度だけでなく、繰り返し使用できるのも特長です。

燻製に必要な道具:バーナー

燻製はスモークチップやスモークウッドを燃やして、出た煙を利用する調理方法のため、バーナーが必要です。

イワタニ(IWATANI)「ジュニアコンパクトバーナー」

熱燻の場合はスモークチップを熱し続ける熱源が必要になるので、イワタニ(IWATANI)の「ジュニアコンパクトバーナー」のようなシングルバーナーがあると便利です。

「ジュニアコンパクトバーナー」はカセットガスを燃料とするバーナーで、取り付け方や使い方がわかりやすいのが魅力です。また軽量かつコンパクトなためアウトドアのときに持ち運びしやすく、炎を風から守る五徳やワンプッシュ自動点火などの機能もあり、初心者でも使いやすくなっています。

その他のおすすめバーナー

燻製に必要な道具:スモークチップ

スモークチップは、原料となる木材を細かく砕いたチップ上の燻煙材のことです。燃焼スピードが速いため、主に熱燻を行うときに使用され、鍋底や金属製の皿の上に置いて、下から熱源(バーナーやガスコンロなど)で炙ります。選ぶ木の種類によって食材の味わいや香り、風味が変わります。

進誠産業「スモークチップ」

進誠産業の「スモークチップ」はサクラ・ナラ・ブナ・オニグルミ・リンゴ・ヒッコリー・ホワイトオークの7種類があります。それぞれ違った味わいや香りのため、自分好みのチップを選びましょう。

その他のおすすめスモークチップ

燻製に必要な道具:スモークウッド

スモークウッドは、原料となる木材を長方形に固めた燻煙材のこと。スモークチップに比べて燃焼スピードは遅いため、主に温燻を行うときに使用され、直接火をつけて使用します。バーナーやガスコンロのような熱源を必要としないため、初心者でも扱いやすいのがポイントです。

ソト(SOTO)「スモークウッド」

ソト(SOTO)の「スモークウッド」は3分割にカットされた使いやすいサイズの商品です。1カット約1時間30分使用でき、連続して約5時間の燻煙が可能です。

初心者におすすめの燻製食材【ゆで卵/チーズ/ナッツ/ベーコン】

燻製の初心者におすすめの代表的な食材は、ゆで卵やチーズ、ナッツ、ベーコンです。どれもそのままでも食べられるため、失敗のリスクが少ないのがポイントです。

ゆで卵は麺つゆに漬け込んだ後に燻製すると、よりまろやかな味わいとなって美味しいです。

チーズは塩気があるので下処理の必要がなく、燻製にすると風味が増します。また、ナッツは水分が少ないため、短時間で燻すことができるのも魅力です。

ベーコンは市販のものを燻製すると、風味がレベルアップし、いつもと違う美味しさを味わうことができます。本格的なベーコンを味わいたいなら、手間はかかりますが豚バラブロック肉を購入して下味をつけて自家製ベーコンを作るのもおすすめです。

本格的な燻製のやり方【素材選びから燻煙まで】

本格的に燻製をやってみたい方のために、素材選びから燻煙までの工程を紹介します。

ステップ1:素材を選ぶ

まず最初に、燻製する食材を選びます。

一部の葉物野菜を除けば、基本的に大抵の食材は燻製にできるため、新鮮かつ自分の好きな食材を選びましょう。ただし、燻製器によって食材を置けるスペースが異なるので、事前に確認しておく必要があります。

魚は臭みがでないように内臓やえらを取り、肉は余分な脂肪を取っておくなどの下ごしらえを行います。

ステップ2:塩で味をつける

燻製する食材を選んだら、魚や肉に塩や香辛料をよく混ぜて漬けこみます。

塩の漬け込み方はふり塩(乾塩法)とたて塩(ソミュール法)の2種類があり、材料や燻製方法によって使い分けます。

  • ふり塩(乾塩法)…食材に塩を漬け込む方法で、脱水効果が期待できる
  • たて塩(ソミュール法)…食材を食塩水に漬け込む手法で、食材に均等に下味をつけられる

  • 塩漬けは味をつけるだけでなく保存性も高めるため、温燻や冷燻時におすすめです。

    ステップ3:塩抜き・水洗い

    塩や香辛料で味付けした食材を、流水で塩抜きします。

    流水で余分な塩を抜くと味が均一になり、生臭さの成分や腐敗しやすい成分を取り除くことができます。そのため、塩抜きや水洗いは本格的な燻製料理を味わうために欠かせないステップです。

    食材や塩漬け時間によって違いますが、塩抜きには3~6時間程度かかります。

    ステップ4:乾燥させる

    塩抜きした食材は、風通しの良いところで乾燥させましょう。

    食材の表面に水分が付着していると、燻製しても香りが付きづらく、ムラのある仕上がりとなってしまうため、表面の水分が無くなるまで乾燥させます。外気温が20度以上なら冷蔵庫で乾燥させましょう。

    ステップ5:燻煙する

    食材の表面が乾燥したら、いよいよ燻製を行います。

    燻製器に食材をセットして、スモークウッドやスモークチップに火をつけて、温度をチェックしながら、燻製が終わるまで待ちましょう。燻製の温度や時間は燻製方法によって異なるので、燻製器の温度に注意します。

    なお、外で燻製を行う場合は、風で段ボール製燻製器が倒れたり、バーナーの火が消えたりしないように荷物を利用して壁を作るなど工夫しましょう。

    自宅やキャンプ場でオリジナルの燻製料理を楽しもう

    冷燻や温燻は温度管理が難しく、燻製するための時間が長いため、初心者が燻製をはじめるなら短時間で完成する熱燻がおすすめです。

    熱燻には燻製器とスモークチップが必要で、アウトドアで作るならバーナーも用意しましょう。

    メルカリなどのフリマアプリなら人気の燻製器や燻製に必要な道具を手軽に購入できるので、これから燻製をはじめたいという方は、気になるアイテムを探してみてはいかがでしょうか。

    ただし、経年劣化した燻製器やバーナーを使用すると、思わぬ事故を招きかねないので、出品者に商品の状態をしっかり確認してから購入することが大切です。
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    メルカリマガジン編集部

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