ランニング2023.03.02

【趣味マラソンは安あがり?】マラソンガチ勢のみなさんにおすすめアイテムを聞きました

必要なアイテムが少ないことから、手軽に始められるスポーツとしても人気のジョギング。とはいえ、どんなものを買えば良いかは悩ましいところです。そこで今回はマラソン歴18年のデイリーポータルZの編集部安藤さんが、マラソンガチ勢のみなさんにおすすめのアイテムを伺いました。

(執筆/安藤昌教、編集/デイリーポータルZ編集部、メルカリマガジン編集部)

マラソンは趣味として安上がりなんだろうか

よくマラソンは靴さえあれば始められるから趣味として安上がりだ、という話を聞きますが本当にそうなんでしょうか。
道は公共なので、靴さえあれば走り始められることを考えると確かに参入のハードルは低いと思うけど…。しかし、どんな趣味にもハマると沼が待っているものだ。

という訳で今回は、まんまとマラソン沼にはまって出られなくなったランナーのみなさんに話を聞きました。

今回話してくれるランナーの皆さん

直鳥裕樹さん(写真左):インドネシア在住。専門はマラソン、トレイルランニング、トライアスロンと多岐にわたる。いろいろな国のレースに積極的に参加している。

松原浩二さん(写真中央左):登山家ランナー。夏は山、冬は毎月のようにフルマラソンの大会に参加するハイブリッドランナー。新しい靴が出たら誰よりも先に買う。

酒井ムツミさん(写真中央右):靴職人。靴を修理する仕事でありながら、自身も多くの靴をランで履きつぶすトレイルランナー。野鳥の観察等を言い訳に山に入り、とにかくずっと走っている。

安藤昌教(写真右):デイリーポータルZ編集部所属。マラソン歴18年。レースは好きだがキツイ練習は嫌い。
安藤:みなさん走ってますか!今回は主に走るときに使うアイテムについて話を聞かせてください。マラソンって靴さえあれば始められる安上がりな趣味だと思っていたんですが、実際にはじめてみるといろいろと出費がかさみますよね。

一同:まったくその通りです。

安藤:なかでもみなさんはアイテムにこだわりがあるというか、いつ見てもいいもの使ってるなと勝手に参考にさせてもらっていました。今回はもうちょっと詳しく教えてください。

ランニング用ウォッチは必要なのか

安藤:まず時計についてです。マラソン大会に出るとだいたいみんな時計をつけていますよね。いわゆるランナーウォッチというんでしょうか、タイムとかペースとか心拍数なんかがわかるやつ。僕も以前はSUUNTOというメーカーの時計をつけていたんですが、高機能すぎて使いこなせていないことが逆にストレスで、いまではもっぱらGショックで走るようになりました。

直鳥:僕はデータを収集したり分析したりが好きなので、GPSで経路を計測できる時計がランニングにハマった理由の1つでもありますね。

松原:走ったデータをあとで見返すのが楽しみで走ってるってところありますよね。

酒井:わたしはSUUNTO9です。まわりがガーミン使ってる人が多かったので違うのにしたかったのと、その前にもGPS機能なしのSUUNTOを使っていたので継続して使ってる感じですかね。ナビゲーション機能が便利ですよ。スマホを出さなくても道がわかる。
直鳥:僕はガーミンの935とCorosのVertix2を使っています。

松原:ガーミンのエンデューロです。

安藤:やはりガーミンかSUUNTOが主流なんですね。僕もSUUNTOは使っていたことがあるんですが、走る前に毎回充電しなきゃいけないのが面倒になってしまって。Gショックならソーラー充電なので電池を気にすることなんてないですから。

直鳥:レース中にバッテリーが切れた時用にガーミン 310xtは2台買いましたね。

酒井:トレイルランニングのロングレースだとバッテリーの持ちが必ずテーマになってきますね。

松原:時計を買うときは機能よりなによりバッテリーの持ちが最優先事項です。

安藤:だったらGショックですよ。いや、僕もランナーのはしくれとして、心拍とかペースとか、自分の走りをちゃんと分析しないとタイムを縮められないってことは承知の上なんですけどね。僕は以前使っていたSUUNTOはデザイン優先で決めたんですが、ガーミンを使ってる直鳥さんと松原さんは何か理由があるんですか?

松原:他のメーカーを使ったことがないからわからないんですが、ガーミンはスマホとの連動がいい印象がありますね。
直鳥:ガーミンはアプリの使い勝手もいいですよね。

安藤:僕はトラック練習とか短距離のときはアップルウォッチを使って心拍をとっていました。バッテリーは長時間もたないけど、機能としてはランニングウォッチと大差ないと思います。

直鳥:安藤さん、レースの時はどうやってログ(距離やコース等の記録)取ってるんですか?

安藤:僕はiPhoneを握りしめて走っています。ロングレースの時はモバイルバッテリーをガムテープでiPhoneに貼ってリュックに放り込んでますね。

直鳥:まじか。そんな人見たことない。

安藤:僕もいろいろ試してここにたどり着いたんです。まったく不具合はないですよ。

ランナーのこだわりは靴を見たらわかる

安藤:ランナーの命とも言えるシューズについて教えてください。僕もいろんなシューズを履いてきましたが、最終的にアシックスが自分に合うんじゃないかと思っています。よろしくお願いします。

直鳥:あんまりこだわりはないけど、メーカーで足に合う合わないはありますね。僕は結局アディダスとアシックスに落ち着きました。アディダスだとAdizero JapanとかTakumi Renとか、アシックスだとライトレーサー履いてますね。
安藤:最近ナイキやHOKAをはじめとして厚底シューズが人気で、僕も一時期ナイキのナイキのzoom flyを履いていたんですが、その前まではずっとアディダスとかアシックスの、硬くて薄いソールのシューズでした。

松原:僕は2019年から厚底を履いてます。ずっとナイキの厚底だったんだけど、先週ついにアシックスのメタスカイをゲットしました。
酒井:メタスカイってめっちゃ高いやつですよね。すごいな。私はマラソンはonで、トレイルランニングはアルトラとサロモンです。でもアシックスのマジックスピードもいま気になってます。
安藤:シューズは高いんですよね。みなさんどのくらいの頻度で買い替えてますか?僕は壊れるまで履く主義なんですが、やはりトレランシューズはすぐに壊れますね。

酒井:走行距離1000キロくらいで買い替えるようにしているので、トレイル用、ロード用を年一くらいで買ってますね。

直鳥:僕も同じ感じですね。壊れたら買い替える。トレランシューズはだいたいサイドが破れて終わります。破れたら修理しますか?

酒井:破れは縫って直してます。みなさん、履き古した靴は捨てますか?

直鳥:泣きながら捨てます。

安藤:僕も履けなくなったらありがとうと言いながら泣きながら捨ててます。

酒井:愛着があるシューズは、もう履けないのに捨てずに取っておく旦那さんが多いらしく、奥さんたちが怒ってるパターンをよく聞きますね。破れるときは同じ場所が破れますか?私はよくかかとのところがこすれて破れます。

直鳥:だいたい横のところが破れますね。足の形とかフォームが関係してるのか。

松原:僕もだいたい横です。横が当たるかどうかがシューズ選びのポイントになってますね。ワイドサイズのバリエーションがもっと欲しいな。

安藤:アシックスはワイドがありますよ。
直鳥:アディダスも全体的にワイドです。ナイキとミズノはなんとなく細くてやめちゃいました。

安藤:僕はアディダス履いてた頃、細くて擦れる感じがしてたんですが、人によって足の形と合う合わないがありますよね。ランニングシューズはいろいろ履いて自分に合うのを探すしかないのかな。

ファイントラックのインナーは何枚あってもいい

安藤:ウェアはどうでしょう。気に入ってるものとかこだわりとかありますか?僕は酒井さんと一緒に走った時にファイントラックのドライレイヤーを教えてもらって、それから文明開化しました。もう手放せません。
酒井:ファイントラックなしでは生きていけないです。あとはパタゴニアのキャプリーン サーマルウェイトかな。温かくて蒸れないし、すぐ乾くのでヘビロテです。
安藤:ファイントラックとは水分を外に逃がすけど中には入れないという高機能な下着です。僕は夏は普段使いしています。おかげで4枚に増えました。

松原:ファイントラックは10着以上持っていて毎日着てます。

安藤:10着はすごいけど、特にトレランやってる人だと必ずと言っていいほどファイントラックはお世話になっていますね。パンツはどうですか?

酒井:パタゴニアのバギーズを毎年買ってます。
安藤:バギーズは僕も毎年のように買っていますが、ランニングというより普段履きがメインですね。パタゴニアはトレラン用のショートパンツがかっこよくて買ったんですが、どうもポケットに物を入れると走ってるときに揺れてしまって。

直鳥:揺れるパンツと揺れないパンツがありますね。

安藤:僕は何を履いても結局揺れるので、ノースフェイスのポケットがついた腹巻ベルトみたいなのを使っています。
松原:ポケットのあるパンツはノースフェイスとT8、ポケットがないタイプだとanswer4を履いています。ポケットはウエストタイプのは使うけど、そうじゃないタイプは揺れるから使わないですね。
安藤:ランナーはみんなおしゃれになりましたよね。ウェアもシューズも、かっこいいのとか可愛いのが多い気がします。人が着てるのを見ると欲しくなるけど、アイテムを買いすぎるとレースに出るお金がなくなるので本末転倒になる。

走った後に大切なのはケアグッズ

松原:ランニングに特化してるわけではないけど、最近話題のガードナーベルトというのを買いまして。普段から巻いてたら鍛えられるかと思って仕事中もしています。
直鳥:僕はマッサージガンを買いました。めちゃ良いですよ、ずっと足つぼを押してます。マッサージガンの前はテニスボールでマッサージしてました。
安藤:今回話を聞いてる人たちはみんな極端に長い距離を走ったりするから、日常の疲労抜きというか体のケアが大切なんですよね。さぼるとすぐケガする。僕は腰痛になったときにストレッチポールを買ったんですが、結局あまり使いこなせなかったなあ。

松原:僕は家では椅子に座らず柔らかめのストレッチポールに座ってますよ。ずっと座っていたら足のもも裏の痛みが消えました。

酒井:うちにもあります、ストレッチポール。あとバランスボールもバランスディスクもある。
安藤:家に物が増えるのは趣味全般に言える弊害ですかね。サプリとかはどうですか?ランナーは貧血が多いと思うんですが。僕も鉄だけはサプリで飲んでいます。

酒井:疲労回復にいいと聞いてアスタリータというのを飲んでます。あと鉄とビタミンBも。

直鳥:僕はプロテインだけですね。
安藤:プロテインは何度か試したことがあるんだけど、どうも面倒くさくて続かなくなっちゃいました。いかにその日の練習の疲労を抜くかが課題ですよね。疲れてると次の日走れないから。

このあとも延々とおすすめのグッズ談義が続きましたがキリがないので今回はこのくらいにしておきます。ランニングは趣味として、入りやすいけどその先に広がっているアイテム沼は他の趣味に勝るとも劣らない深さだと思います。楽しいですよ!

安藤昌教(あんどうまさのり)

デイリーポータルZ編集部勤務。ものをむかずに食べる「むかない安藤」としても活躍中。好きなものはカメラと恐竜。あとサメが出てくる映画。

60 件

WRITTEN BY

デイリーポータルZ

毎日更新のおもしろサイト。20年やってます。

RELATED TAGS

好きなものと生きていく

メルカリマガジンは、「好きなものと生きていく」をテーマにしたライフスタイルマガジンです。いろいろな方の愛用品や好きなものを通して、人生の楽しみ方や生き方の多様性を紹介できればと思います。