2019.08.16

高山都が惚れた陶芸作家5人の器

好きなものはとことん追求して、使い続けるタイプだという高山都さん。数ある器コレクションの中でも、特にお気に入りの陶芸作家さんの作品を5つ教えてもらいました。(編集/メルカリマガジン編集部、撮影/川原﨑宣喜)

鳥取県の牧谷窯の「練り込み皿」

高山さん

私が器に興味を持つきっかけとなった、鳥取・島根の器を扱う展示で知った窯元さんです。牧谷窯は「練り込み」という、色や濃淡の違う土を重ねて模様を作り、それをカットして型にはめて焼くという特殊な技法でつくられています。これはここ5年ぐらいずっと欲しかったボーダー柄のお皿。撮影で鳥取に行った時に、奇跡的に買うことができました。

牧谷窯の杉本義訓さんは、メディアの取材などをあまり受けていないようでした。でもせっかく鳥取に来たからには…と思っていた。そうしたら、偶然飲んでいたスナックでご一緒した方が、杉本さんの同級生で(笑)。繋いでいただいて、幸運なことにOKをもらえて、お邪魔しました。貴重な体験をさせてもらいました。

沖縄県の大嶺工房の「オーバル」

高山さん

「珊瑚色」と「海の青色」が映えるオーバルです。これらは約2年半前に、人から譲りうけたもの。唐揚げなど茶色い料理でも、このオーバルのようなビビットな色が入るだけで、テーブルが一気にあか抜けます。さらにレモンなんかを置いたら!

大きさもちょうどいいんですよね。丸いお皿ばかりが食卓に並んでいても、1つオーバルが入るだけで、ヌケが作れて、オシャレ度がアップします。

栃木県の佐々木康弘さんの「ボーダーマグカップ」

高山さん

私が器を好きになった頃からファンです。東京のイベントなどに出展されている時からコツコツ集めていたのですが、益子町で活動されている佐々木さんに陶器市でお会いした時はうれしかったなぁ。今は相当な数持っています。

佐々木さんの作品はお皿でもカップでもボーダーが特徴的なのですが、このカップも色合いが絶妙で、かわいいですよね。コーヒーを入れるのもいいけれど、お味噌汁なんかを入れても映えます。

岐阜県の小澤基晴さんの「輪花豆皿」

高山さん

私が初めて器の個展に行ったのも、初めて作家さんにお会いしたのも、小澤基晴さんでした。小澤さんはとても物腰が低い方なのですが気品があって、器好きの人たちから“王子”と呼ばれていたりします(笑)

この「輪花豆皿」は5年ほど前に友達からプレゼントしてもらいました。小澤さんの作品、特に翡翠釉のお皿は本当に手に入れるのが難しく、小澤さんの個展で購入しようと思ってもすぐに売り切れてしまいます。だからプレゼントしてもらった時は、とてもうれしかったなぁ。和菓子を乗せたり、お刺身を食べる時の醤油皿として使ったりして、大切にしています。

千葉県の竹村良訓さんの「スープカップ」と「酒器」

高山さん

竹村良訓さんの作品は色合いも形も魅力的です。

まずスープカップ。持った時に手に馴染む、まあるい形が気に入っています。パキっとしていない曖昧な色合いも好きです。市販のかぼちゃのスープや味噌汁などを入れるだけで、めっちゃかわいいんです。

高山さん

そして、やさしい色合いの酒器。一応おちょこなのですが、お酒ではなくお茶を入れて飲んでもいいし、ちょっとした和え物や冷菜を盛り付けてもかわいい。何ならお花を生けても素敵です。

質感や色、形など自分の好みで器を集めるのも楽しいのですが、作り手の方々のこだわりや世界観を知ると、さらに器への愛着が深まる気がします。今回ご紹介した子たちとは、きっとずっと一緒に暮らしていくのだろうなと思います。

高山都(たかやま・みやこ)
1982年生まれ。大阪府出身。モデル、ドラマや舞台の出演、ラジオ番組のパーソナリティなど幅広く活動。趣味はランニングと料理。著書に『高山都の美食姿「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ。』、『高山都の美食姿2「日々のコツコツ」続いてます。』(ともに双葉社)。webマガジン「&w」にて、器についての連載『高山都の、日々うつわ。』もスタート。

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WRITTEN BY

五月女菜穂

(そうとめ・なほ)1988年、東京都生まれ、横浜市在住。朝日新聞記者からフリーライターになりました。好きなものは、旅と演劇。世界一周を含め、渡航国は45カ国超え!

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