アウトドア2022.09.30

【軽量】ベテランソロキャンパーたちに聞いた。本当に使っている「おすすめソロテント」22選

1人でキャンプを楽しむソロキャンパーさんや、登山でテント泊をする人だけでなく、最近はグループキャンプやフェスでもほかの人とテントをシェアせずにソロテントに寝泊りする人が増えています。各ブランドからさまざまなソロテントがリリースされているなか、いったいどんなテントを買えばいいのでしょうか? ベテランソロキャンパーたちが実際に使っているソロテントを調査。愛用テントを選んだ理由や、実際の使い心地などを聞いてみました。

(執筆/ひろさわゆかり、編集/株式会社モジラフ、メルカリマガジン編集部)

ソロテントの種類について【自立型と非自立型/用途や強度】

画像左が自立型、右が非自立型のソロテント

キャンプで寝泊りするためにテントは欠かせないものですが、設営の仕方により、以下の2種類に大きく分けられます。

  • ペグ(テントを固定する金具)を使わずにポールだけで自立する「自立型テント
  • 地面にペグを打ち込んで、ロープでテンションをかける「非自立型テント

  • です。

    どんな場所でも立てられる「自立型テント」

    「自立型テント」はポールをテントに通すなどして組み立てるのですが、大型テントだと構造が複雑になり、設営に時間がかかることも。しかし、ソロテントの場合はサイズも小さいのでシンプルで組み立てやすい設計のものが多いです。また自立型であればペグを地面に打ち込む必要がないため、どんな場所でも立てられるのが最大の強みです。

    構造がシンプルで設営が簡単な「非自立型テント」

    「非自立型テント」は、ペグを数本地面に打ってからポールを立てるだけという設営の簡単さが魅力です。ただし、地面にペグを打たないと設営できないため、硬い岩盤やサラサラな砂地ではテントは立てられません。

    強度があり雨でも安心な「山岳テント」

    強度があるのは登山用に開発された山岳テントです。変わりやすい山の天候に対応するため、突風や豪雨を想定。強度が強く、風を受け流すようなデザインになっています。また、浸水しないように耐水性の高い素材を起用。雨のキャンプでも安心です。

    軽量かつ設営しやすい「ウルトラライト系テント」

    海外などの〝ロングトレイル(長距離トレイル)〟のトレッキングを想定して作られたウルトラライト系のテントやシェルターは、長距離を歩きながら移動していくため、軽さや設営のしやすさにこだわって作られています。ムダなものをそぎ落とし、素材は徹底して軽いものを採用。強度については重要視していないものもありますね。

    つまり、同じソロテントといえども、性能がまったく違います。自分がどのようなシーンでソロテントを使いたいのかイメージして、選んでみてください。

    テントの構造の違いについて【シングルウォールとダブルウォール】

    画像左がシングルウォール、右がダブルウォール

    次に、テントの構造をチェックしてみましょう。テントの構造は、

  • シングルウォールテント
  • ダブルウォールテント

  • の2種類に分けられます。

    設営が簡単でコンパクトに収納できる「シングルウォールテント」

    「シングルウォールテント」とは、テントの幕が1枚だけのテントのことです。透湿防水機能に優れた素材が採用されていて、設営がとても簡単。幕が1枚だけでいいので、コンパクトに収納できて、重量も軽くなります。

    ただしデメリットは、テントの中と外の気温差により、幕の内側に結露がついてしまうこと。また、前室がないため、雨天時には汚れたものをテントの中に入れなければならず、快適性は下がります。ワンポールのシングルウォールテントの場合は、蚊帳の役割もするインナーテントがついていないため、夏場は隙間から虫が入り込み、刺されてしまうこともあります。

    前室を確保できる&結露がつきにくい「ダブルウォールテント」

    「ダブルウォールテント」とは、テントの幕が2枚のテントのことです。まずはベースとなるインナーテントを張り、その上にフライシートをかぶせるタイプが多いです。ダブルウォールテントの場合、インナーテントは通気性がいい素材やメッシュ素材が採用されているため、テント内の熱気が外に逃げやすく、フライシートの内側に結露がついたとしても、インナーテントの中に結露がつくことはめったにありません。また、インナーテントとフライテントの間に前室ができるため、そこに靴や物を置くことが可能。広めの前室がある場合は、そちらにチェアを置き、くつろぐこともできるのです。デメリットは幕が1枚増えるため、軽量コンパクトではなくなり、設営の手間も増えてしまいます。

    登山をよくする方は結露にも慣れているので、タオルでこまめにテントを拭いたり、防水パックにキャンプ道具や衣類をすべて収納し、シュラフもシュラフカバーで覆うなどして対応できますが、慣れない方はダブルウォールテントを選んだほうが安心かもしれません。徒歩や自転車で移動するなど、どうしても軽さを求めている人は、シングルウォールテントをチョイスしてみてもいいでしょう。

    ソロテントに最適な広さとは? 【1人用/1~2人用もありなのか】

    ソロテントは名前のとおり、1人で使うためのテントです。ですが、山岳用の1Pテント(1人用テント)を選ぶと、1人が寝っころがれるスペースしかないものが多くて、どうしても居住性が低くなってしまいます。登山のためなどに使用する場合は軽さが優先となるためそれでもいいのかもしれませんが、キャンプ用に使うにはもう少しゆとりある広さがほしいところ。

    今回リサーチした結果、あえて2人用のテントを選び、それをソロキャンプで利用しているベテランキャンパーさんが数名いました。かさばる荷物をしまったり、ゆったりとキャンプを楽しむには、2人用テントをチョイスするのもアリかもしれません。

    居住性をアップしたいなら、前室が広いソロテントがおすすめ

    ダブルウォールテントには、インナーテントとフライシートのあいだに「前室」と呼ばれる土間部分ができます。前室がまったくないシングルウォールテントの場合、雨のときなど靴や汚れたものを置く場所がなく、タープを併用しないときはすべての荷物をテント内に入れなければなりません。

    広い前室があるダブルウォールテントの場合、いろいろな荷物をしまうだけではなく、コンパクトなチェアやテーブルを前室内に置き、そこでくつろぐことも可能。前室のサイズによっては、自転車を収納できるものもあります。そのため、ソロテントひとつでゆったりと過ごせて、タープを張る必要がなくなります。結果的に荷物が減り、キャンプ道具をコンパクトにすることもできるのです。

    ただし、広い前室があるテントは、テント単体の重量は重くなります。軽さを優先させるのか、居心地のよさを優先させるのかは、ご自身がキャンプに何を求めているのかによって、選んでみてください。

    キャンプ場までの移動手段もテント選びの重要なポイント

    写真提供:こでちさん/上高地の徳沢キャンプ場での風景。これから登山へ向かう人のベースキャンプ的な場所。山岳用ソロテントがたくさん張られている

    キャンプ場まで車で移動するなら、テントの重さはそこまで気にする必要はありません。しかし、徒歩や自転車、バイクで移動したり、バスや電車、船や飛行機で旅をしたあとソロキャンプをする方は、コンパクトで軽いソロテントが必要になってきます。

    登山で山の上にテントを張る人や、ロングトレイルを歩きながら移動してテントで寝泊りする人向けに、極限まで重さをそぎ落としたウルトラライト系テントも続々登場しています。ソロテントの重さを重量1㎏以下に抑えられれば、快適に歩くことができるはずです。

    自分がどのような手段でキャンプ地まで移動するのかをイメージしながら、最適なソロテントを選ぶといいでしょう。

    おすすめソロテント22選

    ここからは15人のベテランキャンパーから教えていただいた、実際に使っている22種類のソロテントを紹介します。それぞれのソロテントは、

  • 自立型/1Pテント
  • 自立型/1~2Pテント
  • 非自立型/ウルトラライト系テント&シェルター
  • 非自立型/ワンポールテント&シェルター
  • 前室広々タイプ

  • の5タイプに分類しています。

    「自立型/1Pテント」は1人用として販売されているコンパクトな自立型テント、「自立型/1~2Pテント」は少し余裕のある広さの1~2人用の自立型テントのことです。また「非自立型/ウルトラライト系テント&シェルター」は、軽さにとことんこだわっているタイプを集めました。「非自立型/ワンポールテント&シェルター」はペグを打ち込んで設営するものの中でも、少し重量があるものをまとめています。「前室広々タイプ」は、自立型と非自立型が混在しましたが、かなり広めの前室があるものを紹介しています。

    自立型/1Pテント

    ペグを使わずとも自立するテントで、サイズが1人用のものを「自立型/1Pテント」として紹介します。BIG AGNESとアライテントのソロテントは2つともダブルウォールテントで、フロア面積は1人サイズのためやや狭いものの、前室がしっかりあるので荷物が置けます。モンベルのソロテントはシングルウォールテントなので前室はありませんが、重量はわずか775gのため、ウルトラライト系テントと同等の軽量タイプです。

    BIG AGNES(ビッグアグネス) コッパースプール HV UL1 オレンジ

    「重量は1.1kg(実測)のダブルウォールテントです。ソロツーリング用に軽量、コンパクトなテントを探していて、こちらを購入。ほかの人と被らないし、前室を跳ね上げてポールを使うとキャノピー(テントの入り口のひさしの部分)にできる点が気に入っていますね。

    シンプルな構造なので、設営がわかりやすくてとても楽です。サブポールがあるおかげで天井に幅が出て、ソロテントのわりに居住空間が広いんですよ。それと外観がカッコいいので、キャンプをしているとテンションが上がります! 今は両側開くタイプも販売していますが、私が買ったモデルは左右の幅が非対称(頭と足の向きが決まっている)。かつ片側しか開かないので、設営場所にちょっと苦戦することもあります」

    (リコメンドしてくれた人;ぬっきーさん キャンプ歴/15年 キャンプスタイル/ソロツーリングキャンプ)

    ARAI TENT(アライテント) ドマドーム ライト1

    「重量は1.79kg。ダブルウォールテントです。購入の決め手は前室の広さ。私はタープを使わないので、雨天時に物が置けるように前室が広いテントを探していて、こちらに決めました。前室は広いだけではなく両端に床もあるので、荷物を汚さずに置けるところが気に入っています。ほかにもいくつかテントを持っていますが、徒歩移動で荷物をコンパクトにしたいときに、ドマドームを持っていきますね。

    また3本のポールがすべて同じ長さなので、まちがうことなく設営できて簡単です。誰でもキレイにピンと張れるのもラク。設営に時間がかからないので、雨天時のキャンプでも素早くテントを張ることが可能です。収納袋に余裕があるので、撤収時に収納しやすく、収納袋にくっついているベルトで圧縮できます。ほかの山岳テントに比べると少し重いかな……と思いますが、それ以外の点では満足しています」

    (リコメンドしてくれた人;くまこさん キャンプ歴/15年 キャンプスタイル/徒歩移動でのソロキャンプ、ソロキャンプスタイルの友だちとグループキャンプ)

    mont-bell(モンベル) U.L.ドームシェルター1

    「徒歩移動でキャンプをしたり、登山中にテント泊をすることもあるので、軽量の1人用テントを探していました。いろいろ探していくなかで、現行品で総重量が775gのこのテントを購入。フェスなどで張る場所を確保するのが大変なときも、コンパクトなこちらのテントを使用しています。

    設営がとても簡単で、狭い場所にも張れることがお気に入り。ものすごく軽いので、テントを設営したあと場所移動をしなければならなくなっても、そのままラクラク持ち上げることも可能です。ただ、軽さ優先で選んだので仕方ありませんが、生地が薄いためにけっこう透けてしまうところがデメリット。フェスで通りがかりの人に、〝透け透けテント!〟と言われたことがありました」

    (リコメンドしてくれた人;やんすけさん キャンプ歴/12年 キャンプスタイル/最初はソロキャンプをメインに、最近は夫婦ふたりでデュオキャンプ)

    自立型/1~2Pテント

    1~2人用あるいは2人用として販売されている自立型テントを「自立型/1~2Pテント」として紹介します。今回協力していただいた15人のベテランキャンパーのうち、8名がこちらをソロテントとして使用していました。

    やはり、1人用の山岳テントをそのままキャンプで使うには狭すぎるので、ゆとりがほしくてあえてこのサイズを選んでいるそう。またシングルウォールテントはBlack Diamondのものだけで、あとはすべてダブルウォールテント。居住性を求めたとき、前室ありのものを選んだ方が多かったようです。

    MSR(エムエスアール) FURY(フューリー)™️

    「総重量は2.78kg。ポールはアルミニウム合金を使用。それをクロスになるようにインナーテントに通して立ち上げるだけなので、設営がとても簡単。フライシートには耐水圧1,000mmの素材を、インナーテントのフロア部分には耐水圧10,000mmの素材を採用し、防水対策もバッチリ! 耐風性にも優れていて、過酷な環境の雪山登山でも使える高規格テントです。

    そこまで高規格なのに重さは3kg以下なので、リュックにパッキングすることもできます。友人たちとの冬山登山をイメージして、廃盤商品ではありましたが中古市場に出るのを待って購入。現在は悪天候時のキャンプや、徒歩キャンプのときに使っています。入り口はコンパクトですが、2人寝ることもできるほど広くゆとりがあるフロアスペースは快適ですね。機能面、デザイン面ともに、トータルでとても気に入っています」

    (リコメンドしてくれた人;田村チャーノさん キャンプ歴/5年 キャンプスタイル/徒歩移動でのソロキャンプ、登山でのテント泊)

    MSR(エムエスアール) エリクサー2

    「このテントは3代目。2代目として使用していたテントが経年劣化し、加水分解(テント素材が水や空気中の湿気に反応して、分解すること)して生地がベタベタしてきたので、新しく自立型のテントを探していました。MSRはほかにも軽量テントをリリースしていますが、こちらの重量は2,770gで価格もお手頃。色も好みだったので購入を決めました。

    1人用にするか、2人用にするか迷いましたが、フロアが広くなっても値段がそこまで変わらなかったため、荷物をちゃんとテント内に収納したくて2Pテントをソロテントとして使用することに。テントはいつも車に載せっぱなしにしているので、旅先で思いつきでキャンプしたくなったときなどに活躍してくれています。使用してみて、前室がもう少し広かったらいいな……とは思いました」

    (リコメンドしてくれた人;こまきさん キャンプ歴/15年 キャンプスタイル/夜釣りをしながらのソロキャンプ、遠方へ旅した途中でソロキャンプ)

    NEMO(ニーモ) Obi2P(オビ2P)

    「徒歩キャンプや登山で使用することも想定して、なるべく軽量のものを探していたときにこちらのテントを発見。1人用の1Pだと狭すぎて、2人用の2Pがサイズ的にちょうどよかったので、こちらをソロテントとして使用することにしました。重量は1.6kgです。

    色は黄色か赤のテントが欲しかったのですが、探した範囲では妥当なものが見つからず、こちらで妥協することにしました。ただ、今となってはこの色も気に入っています。ほかにも非自立型のワンポールテントやコットン素材の重いテントも持っていますが、車以外で移動するときはこちらを使用しています」

    (リコメンドしてくれた人;いくさん キャンプ歴/10年 キャンプスタイル/ファミリーキャンプで、家族ひとりひとりがソロテント泊)

    NEMO(ニーモ)AURORA STORM 2P(オーロラストーム2P)

    「コンパクトかつ少し空間の広いテントが欲しく、NEMOの中でも手頃な価格感と色の渋さが購入の決め手となりました。ソロキャンプで使用したり、グループキャンプをするとき、友人に貸し出しています。側面が垂直に立ち上がるので、中の空間がとても広く感じます。また左右両方の入り口から出入りできるのも、2人で使用するときには便利。グランドシートもセットになっていて、お得感があります。

    ほぼ不満はないのですが、強いていうなら総重量が2kg以上と軽量化にそこまでこだわったモデルではない点。あとは室内上部にギアループが付属されていたら、もっといいのにと思いました」

    (リコメンドしてくれた人;長田直之さん キャンプ歴/30年 キャンプスタイル/5人までの少人数グループキャンプから、大人数のキャンプイベント主催などさまざま)

    PAAGO WORKS(パーゴワークス) NINJA TENT(ニンジャテント)

    「非自立のソロテントは持っていましたが、息子用の自立型のソロテントを探しているときに出会ったテントです。総重量は1,600g。黒いボディと、ポールやガイラインのイエローがアクセントカラーとなっていて、カラーリングが気に入っています。イベントで見つけて写真を撮影し、息子に見せたら“カッコいい!欲しい!”と大喜びでした。

    我が家はファミリーキャンプをするときも、家族全員がそれぞれソロテントに泊まります。息子はこのテントをオシャレにレイアウトして、かなり気に入っているようでした。撤収するときに巻き上げるように収納できるのも便利。生地は軽くて丈夫なシルナイロン(シリコンコーティングしたナイロン生地で、高い撥水性と防水性能がある)製。長く使えるといいなと思っています」

    (リコメンドしてくれた人;フーさん キャンプ歴/10年 キャンプスタイル/ソロテントに泊まってグループキャンプ)

    Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ハイライト2P

    「もともと非自立型テントは持っていましたが、完全自立型のソロテントを持っていなかったので購入を検討。前室はありませんが、2人用の広さのテントの中で快適に過ごしたかったので、この2Pを購入しました。登山や徒歩キャンプのときに使用しています。

    総重量は1.42kg。登山用に設計されたテントは短時間での設営撤収を重視しているものが多く、構造がとてもシンプルで、短時間で設営することができるんです。また、シングルウォールテントなので仕方ありませんが、雨天設営時は内部が濡れてしまいます。そこは覚悟したほうがいいかもしれません。

    設置スペースに余裕がない場合や、天気が荒れる際にフルクローズにして使いたいときは、このテントを持っていきます。前室はありませんがサイズが小さめなので、タープやシェルターの中に設営する場合もありますね」

    (リコメンドしてくれた人;すのこさん キャンプ歴/30年 キャンプスタイル/ソロキャンプ、ファミリーキャンプ、自転車キャンプ、野営)

    Big Agnes×Burton(ビッグアグネス×バートン) ブラックテール2テント

    「アウトドアの先輩がキャンプでこのテントを使っているのを見て、柄に一目惚れ。廃盤のカラーだったのですが、ネットのオークションに出ているのを教えてもらい、即落札しました。ソロキャンプで使ったり、イベント開催時などにテントを持っていない友人に貸しています。

    気に入っているのは、テントサイトで目立つこの柄です。ビッグアグネスの製品ということもあり、テントの性能としても申し分ありません。こちらもほぼ不満はないのですが、床面が完全な正方形ではないので、それなら専用のグランドシートも同胞してもらった方が良かったのかなとは思っています。現在は専用のものは持っていないので、〝PAINE テントマットコンパクト〟を使用。断熱性のあるアルミのペラペラなシートですが、これが冷気を遮断してくれて、なかなか使い勝手はいいです」

    (リコメンドしてくれた人;長田直之さん キャンプ歴/30年 キャンプスタイル/5人までの少人数グループキャンプから、大人数のキャンプイベント主催などさまざま)

    The Free Spirits(フリースピリッツ) PANGOLINE2.0(パンゴリン2.0)

    「荷物をしっかり収納できるような1~2人用サイズの自立型テントで、軽量のダブルウォールのものを探していたとき、条件にぴったりと当てはまり、値段も手頃だったため購入しました。別売りのフットプリント込みの総重量は1,650g(実測)です。自立型テントなので、ペグが刺さらないような地面が固い場所や、砂地で野営するときに重宝しています。個人的には、幕の色と控えめなロゴがお気に入り。ラインが美しく、前室はトレッキングポールを使えばタープのように使用することも可能。よくできているのに値段が手ごろというのが魅力のひとつでしたが、最近値上がりしたのがちょっと残念です」

    (リコメンドしてくれた人;Yugoさん キャンプ歴/10年、ソロキャンプ歴は5年 キャンプスタイル/バイク旅でソロテント泊)

    非自立型/ウルトラライト系テント&シェルター

    ここからは、とにかく軽量にこだわっている「非自立型/ウルトラライト系テント&シェルター」を紹介します。素材は徹底して軽いものを採用し、トレッキングポールを組み込んで立てるものもありました。

    ウルトラライトタイプのテントは、海外のロングトレイルトレッキングから花開いたカルチャーなので、海外ブランドのソロテントが多めに集まっています。徒歩や自転車で旅しながらキャンプをする方には、「軽さ」を優先するというスタイルもオススメです。

    Zpacks(ゼットパックス) Hexamid Pocket tarp w/Doors(ヘキサミッドポケットタープwithドア)

    「ベースウェイト(水、食料、燃料を除いた、ギアを詰め込んだバックパックの総重量)4kg以下を実現させるために超軽量のフロアレスシェルターを探していて、総重量180g(実測)のこちらを購入。居住性よりも軽さ優先で選んでいます。モスキートネットもフロア(床)もないため、虫のいない冬から厳冬期に使用しています。夏場に使用する場合は、中に別売のネットテントを取付けています。

    ボディの素材はUL(ウルトラライト)では定番の軽量素材DCF(ダイニーマ(R)・コンポジット・ファブリック)。以前はキューベンファイバーと呼ばれていた素材で、折り目や網目がなく、空気と水を通しません。デメリットは中が多少透けて見えるところと、日光をほとんど遮らないので、夏場はサウナ状態になってしまうこと。より軽量化を実現するために、ドア部分がファスナーではなくフックになっているのがいいと思っています」

    (リコメンドしてくれた人;Yugoさん キャンプ歴/10年、ソロキャンプ歴は5年 キャンプスタイル/バイク旅でソロテント泊)

    HERITAGE(ヘリテイジ) TRAIL SHELTER(R)<2G>(トレイルシェルター<2G>)

    「自分でシーム処理(テントの縫い目の防水処理)をしたので、ペグ2本込みの重量は290g(実測)。超軽量で設営も簡単そうだと思い購入しました。トレイルランニングの途中で仮眠休憩するためにデザインされたもので、登山用のストック2本を組み込んで設営します。徹底して不要なものを排除したレース仕様感が気に入っていますが、必要最低限の作りなので、登山で使うには知識や備えがないと使いこなせないかもしれません。

    あまり需要がなかったようで、人知れず生産終了していました。とにかく軽さを追求しているので快適性が犠牲になっています。バイク旅で野営をしたときにも使用。誰も持っていない珍しいテント、変わったテントに惹かれる傾向があるのかもしれません」

    (リコメンドしてくれた人;Yugoさん キャンプ歴/10年、ソロキャンプ歴は5年 キャンプスタイル/バイク旅でソロテント泊)

    LOCUS GEAR(ローカス・ギア)Khufu Tyvex(クフ・タイベック)

    「白いソロ用のワンポールテントが欲しくて、こちらを購入。ペグとポールを除いた重量は現行品で440g。軽量でコンパクトになるため、海外でのキャンプや島旅キャンプなど、飛行機や船で移動するキャンプのときによく利用しています。

    別売りの〝DPTE / デュアル・ポール・ティップ・エクステンダー〟を使用すると、2本のトレッキングポールを使ってA型にポールを立てることが可能。そうすると、フロアの真ん中にワンポールを立てる必要がなく、フロアを広々と使えます。コンパクトでありながら、居住性が高いところが気に入っています。また、テントの素材はタイベック(アメリカのデュポン社が独自開発した高密度ポリエチレン不織布のこと)なので、適当に収納してもシワになりません。インナーテント(底ありの蚊帳のようなもの)を設置する場合もあれば、完全フロアレスで使用する場合はちょうどいい大きさにカットしたタイベックシートを底に敷いています。

    白いテントだと“透けないかな?”と心配する方もいると思いますが、影はうっすら映りますが、タイベックは意外と透けません。あとはテント内にカラビナをかけられるループがあれば、より使いやすくなるだろうな……とは思います」

    (リコメンドしてくれた人;風森美絵さん キャンプ歴/18年 キャンプスタイル/ソロキャンプか、ソロスタイルの友人たちとグループキャンプ)

    Six Moon Designs(シックスムーンデザインズ) Lunar Solo(ルナーソロ)

    「軽量テントの定番といえば、このルナーソロではないでしょうか。多くのウルトラライト系のテントを愛用するキャンパーがレビューしており、どんな状況にも対応できそうなオールラウンダーだと感じたため購入を決めました。

    とにかく使い勝手がいいです。モスキートネットとフロアがあるので虫が発生する夏場も心強く、1人用にしては広い室内と前室もあり、冬場でも安心して過ごせます。それでいて重量はわずか780g(実測)。どのテントを持っていくのか迷ったら、とりあえずこのテントを持っていきます。前室用ドアの紐をゆるめることでフライシートの上げ下げができるため、いちいちファスナーを開閉することなくテント内の物が取り出せるところが気に入っています。

    シーム処理がされていないため、雨が降るとすこしずつ浸水してきます(経験談)。自分でやると汚い仕上がりになりそうでしていませんが、最初からシーム処理されているとありがたいと思いました」

    (リコメンドしてくれた人;Yugoさん キャンプ歴/10年、ソロキャンプ歴は5年 キャンプスタイル/バイク旅でソロテント泊)

    Eureka!(ヨーレイカ!)Spitfire1

    「軽量でコンパクトなソロテントを探していた時期にロサンゼルスを旅行。現地のアウトドアショップで70~80ドルという激安価格で販売していたので即購入しました。日本では正規販売していないタイプのテントです。軽量コンパクトなので、登山でテント泊するときや、グループキャンプで使っています。

    一見自立型に見えますが、2本のポールを逆U字型に曲げてテントに通し、地面にペグを打たないと立たないため、非自立のトンネル型テントに分類されます。このちょっと変わった形状と、無駄が少なく軽くてコンパクトなところが気に入っています。値段も比較的安かったので大満足。色もライトグレーなため、テントサイトでも目立ちます。不満点は今のところ特になく、国内で流通してないアイテムなため壊れたら修理するのがなかなか大変そうってことぐらいです」

    (リコメンドしてくれた人;長田直之さん キャンプ歴/30年 キャンプスタイル/5人までの少人数グループキャンプから、大人数のキャンプイベント主催などさまざま)

    mont-bell(モンベル) モノフレームシェルター ヘキサ

    「総重量は1.53kg。とても軽量で、床ナシのフライシートだけでも設営できるので、登山での使用をメインに考えて購入しました。ちなみに、登山へ行くときなど、荷物を極力減らしたいときは、フライだけで張っています。

    簡単に構造を説明すると、1本のポールを弓矢の弓のように逆U字型に曲げるように固定し、さらに倒れないように両側をペグで打ち込みます。このペグがないと立たないので、非自立型テントに分類されますが、欲を言えばもう1本ポールを増やしてもいいので自立するように設計してほしいですかね。ちなみに、インナーの紐をとき、床を中に織り込むと、ちょっとした前室も作れます。その場所をいつも足置き場として利用しています」

    (リコメンドしてくれた人;しみずくみさん キャンプ歴/10年以上 キャンプスタイル/徒歩やバイクでソロキャンプ、ソロキャンプ友だちとグループで)

    非自立型/ワンポールテント&シェルター

    少し大きめサイズで重量がある非自立型テントを「非自立型/ワンポールテント&シェルター」として紹介します。ワンポールテントは高さもあるので、かがまずに着替えができるのが便利です。

    なお、PANDAはこちらに分類しましたが、フライシートの半分の面積が前室なので、本記事内の「前室広々タイプ」のテントにも属します。居住性はどれも高いのですが、非自立型なのでテントを設営する場所には注意する必要があります。

    tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン) PANDA(パンダ)

    「家族でのキャンプや登山で使うための山岳テントしか持ってなかったのですが、ひとりでのんびりとキャンプだけを楽しみたいなと思い、手早く設営できることと、今まで買ったことのないかわいい色に惹かれて購入しました。主に荷物を増やしたくないときにこのテントを使っています。

    PANDAは土間部分が広いので、タープを建てなくてもよく、のんびりできるところが気に入っています。高さが低めのコットやイスを入れたりすると、居住感がぐっと出て居心地もよくなります。山岳テントよりも高さがあるので、着替えが楽ですね。ただし、非自立型のテントなので、必ずペグを打たなければならず、地面がかたい場所では立てるのが大変です。そういう時はペグを太めのものに変えたり、石で押さえたりしています」

    (リコメンドしてくれた人;ふうさん キャンプ歴/25年 キャンプスタイル/ソロスタイルの友人たちとグループキャンプ)

    ogawa(オガワ) Piltz5(ピルツ5)

    「アウトドアイベントで15,000円という格安価格で販売していたため、購入しました。またこの黒い色もカッコよく、決め手になりましたね。ソロテントとして使用していますが、かなり広めなので、悪天候時はこのテントの中で友人と宴会をすることもあります。

    見た目は黒くて暑そうですが、光を通さないのでそこまで暑くはありません。ただ、背面に出入口がないので、風通しが悪いのは残念ポイント。もうひとつ出入口があればいいのにと思っています」

    (リコメンドしてくれた人;M・Tさん キャンプ歴/10年 キャンプスタイル/ソロキャンプスタイルの友だちとグループキャンプ)

    KELTY(ケルティ) ROVER TENT(ローバーテント)

    「最近のテントではあまり見かけない、古めかしいオールドスクールなデザインが気に入って購入しました。総重量は2.8㎏。フロントは2ポール、バックは1ポールで設営する非自立型テントですが、釣り下げ式なので簡単に設営できます。構造がやや弱いので、野営地での使用は避けてオートキャンプ場などで使用しています。不満点は特にありませんが、強いて言えばポールがスチール製なので、アルミもしくはカーボンにすればもっと軽くなるだろうと感じました」

    (リコメンドしてくれた人;Yugoさん キャンプ歴/10年、ソロキャンプ歴は5年 キャンプスタイル/バイク旅でソロテント泊)

    前室広々タイプ

    前室やタープ部分が広いソロテントを「前室広々タイプ」に分類しました。ここで紹介するテントであれば、タープを張る必要はないでしょう。前室やタープ部の中にチェアやテーブルを置き、このテントひとつで居住空間が確保できます。急に雨が降ってきた際に、自転車を前室内に置くことも可能です。今回は非自立型と自立型、それぞれひとつずつ紹介します。

    Snow Peak(スノーピーク) ヘキサイーズ1

    「初めて購入したソロテントです。他ではあまり見ない〝タープ一体型テント〟という面白い構造に惹かれて購入しました。非自立型テントの前室(タープ部)がかなり広いので、居心地はいいですね。雨が降りそうな微妙な天気でも、のんびりと料理や焚き火を楽しむことができます。

    丈夫なつくりと、他にない個性的なデザインは、さすがSnow Peakと気に入っているポイントです。ただし重量が5kg以上あるので、軽量なテントをほかにもいろいろ購入した現在は、使用頻度が減りました。車利用でソロキャンプへ行く方は、重さはあんまり関係ないと思うので、使えるテントだとは思います」

    (リコメンドしてくれた人;Yugoさん キャンプ歴/10年、ソロキャンプ歴は5年 キャンプスタイル/バイク旅でソロテント泊)

    tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン) TENGER COMPACT(テンゲルコンパクト)

    「アウトドア×モーターサイクルを楽しむブランド〝nomadica(ノマディカ)〟とtent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン)がコラボして作ったテントです。アウトドアの展示会でこのテントを見て、色とサイズ感が気に入りました。雨の日と晴れの日で、サイドフラップの張り方を変えられて、いろんなスタイルが楽しめそうだと思い購入を決めました。

    ほかにもワンポールのとんがりテントなども持っていますが、自立型のこちらのほうが室内や前室が広くてのんびりできそうなので、連泊でゆっくりしたいときに使用しています。ただ、ワンポールよりもポールが多いため、設営と撤収は少し大変になるんですよね。なので、バイクなどで移動するときはワンポール、ひとつのキャンプ場に連泊するときはこのテントと使い分けています。

    このテントがあれば、タープを張る必要はありません。前室にロースタイルのテーブルとチェアを入れて、編み物や刺繍などをのんびり楽しもうと思っています。最近のキャンプ場はとなりのサイトが近いこともあるので、2本のポールの上部から布を垂らして、プライバシーが守られるように工夫して使っています。贅沢を言うと、サイドフラップに小窓があれば、より使いやすくなると思いました」

    (リコメンドしてくれた人;さじまるさん キャンプ歴/10年 キャンプスタイル/バイク旅で使用、主にソロキャンプ)

    テントはしっかりお手入れして大事に長く使おう!

    写真提供/長田直之さん

    自分が求めるソロテントを見つけたら、長く愛用したいですよね。長持ちさせる上で大事なのが使用後のお手入れ。テントをしっかり日光にあてて、乾かすのが大事なポイントです。

    というのも、防水性を施すために一部のテントにはポリウレタンコーティングした素材が採用されることがあり、化学物質が水や湿気と反応して分解が起こり、ベトベトしてしまうんです(加水分解)。

    経年劣化による加水分解は防げないものではありますが、キャンプのたびにしっかりテントを干すだけでも、劣化する時期を延ばすことができます。キャンプのあとはそのまま収納せずに、できればもう一度ベランダで干してあげるといいでしょう。また、ポリウレタンコーティングは高温にも弱いので、収納する場所は高温にならない場所にしましょう。

    愛着のあるテントを長く使うためには、日頃のケアをしっかりしてあげることも大切です。大事に大事にテントを使ってあげてください。

    ひろさわゆかり

    エンタメ系インタビュー記事をメインに、あらゆるジャンルの記事を執筆。多忙な毎日から逃亡するために、キャンプや登山、旅に出かけています。海外ではニュージーランドとフィンランドでキャンプ旅の経験も。日本百名山は現時点で65座登頂! 100座登頂を目指しています。

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