「金魚育成に欠かせないのは、水・餌・知識本」。そう話すのは、5つの水槽で何百匹もの金魚を同時に育てる、芸能界屈指の「金魚育成家」の照英さん。
「金魚たちにはできるだけ長く生きてもらいたい」と強く思い、これまであらゆる手を尽くしてきた照英さんが明かす「マストアイテム」とは。(編集/メルカリマガジン編集部、撮影/藤原慶)
金魚が生きていくための「水」をつくるアイテムたち
(左から)テトラ ナイトレイトマイナス(テトラ)、テトラ アクアセイフプラス(テトラ)、Bio スコール(ベルテックジャパン)、テスト 6in1(テトラ)、金魚の天然珠塩(スドー)、特撰かきがら徳用 600g(スドー)
照英さん
人間に酸素が必要なように、魚には水が必要で、その温度や水質が重要になります。特に、水道水にはカルキっていうのが入っているので、それを抜くために薬を入れるんです。その薬を調整する試験シートも使っています。Ph調整っていって、金魚にいちばん適した水質に調整していく。それが合っていないと、病気になってしまうんです。牡蠣殻(かきがら)を砕いたものは、水を酸性からアルカリ性に変えてくれます。
あとは、海の魚と同じで多少の塩分があったほうが呼吸しやすいらしくて塩を入れているのと、外で飼うのと違って家の中では水の中に酸素が発生しないので、エアポンプを入れてバクテリアを発生させる。水作りは自分のなかでいちばん難しい。水が宝物。たとえ金魚育成をやめてしまったとしても、水は捨てるのを迷うくらい。
種類や育て方、病気の種類や治療もわかる知識本たち
(左、上から)『知っておきたい 魚の病気と治療』(畑井 喜司雄、小川 和夫、柴田 俊幸 著)、『楽しい金魚の飼い方・育て方―金魚のすべてがわかるカラーグラフとポイント解説』(田中深貴男 監修/永岡書店)、『ときめく金魚図鑑』(尾園暁 写真・文/岡本信明 監修)、『金魚百変化 金魚春秋-操業文政二年からの知恵と極意』(金魚の吉田 監修/金魚春秋)、『新らんちうのすべて』(川田洋之介 著/エムピー・ジェー)
(右、上から)『原色金魚図艦-かわいい金魚のあたらしい見方と提案』(川田洋之助 監修/池田書店)『金魚 飼い方・選び方―品種カタログ付き』(大野成実 著/西東社)『新鑑賞春秋』(ニチドウ)
照英さん
昔から熱帯魚は育ててきましたが、金魚を育てるのは初めてだったので、育て方や病気の種類・対策などについてはとにかく本を読み漁りました。金魚の種類を知るための本もあります。もちろん『深見養魚場』の深見さんや、『金魚の吉田』の吉田会長といったプロの方々にも教えていただくのですが、日々育てる中ではこうした本を読んで勉強・実践しています。
金魚の種類によってエサも変わる
(左から)コペポーダ100(ニチドウ)、咲ひかり金魚 稚魚用 緩慢沈下(キョーリン)、赤虫ソフト(ニチドウ)、メディゴールドIGP 浮上性(日本動物薬品)、メディゴールドIGP 沈下性(日本動物薬品)
照英さん
病気の免疫ができて成長が早くなるエサや、浮くエサ・沈むエサがあります。金魚の種類によっては、沈んでいるエサしか食べられない。背びれがあって、浮いているエサを食べられる金魚もいます。いろいろな種類の金魚を育てているので、エサは使い分けます。
金魚を長く健康に育てるための薬たち
照英さん
水のPh濃度が合わないと病気になってしまいます。病気になっても治療はできるんですが、こういった薬を使って“薬浴(やくよく)”というのをしてあげなくちゃいけないんです。早めに気づいて治療して、他の金魚と隔離しないと感染してしまう。早く気づかないと水槽の中みんな死んじゃうんです。
稚魚の誕生と成長をサポート
照英さん
これは金魚が産卵のときに使う、藻に見立てたスポンジですね。ここに金魚が卵を産みつけるんです。稚魚を隔離して育てるための保護ネットです。中に稚魚を入れて浮かせておきます。これまで多くの金魚たちを稚魚から育ててきましたが、これから生まれる新しい命も大切に育てていくために、水や餌、環境に注意して、あらゆる手は尽くしていきたいと思っています。今回ご紹介した金魚アイテムはごく一部。これからもどんどん増えていっちゃうんだろうなあ。
照英(しょうえい)
1974年、埼玉県生まれ。学生時代、やり投げで全国区の選手として活躍。大学卒業後はファッションモデルとして活動、ジョルジオ・アルマーニなど数々のショーに出演する。
その後、テレビにフィールドを広げ、タレント・俳優としてさまざまな番組に出演。『筋肉番付』などで脚光を浴び、高い身体能力と明るく屈託のないキャラクターで人気を集める。現在はドキュメンタリー、料理・旅番組などでナビゲーターとしても活躍。私生活では3児のパパとして子育てにも奮闘中。