カセットコンロにこんなにときめいてしまうなんて思いもしなかった。
鍋をやるときに棚から引っ張り出してきて、終わったらまた元の場所にしまう。
それだけの存在だったのに。
きっかけは去年の暮に、スノーピークが発表した新しいカセットコンロだった。
鍋を乗せる五徳の部分を、ガスボンベくらいの大きさのボトル状に折りたためるという驚異のギミック。これにやられた。
なんだか新しいプラモデルを買うような気分で即座に予約した。「たぶん5月くらいに入荷ですかね」と言われたが、発売したのは7月13日だった。
半年以上待って、このたび無事に入手することができた。
変身シーンが、とにかくたまらない
これがそのカセットコンロ、「HOME & CAMP バーナー」だ。一般的なカセットコンロに対するイメージとはだいぶ違うのではないだろうか。たぶんもっと四角いプレートのようなものを想像したと思う。
大きさはこんな感じ。牛乳パックよりもひと回り大きいくらいだろうか。片手で掴んで持ち運べるサイズ感で、重さは約1.4kg。
この筒状の物体がどのように、あのカセットコンロに“変身”するのか。
まずカバーをパカっとはずす。
続いてギザギザの部分を引く。
くるーっと回転して、
270度まわったところでガチャッと止まる。
五徳の部分をパカっと開く。
これで完成だ。どうみてもカセットコンロだ。手前の部分にボンベを入れる。
ただただ美しい。
これはもはや暖炉。眺めているだけで楽しめる
せっかくなのでガスボンベもスノーピークで買ってみた。
凹みの部分を合わせてガチャッと装着。いつもどおりの感触。
ちなみにスノーピークの店員さんによると、ガスボンベも同社製の「ギガパワーガスCBブタン」(型番:GPC-250CB)を推奨しているとのこと。
他社が販売するものも使えなくはないが、故障の原因になる可能性があるということだった。
このツマミを横にひねって、ついに点火。
「ボッ」といい音がして聖火がともった。炎の柱のようなものが見える。かなり強火になるようだ。
ただ火がついてるだけのをガスコンロをしばらく眺める。不思議と、ずっと見ていられる。
これはもはや暖炉のようなものだ。見ているだけで心が落ち着く。
カセットコンロから出る火を見ながら読書をしたり、うとうとするのもいいかもしれない。
お湯を沸かすとかっこいい
しかしこれは一応、何かを熱するためにある。とりあえずお湯を沸かしてみる。
せっかくなのでアウトドアっぽいクッカーを使ってみよう。
ふ、沸騰した!!!!!!
かっこいい。スノーピークのカセットコンロで沸かすお湯はかっこいい。信じられないくらいかっこいい(完全に個人の感想)。
収納スペースを取らないところも良い。立てて置くならこんな感じ。
寝かせてもいいな。
お湯を沸かすだけでこんなにかっこいいのだから、鍋をしたら僕はどうなってしまうんだろう?
友だちの家に持っていって鍋をすることにした。トートバッグにさっと入れて持ち出した。
カセットコンロをこんなに軽快に持ち運ぶのは初めてかもしれない。
まるで鍋が浮いてるように見えるぞ
作ってみたのはナムプラーとレモンが効いたエスニックな鍋。海老とイカは暑い日でも最高だ。
この鍋が浮いてるような感じ、いい〜。
このメカメカしいところが男心をくすぐるのだ。もちろん鍋をどっしりと受け止める安定感もある。
足の部分に刻印されている、さりげないロゴ。よしよし。
さて肝心の鍋だが、かっこいいカセットコンロで温めると、味もキリッとしておいしかった。
こころなしかいつもより海老とイカがぷりぷりしていたし、えのきもキュッとした歯ごたえで、豆腐もふっくらしていた(完全に個人の感想です)。
友人に「かっこいいカセットコンロで食べるとやっぱり味も違うね!」と言ったところ、微妙な顔をしていた。
HOME & CAMP バーナーはその名の通り、家の中で使ってもかっこいいし、外で使うにもばっちりな携帯性の良さがある。色は黒、カーキ、シルバーの3色展開。
気になるお値段は……
9980円です(税別)。
ただ買ってよかったとは思っている。梅雨が明けたら、さっそくどこかピクニックに持っていきたい。
(編集/メルカリマガジン編集部、写真/鳴海淳義)