アパレル2022.03.11

「マルジェラオタク」の四千頭身 都築拓紀。メルカリで偏愛コーディネート【REAL CLOTHES by mercari #5】

時代を超えたさまざまなアイテムをメルカリで探し、リアルなユーズドアイテムの楽しみ方を紹介する連載「REAL CLOTHES by mercari」。

いまや洋服が、いつ、どこにいたって、スマホで購入できる時代。大の古着好きである四千頭身 都築拓紀さんは、ヴィンテージものから高額なブランドアーカイブ品まで、あらゆる古着をメルカリで購入するのだとか。

#5では、都築さんがメルカリで購入した私物をセルフコーディネートとともに紹介。偏愛する「マルジェラ」の魅力やアイテムごとのポイント、狙った古着を見つけるための検索術について、語ってもらいました。
(撮影/山本恭平、執筆/高阪正洋[CORNELL]、編集/メルカリマガジン編集部)


※撮影は飛沫防止シートの使用や除菌を徹底した上で行っております。

「マルジェラオタク」がメルカリで見つけたもの

コーディネート① お気に入りのマルジェラで全身コーデ

−−−古着のなかでもとりわけメゾン マルジェラがお好きだそうですが、どんなところが魅力ですか?

今回私物をセレクトしていて改めて気づいたんですが、マルジェラオタクみたいです(笑)。メルカリで買ったアイテムはマルタン期(マルタン・マルジェラ本人がデザイナーを務めた1997〜2003年まで)のものが多いですね。

特に気に入っているのは通称「ハの字ライダース」と呼ばれているマルジェラの定番アイテム。この2002年に発売されたモデルの「ユーズド感」は、群を抜いてカッコいいんですよ。

Jacket ・Tops・Pants・Belt・Necklace・Key Chain… (ALL)Maison Margiela(メルカリ)

−−−メルカリでの購入価格を聞いてもいいですか?

いいですよ(笑)。ライダースは約30万円でした。これ、何がいいって、ヤレ感やアタリといった着古した生地感をデザインとして加工してあること。その具合がとても自然なんですよね。これまでたくさん古着を見てきたので、加工なのか本物の経年変化なのかは判別できるつもりですが、これに関しては肉眼では分からないレベル。そこがめちゃくちゃカッコよくて。

−−−育ちきった古着のような迫力がありますね。

そうなんですよ。古着って、自分で育てていく醍醐味もありますが、このライダースはヤレ感やダメージが完璧に表現されている。コーティングされてあるのでこれ以上味は出にくいですが、それでまったく問題ない、完成された逸品です。

−−−ジャケット以外のアイテムについても、古着ならではの好きなポイントを教えて下さい。

スニーカーですね。この「ジャーマントレーナー」もマルジェラの定番アイテムですが、僕は通称「落書き ジャーマントレーナー」と呼ばれるマルタン期のものを買いました。復刻モデルも登場しているのですが、やはりオリジナルは雰囲気が抜群にいい。ボールペンの筆圧を思わせるイラストのタッチや、日焼けや色落ちといった劣化が味わい深くて。その製造年代にしか使われなかった素材や縫製、ディテールは、古着の大きな魅力ですね。

ちなみにこれは僕が初めて買った高額の古着アイテム。これを皮切りに金銭感覚がどんどんおかしくなって、いまに至ります(笑)。

Shoes…Maison Margiela(メルカリ)

欲しいアイテムを見つけるテクニック、「偶然の出会い」が広がる検索ワード

コーディネート② 一目惚れ購入アイテムで全身コーデ

−−−育てる楽しみや経年劣化、その年代特有のディテールが古着の魅力ということですね。

そうですね。このスタイリングはオンリーワンの存在感を放つアイテムで揃えました。色合い、ヤレ感やダメージなど、唯一無二のインパクトがあるものばかり。だからこそ、着こなしたときにめちゃくちゃカッコいいだろうなと。

なかでも、ヨウジヤマモトの「花と少年期 牡丹の花のパンツ」は気に入っています。僕の生まれ年である1996年製です。

Pants…Yohji Yamamoto(メルカリ)
Shoes…CONVERSE(メルカリ)

−−−こうしたアイテムは、メルカリでどうやって探すのでしょうか?

欲しいと思っているアイテムを探す際は、まず色やアイテム名で検索します。そんなときに、「この商品を見ている人におすすめ」などを経由して思ってもいなかったいいものに出会うことがあるんです。このパンツをメルカリで見つけたのも、もともと2001年くらいのヨウジヤマモトの花柄パンツを友達が持っていて、それを自分も欲しいと思って探していたとき。履いている「1970年代のコンバース」もそう。最初はマルジェラの真っ赤なジャーマントレーナーを探していたんですが、偶然見つけたこっちのほうがいいかも?と。

あえてそうした偶然の出会いを狙って、検索ワードは絞りすぎないようにしています。例えば、ラフ・シモンズのヴァージニアクリーパー期のアイテムが欲しいと思っても、「“ヴァ”ージニアクリーパー」で入力されている商品もあれば、「“バ”ージニアクリーパー」で入力されているものもある。そうしたキーワードすらない商品もあります…。

−−−なるほど。狙ったアイテムを手に入れるためには、遠回りでもあらゆる可能性を見ていく必要があると。ほかに検索テクニックはありますか?

例えばあるスニーカーの黒と白が両方欲しいときには、「黒 白」と一括で検索せずに、黒は「黒」、白は「白」と順番に見ていきます。画面に表示されるアイテムが多すぎると、「いつまで続くんだろう」と集中力が欠けてしまいますから。

Hat…NUMBER (N)INE(メルカリ)
Jacket…古着(メルカリ)

−−−検索術のほかに、メルカリでの失敗しない買い物のコツを教えてください。

オンラインで購入する際に僕が大事だと思うのは、自分の体型をしっかりと数字で把握をすること。着丈、身幅、肩幅さえ分かればトップスを、股上、股下、裾幅、総丈が分かればパンツを買いやすい。そうした数字を基準にすれば、買い物のハードルも下がります。

−−−なるほど。

もちろん数々の失敗もしてきましたよ。だからこそたどり着いた境地でもある。かれこれ4〜5年はメルカリで服を買っていますからね。養成所時代からなので、実は芸歴よりメルカリ歴の方が長いんです(笑)。

服は着れば着るほど、自分に似合うようになる

コーディネート③ 「超ヘビロテアイテム」で全身コーデ

−−−「超ヘビロテアイテム」のなかでも頻繁に着用しているアイテムはどれですか?

難しい質問ですね(笑)。どれも本当によく着ています。リーバイスのデニムも捨てがたいですが、特にナンバーナインの「バルーンニット帽」がお気に入りです。本当によくかぶっていて、素材違いでいろいろ持っています。もともと友達が持っていたものをかぶらせてもらって、その時は「自分には全然似合わないし、そもそもどうかぶるのが正解なの?」とピンと来なかったのですが、クセのあるシルエットだったからか、不思議と忘れられなくなっちゃって(笑)。後日メルカリで見つけて購入しました。
−−−とてもよく馴染んでいますよね。

とにかくよくかぶっていますからね。洋服って、着れば着るほど自分に似合うようになるものなんですよ。着こなし方が分かってくるというのか。例えばパンツだと、どの位置でベルトを締めたら理想のシルエットになるか、とか。

−−−洋服と自分とのシンクロ率を100に近づけていく、みたいなことなんでしょうね。

そうですね。だから、気に入って購入したアイテムは、とにかく早く着たいんです。

そういえば最近、メルカリのシステムが進化して、配達状況まで細かく確認できるようになったじゃないですか? 仕事現場で「配達完了」のサインを見たときは、もうソワソワして仕事が手につかない(笑)。1秒でも早く家に帰って、商品を手に取りたくて。

Hat…NUMBER (N)INE(メルカリ)
Jacket…Yohji Yamamoto(メルカリ) 
Shirt…古着(メルカリ)
Jeans…Levi’s(メルカリ)

ーーー最後に、ファッションの魅力や情報を発信する意義や面白さについて、どのように感じているかお聞かせください。

Instagramはあえて芸人要素をゼロにして、「仕事につながったらいいな」とファッションに振り切ってみたんです。そうやって目的意識を持って動いたことで、実際、こうしてファッションにまつわる仕事ができるようになりました。自分次第で“好き”を仕事にできるということを伝えられた気がします。

また、僕がもともとファッションを専門に扱うインスタグラマーやユーチューバーではないからこそ、洋服や古着、そしてまたお笑いの楽しさを、より広い層に発信できているように思います。芸人としての僕のファンが洋服に興味を持ってくれたり、ファッション好きの方がお笑いに興味を持ってくれたり。その橋渡しの役割を果たせているのではないかと、いまそんな風に感じているところです。
都築拓紀(四千頭身)
https://www.instagram.com/tzk4000/

2016年、後藤拓実、石橋遼大とともにお笑いトリオ「四千頭身」を結成。大の服好きで、ヴィンテージやブランドのアーカイブ品といった古着に目がない。自身のInstagramや四千頭身の公式YouTubeチャンネルなどでも、そのファッション愛を熱く語っている。
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メルカリマガジン編集部

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