アウトドア2022.10.26

ベテランキャンパー、アウトドア好きたちが本当に愛用している「おすすめシングルバーナー」28選

アウトドアの醍醐味といえば〝キャンプ飯〟ですよね。焚き火で調理する人も多いと思いますが、火力を調整するのが難しく、火加減をこまめに変える必要がある炊飯などの調理や、パッと短時間でお湯を沸かしたいときなどには向いてません。そんなときに活躍してくれるのがバーナーやストーブ。2口コンロや3口コンロもありますが、今回はシングルバーナーに注目。アウトドア好きの方々が本当に愛用しているバーナーを教えていただきつつ、それぞれのお気に入りポイントを伺いました。

(執筆/ひろさわゆかり、編集/株式会社モジラフ、メルカリマガジン編集部)

まずはCB缶とOD缶の違いについて知っておこう

CB(カセットガスボンベ)缶

自宅用のカセットボンベなどでもよく使用されている細長い筒状のガス缶。比較的安価で、メーカーによってはスーパーやコンビニなどでも販売しているため、入手しやすいのですが、寒さには弱いブタンガスが主成分のものが多いようです。

OD(アウトドア)缶

丸みを帯びたフォルムのアウトドアに特化したガス缶。アウトドアショップやオンラインで入手できますが、旅先で急に探そうとしても見つけるのは大変。価格も比較的割高です。一方、もともと屋外で使うことを想定しているため、寒さにも強いプロパンやイソブタンをブタンガスに配合し、メーカーによっては、プロパンガスを主成分にした厳冬期用のガスも販売されています。

なお、OD缶は3つのサイズがあり、それぞれ燃焼時間(目安)が異なります。利用シーンに合わせてサイズが変えられるのも魅力です。

110(小)サイズ(高さ65ミリ、直径90ミリ)

燃焼時間:約20~30分
利用シーン:シングルバーナー利用、デイキャンプや1泊程度のキャンプや登山

250(中)サイズ(高さ90ミリ、直径110ミリ)

燃焼時間:約60分
利用シーン:シングルバーナー利用、連泊キャンプや縦走登山

500(大)サイズ(高さ150ミリ、直径110ミリ)

燃焼時間:約120分
利用シーン:長時間燃焼が必要なランタン、大人数でのグループキャンプ、ツーバーナーでの利用

一体型と分離型の違いとは?

一体型

メリット
  • OD缶は、折りたたんでコンパクトに収納できるものがほとんど
  • CB缶は、五徳が大きいため、大きな鍋を置いても安心(長時間の調理も可能)
  • デメリット
  • バーナー部分がガス缶と連結しているため、炎が燃料の近くにある
  • OD缶は、鍋を載せたときの安定感はあまり良くない(長時間の調理に不向き)
  • 分離型

    メリット
  • ガス缶とバーナー部が離れているため、より安全に調理をすることが可能
  • 五徳もしっかりした作りのものが多い
  • デメリット
  • 一体型よりはコンパクトさに欠ける
  • 今回、この企画のためにお話を伺ったアウトドア好きの方々は、一体型と分離型、OD缶用とCB缶用のシングルバーナーをいくつも所持している方がたくさんいました。みなさん、持っているギアの中からシーンごとに最適なものを選び、使い分けているようでした。

    アウトドア好きが本当に使っている「一体型」シングルバーナー

    写真提供/モビコさん

    一体型シングルバーナーといっても、CB缶用とOD缶用で個性はガラッと変わります。CB缶用のシングルバーナーは重心が低く、五徳もしっかりと大きいものが一般的なので、大きな鍋を置いても安定しています。ただし、その分コンパクトさにはかけるので、徒歩やバイクでのキャンプや登山には向きません。

    OD缶の一体型シングルバーナーは、コンパクトさが最大の魅力です。ギアをすべてザックに詰めて移動する徒歩キャンプや登山、ギアにコンパクトさを求めるキャンプツーリングなどに向いているでしょう。

    今回、リサーチしたシングルバーナーのうち、CB缶用の一体型シングルバーナーは5アイテム、OD缶用の一体型シングルバーナーは15アイテムを挙げていただきました。

    一体型シングルバーナー/CB缶

    SOTO(ソト)レギュレーターストーブ ST-310

    「手持ちのカセットコンロと燃料を合わせたかったので、CB缶が使えて、大きめのクッカー(鍋)やケトル(やかん)を載せられるという条件を満たしたのがこのST-310でした。

    小さいけど五徳がしっかりしているので、2〜3人用のクッカーを載せてもグラつきません。寒くても火力が安定しているところもいいですね。あとは、CB缶は購入しやすいという利点もあります。

    購入当初は少し不満を抱えていましたが、〝アシストポーチ〟と〝点火アシストレバー〟と〝アシストグリップ〟の3点が入った〝レギュレーターストーブ専用アシストセット〟を購入したらすべてが解決!なかでも、アシストグリップが個人的に大ヒット。使用直後の五徳はとても熱くてヤケドしそうになりますが、グリップを付けてからは大丈夫になりました」

    (リコメンドしてくれた人;えびさん キャンプ歴/10年 キャンプスタイル/ファミリーキャンプ)

    SOTO(ソト)REGULATOR STOVE MAERCHEN MODEL ST-310MC(レギュレーターストーブ メルヘンモデル ST-310MC)

    「手に入りやすく、価格も安いCB缶が使えるシングルバーナーを探していました。こちらはSOTOとMAERCHEN CAMPのコラボアイテムで、赤いフタがかわいいスクエア型の鍋とバーナー、ギンガムチェック柄のきんちゃく袋がセットになったアイテムです。このメルヘンな雰囲気の柄がかわいいので、ほかの方とかぶらない点が気に入り、即決しました! 

    また、鍋の中にバーナーをたたんで収納できるところも便利です。ただ、フタの取っ手がクルクル回ってしまい、取れやすいのは改善してほしい点です。

    余ったガスは自宅のカセットコンロでも使えるため、しょっちゅう山登りをしない人は、キャンプやアウトドアのシーンではCB缶のシングルバーナーがおすすめですね」

    (リコメンドしてくれた人;こまきさん キャンプ歴/15年 キャンプスタイル/旅先でレンタカーを借りてソロキャンプ)

    Iwatani(イワタニ)カセットフー タフまるジュニア CB-ODX-JR カセットコンロ

    「もともと別のシングルバーナーを持っていましたが、鍋を置いたときの不安定さと火力調整の難しさを感じて、この〝タフまるジュニア〟を購入しました。風防付きの五徳がかなり頑丈にできています。

    サイズがひとまわり大きいイワタニの〝タフまる〟も頑丈ですが、運ぶのが大変。その点、タフまるジュニアは運ぶのにちょうどいいコンパクトさなんです。また、小さなキャンプ用テーブルに置いたとしても皿などを置くスペースが確保できるのも便利な点です。

    ほかにも風に強く火力が安定していること、デザインが無骨でカッコいいことも気に入っているポイントです。イワタニのCB缶はほとんどのコンビニで売っているので、どこでも手に入るのはありがたいですね」

    (リコメンドしてくれた人;nekodonさん キャンプ歴/3年 キャンプスタイル/車移動で友だちとグループキャンプ)

    Snow Peak(スノーピーク)Home&Campバーナー(ホーム&キャンプバーナー)

    「キャンプで大きめの鍋を火にかけられるコンロがほしいと思っていた2020年ごろに、五徳を本体部分に収めてしまうというコンパクトさに惹かれて購入しました。デザイン性も高く、縦置きできるのでキッチンに出しておいても邪魔になりません。ただ、持つと意外と重かったので、もう少し軽いといいな……とは思いました。

    あとは〝インドアとアウトドア、どちらでも使える〟と明記されている点が魅力的でしたね。でも、自宅で使うときは吹きこぼれに注意したほうがいいです。バーナーシートなどがあれば、より安全に使えると思います」

    (リコメンドしてくれた人;モビコさん キャンプ歴/18年 キャンプスタイル/車利用のソロキャンプ、友だちとグループキャンプ、フェスキャンプ)

    (ブランド名不明)MINI GAS RANGE K-202(ミニガスレンジ K-202)

    「8年ぐらい前にネットで見つけて、色がかわいいこのシングルバーナーを購入しました。とっても安くて、たしか3,000円ぐらいだった気がします。

    すでにOD缶のシングルバーナーはふたつ持っていましたが、このときに初めてCB缶のシングルバーナーの存在を知ったんです。売店がないようなキャンプ場でも、CB缶ならホームセンターやコンビニに行けば入手しやすいので、ツーリング先でキャンプをしているバイク仲間には、CB缶のバーナーをすすめています」

    (リコメンドしてくれた人;さじまるさん キャンプ歴/10年 キャンプスタイル/バイク旅で使用、主にソロキャンプ)

    一体型シングルバーナー/OD缶

    SOTO(ソト)MICRO REGULATOR STOVE Wind Master SOD-310(マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター SOD-310)

    「登山でテント泊するときのために、より小さくて軽く、風に強くて火力が安定するバーナーを探していて、8年前ぐらいに購入しました。OD缶にしたのは、ガス缶に大小サイズがあるので、登山の日数やスタイルによってサイズを選べることと、ガスの残量がわかりやすい気がしたからです。

    標準装備の3本五徳だとあんまり安定しない気がしたので、別売りの4本五徳〝フォーフレックスSOD-460〟を購入。畳むと小さなマグカップにも収納できるサイズなので、いつも収納袋には入れずに、そのままマグカップかクッカーにスタッキングしています」

    (リコメンドしてくれた人;風森美絵さん キャンプ歴/18年 キャンプスタイル/ソロキャンプか、ソロスタイルの友人たちとグループキャンプ)

    SOTO(ソト)AMICUS SOD-320(アミカス SOD-320)

    「バイクキャンプをするときは、バイクの積載量が限られているので、ひとつひとつのキャンプ道具をできるだけコンパクトにしようと考えています。このシングルバーナーも折りたたむと手のひらにすっぽり収まるほど小さくて、さらに耐風性もあったため購入しました。

    すり鉢状のバーナーヘッドのまわりがリング状に立ち上がっており、風にも強く火力も安定しているため、風防を持っていく必要がありません」

    (リコメンドしてくれた人;ぬっきーさん キャンプ歴/15年 キャンプスタイル/ソロツーリングキャンプ)

    SOTO(ソト)MICRO REGULATOR STOVE SOD-300S(マイクロレギュレーターストーブ SOD-300S)

    「購入したのはだいたい12年ぐらい前。アウトドアショップでいろいろ探していて、当時売り場でいちばん軽くて小さかったので購入しました。山でのテント泊や、徒歩キャンプのときに使っています。

    このバーナーが寒さに強いことを知らずに購入したのですが、真冬にキャンプをしたとき、みんなは火がつかずに四苦八苦する中でも普通に点火できました。ただし、風にはやや弱いというデメリットがあるので、バーナーを風から守るための風防を使っています」

    (リコメンドしてくれた人;しみずくみさん キャンプ歴/10年以上 キャンプスタイル/徒歩やバイクでソロキャンプ、ソロキャンプ友だちとグループで)

    PRIMUS(R)(プリムス(R))153ウルトラバーナー P-153

    「12年前にネットで初心者向けのシングルバーナーを検索し、クッカーにも収納できるようなコンパクトサイズで、かつパワーがあるこちらを購入しました。五徳部分が折りたためて手のひらに包み込めるぐらいのサイズ感なので、いつも鍋の中にOD缶といっしょに収納して、キャンプ場まで持ち運んでいます。

    〝圧電点火装置〟と言って着火スイッチのようなものがあり、基本的にはマッチやライターがいりません。有名なバーナーなので持っている人が多く、初めてシングルバーナーを使う人には導入しやすいと思います。また、使い方もOD缶とつなぎ、ガスの出るバルブをゆるめて点火するだけなので、簡単だと思います」

    (リコメンドしてくれた人;こでちんさん キャンプ歴/15年以上 キャンプスタイル/昔は徒歩でのソロキャンプ、現在は車移動のデュオキャンプがメイン)

    PRIMUS(R)(プリムス(R))テクノトレイルP-152

    「20年くらい前にキャンプツーリング用に購入しました。同時に、別売りの〝スパイダーキット〟も購入。これはバーナーとガス缶をホースで繋ぐことができるもので、これがあれば一体型のバーナーも分離型として使えるんです。じっくりコトコト煮込む料理が作りたかったので、一体型だと高さがあって不安定だなと思い、導入しました。

    重さはだいたい200gぐらいで、ちょっと重めですね。思い入れがあるギアなので、今後も大事に使っていくつもりです」

    (リコメンドしてくれた人;さじまるさん キャンプ歴/10年 キャンプスタイル/バイク旅で使用、主にソロキャンプ)

    PRIMUS(R)(プリムス(R))Nano Stove Florist SAKURA P-114F(ナノストーブフローリストサクラ P-114F)

    「購入したのは10年ぐらい前。低山ハイクをするときに、山でお湯が沸かせる軽めのシングルバーナーを探していました。

    山の標高にもよりますが、1リットルの水を3分程度で沸かすことができます。コーヒーを飲んだり、カップ麺を食べたりしていますが、もう少し火力の微調整ができたら、料理にも使えるのに…と思います。本体重量はわずか64gで、とても軽いので持ち運びもしやすいです。ただし、風が強いとお湯を沸かすのに時間がかかるため、そういう場合は風防を使っています」

    (リコメンドしてくれた人;さじまるさん キャンプ歴/10年 キャンプスタイル/バイク旅で使用、主にソロキャンプ)

    PRIMUS(R)(プリムス(R))P-173 フォールディングハイパワーバーナー

    「電車移動でキャンプをしたかったので、なるべくコンパクトで軽いシングルバーナーを探していて、購入しました。本体重量は173gで、X型の五徳は折りたためるため、サイズを2段階に変えることができます。もっと小さいものもありましたが、鍋を載せたときの安定性が悪いと思ったので、このサイズのものを買いました。

    とはいえ、折りたたむとすっぽり手のひらに収まるミニマムサイズなので、とてもパッキングしやすいです。あくまでも予備のキッチンツールとして持っていき、お茶を淹れるためのお湯を沸かすときに使っていますね」

    (リコメンドしてくれた人;オニオンさん キャンプ歴/10年 キャンプスタイル/電車移動のグループキャンプ)

    PRIMUS(R)(プリムス(R))2243バーナー IP-2243PA

    「バーベキューをするときにお湯を沸かしてコーヒーを飲みたくて、購入しました。車で移動するファミリーキャンプのときは分離型のシングルバーナーを使っているため、出番は少なくはなりましたが、焚き火しながらコーヒーを淹れるときなどは手軽かつ安定感もあるのでこちらを持っていくこともあります。

    一体型のバーナーの中では風防効果も高いし、五徳もしっかりしていてぐらつかないので、安定感は抜群です。実測で285gで重くて大きいというデメリットはありますが、安定感があるので不満点はありません」

    (リコメンドしてくれた人;フーさん キャンプ歴/10年 キャンプスタイル/ソロテントに泊まってグループキャンプ)

    EPIgas(R)(イーピーアイガス(R))REVO-3700 STOVE(レボ3700ストーブ)

    「約13年前に登山を始めたとき、山の上で調理がしたくて購入しました。わずか111g(実測)という軽さと、かなり小さく折りたためて、手のひらサイズになるコンパクトさがお気に入りです。

    山でちょっとコーヒーが飲みたいときや、キャンプで補助的に使うときに大活躍。とても小さいので浅い鍋にもスタッキングできるし、深い鍋だったらガス缶といっしょに収納できます。ただし、鍋を置いたときの安定性はやや低いです。倒れないように鍋の柄を持ちながら料理しています」

    (リコメンドしてくれた人;ひろさわゆかり キャンプ歴20年 キャンプスタイル/徒歩や車でソロキャンプ、夫婦ふたりでデュオキャンプ、フェスキャンプ)

    EPIgas(R)(イーピーアイガス(R))NEOストーブ S-1030

    「もともとEPIgasの小さなシングルバーナーを持っていましたが、少し大きな鍋を載せると安定感が悪かったので、同じガス缶が使えるもののなかから、こちらのバーナーを購入しました。

    重量185g(実測)なので、ものすごく軽いわけではありませんが、CB缶用のバーナーよりは軽いと思います。五徳の直径は20.5㎝(実測)。家庭で使うフライパンを置いても安定しています。デメリットはプラスチック製のハードケースが大きくて、鍋にスタッキングできないこと。だいたいケースごとザックやコンテナにパッキングしています」

    (リコメンドしてくれた人;ケンさん キャンプ歴/25年 キャンプスタイル/グループキャンプ、夫婦でデュオキャンプ、フェスキャンプなど)

    Snow Peak(スノーピーク)ギガパワーストーブ 地 オート

    「登山用になるべくコンパクトで軽量のものが欲しくなり、購入しました。主にお湯を沸かすために使用していましたが、クッカーでごはんを炊いたり、コンパクトな鉄板でお肉や野菜を焼いたりと、これ1つあれば簡単な調理には困りません。また、シンプルで無駄がなく、ちょっと無骨なフォルムにも愛着がわいています。

    シンプルなぶん、五徳が簡素なので、ちょっと安定の悪いところだと載せた調理器具が滑り落ちそうになることがあるため注意が必要です」

    (リコメンドしてくれた人;モビコさん キャンプ歴/18年 キャンプスタイル/車利用のソロキャンプ、友だちとグループキャンプ、フェスキャンプ)

    CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)オーリック 小型ガスバーナーコンロ M-7900

    「キャンプを始めた15年ほど前に購入しました。使う頻度が明確でなかったので、とりあえず価格が安めのシングルバーナーという理由で選びました。

    お湯を沸かしたり、レトルトパックを温めたり、登山の休憩時に使っています。また、停電で自宅のガスコンロが使えなくなったときには、このバーナーがあったおかげでお湯を沸かすことができて、大変助かりました。五徳が開閉式に広がるので、大きな鍋やフライパンでの調理にも使えます。ただし、あまり重たい鍋には向いてないので、家族や少人数でのデイキャンプなど、ちょっと調理したいときにおすすめです。デメリットはサイズが大きいこと。持ち運ぶのには少し不便かもしれません」

    (リコメンドしてくれた人;モビコさん キャンプ歴/18年 キャンプスタイル/車利用のソロキャンプ、友だちとグループキャンプ、フェスキャンプ)

    MSR(エムエスアール)ポケットロケット2

    「機能面よりも、OD缶を含めての見た目のよさでMSR ポケットロケットが気になっていたときに、アウトドアをやっている先輩から後発品のMSRポケットロケット2を破格の値段で譲り受けました。焚き火調理中にもう一口火が欲しいときや、朝のちょっとした湯沸かしにサッと使えて便利です。

    コンパクトさも魅力ではありますが、いちばん気に入っているのは見た目の良さ。ただ点火装置はないので、使用するときはライターが必要です。また、火の吹き出し口が小さいので、長時間の料理ではバーナーの上に置いて五徳の安定性を高める〝バーナーパッド〟を別に買ったほうがいいかもしれません」

    (リコメンドしてくれた人;長田直之さん キャンプ歴/30年 キャンプスタイル/5人までの少人数グループキャンプから、大人数のキャンプイベント主催などさまざま)

    OPTIMUS(オプティマス) No.42 CRUX(No.42 クラックス)

    「15年ぐらい前に、登山時の軽量化のためとにかくコンパクトなOD缶一体型シングルバーナーを探していたところ、出会ったアイテムです。デザインと希少性、バーナー部分の根元から折りたためる構造にひとめぼれして購入しました。

    実際に使ってみて気に入っているのは、コンパクトさ、軽さ、見た目、機能性を兼ね備えたところ。また、火の吹き出し口が他のブランドにくらべ広めで、鍋の中心だけが温まって焼けることが少ない点がいいですね。ただし、点火装置がないのでライターは必須です」

    (リコメンドしてくれた人;長田直之さん キャンプ歴/30年 キャンプスタイル/5人までの少人数グループキャンプから、大人数のキャンプイベント主催などさまざま)

    JET BOIL(ジェットボイル)SOLチタニウム(ソルチタニウム)

    「購入したのは10年ぐらい前。保温クッカーと熱伝導率が高いバーナーがセットになったアウトドア用調理器具です。ほかのシングルバーナーと比較にならないぐらいお湯が沸くのが速いんですよ。500mlの水を沸かすのに、夏場なら2分かからず、冬場でも5分ほどです。

    ほかにもバーナーを持っていますが、ピクニックやサイクリングのときはこちらを持っていきます。公園や土手で休憩するとき、もたもたと火器を使っていると人目が気になるんですよね。なので、素早くお湯が沸くジェットボイルは重宝しています」

    (リコメンドしてくれた人;ばばちょっぷさん キャンプ歴/15年 キャンプスタイル/徒歩キャンプ、バイクキャンプ、登山でのテント泊など)

    アウトドア好きが本当におすすめする「分離型」のシングルバーナー

    分離型のシングルバーナーは、ガス缶とバーナー部が離れているため、安全に調理できるのが最大の特徴。また、バーナー部をテーブルに直接置いて使えるため低重心になり、五徳の上にクッカーや鍋を置いたときの安定性が上がります。

    大きな鍋やフライパンを置いてもぐらつかず、弱火でコトコトと煮込み料理を作るために長時間鍋を置いても安心。アウトドア好きの方からは、「じっくり料理をするには分離型のシングルバーナーがオススメ」という声をいただきました。

    今回のリサーチでは、CB缶用の分離型シングルバーナーを5アイテム、OD缶用の分離型シングルバーナーを2アイテム紹介していただきました。

    分離型シングルバーナー/CB缶

    SOTO(ソト)レギュレーターストーブ FUSION(フュージョン) ST-330

    「キャンプで使えそうなCB缶の分離型シングルバーナーはないかと探していたときに、キャンプ業界で仕事をしている友人からすすめられて購入しました。

    脚が4本あるので、重量がある鍋をのせても安定しています。分離型はガス缶とバーナー部分が離れているため、安心して調理ができますし、火力も安定していて煮込み料理も作れます。またバーナー部分に風防がついているため、寒さや風に強くなった気がしました。折りたたみ式で十分コンパクトにはなるのですが、さらにコンパクトになれば言うことなしですね」

    (リコメンドしてくれた人;そまさん キャンプ歴/15年 キャンプスタイル/車とバイク利用のソロキャンプ、グループキャンプ)

    SOTO(ソト) シングルバーナー ST-301

    「大きな鍋でみんなで宴会をするために選びました。製造元のSOTOさんにお話を伺う機会があったのですが、〝古いデザインのものですが、ロングセラーになっている商品〟だそうです。

    このバーナーは五徳がしっかりしていて低重心で安定性が高いので、大きい鍋を使うときに大活躍! 同じメーカーが発売している〝FUSION ST-330〟もありますが、〝ST-301〟のほうがよりバーナー部分が低く大きいので、しっかり料理したい人にはおすすめです。2021年4月に惜しまれつつも製造が中止となり、今では廃盤商品になってしまいましたが、私にとっては思い入れがあるシングルバーナーです」

    (リコメンドしてくれた人;こいしゆうかさん キャンプ歴/15年 キャンプスタイル/キャンプコーディネーターとしてい仕事をしながら、フリースタイルでキャンプを楽しんでいます)

    SOTO(ソト) シングルバーナー ST-L300

    「旅先でも調達しやすいCB缶のシングルバーナーを探していました。鍋の置きやすさを考えると分離型で五徳が大きいもので、かつ携帯性に優れたものというのが条件になり、それを満たしてくれたのがこの〝ST-L300〟でした。

    気に入ったのは、バーナー部が大きく五徳がしっかりしていることと、キャンプツーリングでもダッチオーブン料理ができること。今は廃盤になってしまいましたが、再販してほしいです! 不満な点は、五徳の足についていたゴムがすぐに取れてなくなってしまったことです」

    (リコメンドしてくれた人;あきさん キャンプ歴/25年 キャンプスタイル/車利用のグループキャンプ、バイクでのソロキャンプ)

    Snow Peak(スノーピーク)ギガパワーデルタポッドCB

    「燃料の入手性の高さがメリットだと考えて、アウトドア用のガス機器をすべてCB缶で統一することにし、購入しました。大きめの鍋やフライパンも安全に使えそうだと思って分離型のシングルバーナーを探していたところ、当時発売したてのこのバーナーを見つけました。

    使用してみてよかったのは頑丈さ。10年以上使用しています。ただ、〝ゴォー〟という結構大きな音がするので、使いながら話をすると自然と声も大きめになってしまい、となりのキャンパーに怒られた苦い思い出があります(笑)」

    (リコメンドしてくれた人;ヤマダさん キャンプ歴/17年 キャンプスタイル/グループでファミリーキャンプ)

    UNIFLAME(ユニフレーム)テーブルトップバーナー US-D

    「子どもが小さい頃、ファミリーキャンプで使うにはOD缶の一体型のシングルバーナーでは火力と安定感が足りず、こちらを買い足しました。海水浴キャンプや山歩きキャンプで疲れたときは、夕飯はレトルトや鍋、ラーメンで済ませてしまうので、大きめの鍋が載せられる分離型のバーナーは助かります。

    4人で鍋を食べるときに土鍋を載せても安心で、我が家のいちばん大きな無水鍋も載せられます。ただし、ホースの長さがうちの小さなテーブルには半端で、微妙な位置に缶がいってしまうのは困っています」

    (リコメンドしてくれた人;いくさん キャンプ歴/10年 キャンプスタイル/ファミリーキャンプで、家族ひとりひとりがソロテント泊)

    分離型シングルバーナー/OD缶

    EPIgas(イーピーアイガス) APSA-Ⅱストーブ S-1600

    「OD缶一体型のシングルバーナーは高さがあり、火にかけっぱなしの料理には不安定で心配だったため、低重心のガス缶バーナーを探していました。そんなときに購入したのがOD缶分離型の〝APSA-Ⅱストーブ〟でした。

    ガス缶とバーナー部が離れていて、バーナー部の手元に点火装置がついているので、安全に着火できるのが安心ですね。鍋やおでんなど、長時間かかる料理を作るときは、このバーナーを使っています。ただし、五徳にやや不安があるため、重い鍋は置かずに軽量のクッカーで料理しています。EPIgasのガスカートリッジは山岳向けに極寒冷地用のものも販売しているので、冬キャンプでも火力低下しないところがとてもいいです」

    (リコメンドしてくれた人;すのこさん キャンプ歴/30年 キャンプスタイル/ファミキャン、ソロキャン、野営、自転車キャンプ)

    MSR(R)(エムエスアール(R))WindPro(ウィンドプロ)

    「雪山やキャンプで使えるシングルバーナーを新たに買おうかと検討して、火力が強くて大きな鍋でも安定して使いやすいMSRウィンドプロを約10年前に購入しました。

    雪山でキャンプをするときは、飲み水や調理用の水を確保するために、大量の雪をクッカーに入れて火にかけて、溶かして水にしていきます。そういう場面では、寒くても火力が安定しているこのストーブが活躍してくれます。地面に置くタイプの低重心で安定感があるので、キャンプで大きな鍋を置いても安心です。ただし、熱が反射して地面を痛めてしまうので、断熱シートを底に敷いて使用する必要があります。その点を機能的に改善できるようになればベストですね」

    (リコメンドしてくれた人;はんはんさん キャンプ歴/12年 キャンプスタイル/登山キャンプからスタートし、最近は夫婦でデュオキャンプがメインに)

    真冬のキャンプなら「ガソリンストーブのシングルバーナー」という選択肢も

    アウトドア好きの方に愛用シングルバーナーをリサーチしていく中で、厳冬期に雪中キャンプをされる方からは「ガソリンストーブ」を1アイテム紹介していただきました。

    ガスストーブは外気温の影響を受けやすいのですが、高純度のホワイトガソリンを燃料にしているため、ポンピングでタンク内の圧力を上げて、厳冬期でも安定した火力をキープすることができるのです。真冬のキャンプでどのようにガソリンストーブを使っているのかも、教えていただきました。

    Snow Peak(スノーピーク)ギガパワーWGストーブ

    「2001年に購入。国産初のガソリンストーブだったことと、最大火力からとろ火まで使える機能性が気に入り、こちらを購入。デメリットはホワイトガソリンを保管する場所が必要になる点と、ポンピング(空気圧縮作業)が必要なこと。それとガス缶のシングルバーナーと比べて全体の機器容量が大きいところです。

    氷点下を下回る場所でキャンプをするときは、ガス缶では外気温と気化熱の関係でガス圧力の低下が起こり、お湯を沸かすのに時間がかかってしまうんです。その点、ガソリンストーブはポンピングで加圧することにより、気温や気圧に左右されず安定した火力が得られます。使ってみて気に入っているのは、ホース、ポンプ、バーナーと細部に分割収納ができること。ただ、ホースに曲がりがなく一直線なので、なにかがタンクにぶつかるたびにバーナーが一緒に動いてしまうのは不便でした」

    (リコメンドしてくれた人;すのこさん キャンプ歴/30年 キャンプスタイル/ファミキャン、ソロキャン、野営、自転車キャンプ)

    日帰り登山やちょっとしたピクニックでの料理に。シングルバーナーは必需品

    キャンプや本格的な登山を始めることにためらっている方は、まずは日帰り登山やピクニックをするときに、コンパクトになるシングルバーナーを持っていってみてはいかがでしょうか?

    リュックからバーナーを取り出して、組み立て、その場でお湯をふつふつと沸かす……。ただそれだけのことではありますが、家の中ではなく外でやるだけで冒険に出ているようなワクワク感を味わえるはず! 沸かしたてのお湯であったかいコーヒーやお茶、スープを入れて、美しい景色を見ながら一服すると、とっても贅沢な気分を味わえるのです。

    公園によっては火気厳禁の場所もありますので、使用する場所に気をつけながら、アウトドアでのシングルバーナーライフを楽しんでくださいね。

    ひろさわゆかり

    キャンプ歴20年。ふだんはエンタメ系インタビュー記事をメインに、あらゆるジャンルの記事を執筆。多忙な毎日から逃亡するために、プライベートでキャンプや登山、旅に出かけています。海外ではニュージーランドとフィンランドでキャンプ旅の経験も。日本百名山は現時点で67座登頂! 100座登頂を目指しています。

    147 件

    WRITTEN BY

    メルカリマガジン編集部

    誰かの「好き」が、ほかの誰かの「好き」を応援するようなメディアになりたいです。

    RELATED TAGS

    好きなものと生きていく

    メルカリマガジンは、「好きなものと生きていく」をテーマにしたライフスタイルマガジンです。いろいろな方の愛用品や好きなものを通して、人生の楽しみ方や生き方の多様性を紹介できればと思います。