スニーカー2020.07.01

夏こそ「エアジョーダン」 高田純次さんと推しモデルを語り倒してみた

スニーカーが大好きで、これまで300足以上を履いてきたという高田純次さん。なかでもお気に入りは、バスケットシューズの名品「ナイキ エアジョーダン」シリーズ。もはやバッシュの代名詞ともいえるジョーダンの魅力を、スペシャルゲスト高田さんと「メルカリスニーカー部」のメンバーが語り尽くします。愛用している私物のジョーダンや、1足目にオススメのモデル、いまスニーカー界大注目のコラボなど、ジョーダン談義はノンストップで大盛り上がり! マニアの方も、これからデビューの方も、ジョーダンが欲しくなること間違いなしです。(編集/メルカリマガジン編集部、撮影/いわなびとん)
*この座談会は2020年2月に行われました。

高田純次(たかだ・じゅんじ)

1947年、東京・調布市生まれ。都立府中高校を経て、68年に東京デザイナー学院を卒業。『適当論』『高田純次のチンケな自伝』など著書も多数。現在テレビ番組「じゅん散歩」「ぴったんこカン★カン」にレギュラー出演。

田面木 宏尚(たものき・ひろひさ)

GMOクラウド株式会社、ピクシブ株式会社等を経て、2017年2月に執行役員としてメルカリに参画。 18年10月に執行役員メルカリジャパンCEO、19年9月より取締役メルカリジャパンCEOに就任。

徳永 幸大(とくなが・こうだい)

株式会社ユナイテッドアローズ、自身でブランドやアパレルの製造、企画会社等を経て、2017年9月よりメルカリに参画。

1985年のエア・ジョーダン1

高田:君たちもジョーダンが好きなの? 冗談はやめてよ〜僕も大好きなんだから。
田面木&徳永:冗談ではないです(笑)。
田面木:僕たちもスニーカーが大好きで、メルカリの部活「スニーカー部」で日々情報を交換しています。メルカリマガジンのインタビューで高田さんがジョーダン好きだと知って、社内でも話題になってたんですよ。
高田:スニーカー好きのお仲間に会えるのは嬉しいねえ。でも僕ジョーダンは好きでよく履いているんだけど、詳しいわけじゃないのよ。今日はオススメとか教えてね。
田面木:もちろんです! 高田さんが履いたら絶対カッコいいと思うモデルも考えてきました。
高田:いまエアジョーダンのモデルっていくつまで出てるの?
田面木:最新が34ですね。
高田:そんなに!
徳永:高田さんが最初にジョーダンを履かれたのっていつなんですか?
高田:ちょうど『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』がはじまったときだから、85年かな。
田面木:85年!?
徳永:エア・ジョーダン1(ファースト)モデルが発売されたのが84年末なので、めちゃくちゃ最先端じゃないですか!
高田:そうそう、番組で所(ジョージ)くんとハワイロケに行って、一緒に古着屋さんに寄ったら、ガラスケースの中に発売したばかりのジョーダン1が飾ってあったのね。それで「紺と黒」のモデルを所くん、「赤と白」のモデルを僕が買ったのよ。
田面木:すごいなあ。去年85年の復刻版レッドカラーが出て、すごい話題になってたんですよ。
徳永:僕も抽選のとき1人で大騒ぎして、ナイキ本社があるオレゴン州の方角に向かって「これから冠婚葬祭にも履いていくのでどうか当ててください」って毎日お祈りしてたんですよ!
田面木:よく方角分かったね(笑)。
高田:僕は初めて履いたファーストがすごくカッコよかった記憶もあって、ジョーダンには思い入れがあるんです。それに自分が若い頃は、バッシュっていったら白しか知らないから。色がついているってだけでテンションが上がるのよ。
徳永:そうか、当時バッシュの定番だったオールスターも、白以外はほとんど作られてなかったですもんね。
高田:そもそも僕が10代のとき、まだナイキは誕生してないからね。高校1年のときに友だちがバスケ部に入って、「オニツカ・タイガーのバッシュがほしい」って言ってたのをよく覚えてるよ。でも高くてね、子どもには買えなかったんだけど。
徳永:ちょうどナイキの創業者フィル・ナイトがオニツカの技術に惚れ込んで、アメリカでの販売代理店契約を結んでいた頃ですよね。
高田:少年時代に憧れていたオニツカ・タイガーの潮流からナイキが誕生して、こんな人気になるとはね。あの頃は想像もできなかったなあ。
徳永:いまナイキとオニツカの関係性を知っている若い人は、あまりいないかもしれないですね。

高田さんのお気に入りジョーダン11

高田:ジョーダンは形も美しいけど、やっぱり色の使い方が冴えてるよね。歴代のデザイナーって何人いるの?
田面木:ジョーダン14までは、たしかほとんど1人だったよね?
徳永:ジョーダン 1と2は、後にアディダスのロゴを作ったピーター・ムーアと、当時エアフォース1を手掛けていたブルース・ギルゴアという2人のデザイナーの共同開発です。その後のジョーダン3から14は、ティンカー・ハットフィールドというナイキの伝説的なデザイナーの仕事ですね。エア・マックスの生みの親でもある、すごい人なんです!
高田:へえ〜! もっといるのかと思ってた。
徳永:6からジョーダン本人もわりと細かく要望を言うようになったみたいですね。
高田:僕はファーストに思い出があると言ったけれど、モデルとしてはジョーダン9と11が好きなんです。
田面木:おおーなるほど。9はジョーダンがメジャーリーグに入った時期で、スパイクをイメージして作ったモデルですよね。
高田:好きでよく履いてたんだけど、昔から持ってた9はソールが加水分解しちゃったんだよね。新しいやつは大丈夫かもしれないんだけど、それからジョーダン11の方をよく履くようになったかな。
田面木:最初の11を買ったのはいつですか?
高田:うーん、確か95年くらいかな。
田面木:じゃあ最初の11モデルですね。
高田:その時はローカットを買ったんだよね。で、今日履いてきたのは当時買ったやつと同じモデルのハイカットなんだけど、これメルカリで買ったのよ。
徳永:エアジョーダン11 レトロのブラック/ジムレッド-ホワイト! 1995-96年シーズンにシカゴ・ブルズが記録した"72勝10敗"という偉業を称えたスペシャルモデルですね。
高田:だからブルズカラーの赤と黒なんだ。
徳永:ジョーダン本人の「フォーマルなファッションにも合うスニーカーにしたい」というオーダーをとことん追求したデザインで、それまでレザーが一般的だったアッパーにパテント、タンブルレザー、スウェードといった異素材を使ってるんですよね…カッコいい…。

高田さん愛用の「エアジョーダン11 レトロ ブラック/ジムレッド-ホワイト」

田面木:サイドのジャンプマンがメタリックになってるのも洒落てますね。
高田:エナメルのパーツもいいよねえ。あと、昔から僕はスウェードの靴が好きなんです。一時期は100足くらい持ってたかな。黒いスウェードの靴ってエロチックなのよ、なんか足からゾクゾクするっていうか。僕は靴に関しては変態なんだよね、普段はただの気を遣うSなんだけど。
田面木&徳永:気を遣うS(笑)。
徳永:あれ……これ95年のオリジナルのやつですね。
田面木:えーすごい綺麗!
高田:あ、そう? メルカリで確か1万8000円とかでしたよ。
徳永:なんと! でもオリジナルって加水分解とかを考慮して、意外と安く出てるのもあるんですよね。これはすごく状態良いですね。
高田:そうか、掘り出し物だったんだ。僕は気になってるスニーカーのモデルと自分のサイズを、いつもメルカリの検索条件で保存してるのよ。
田面木:僕もまったく同じことしてます(笑)! 使いこなしてくださってて嬉しいです。

『スラムダンク』世代に刺さるジョーダン6

高田:お二人のジョーダンとの出会いはいつ?
徳永:僕は中学からバスケ部だったので、やっぱりジョーダンには特別な憧れがありましたね。当時親父が履いてたんですが、「お前にはまだ早いだろ」みたいなことを言われてたのでなおさら(笑)。今日履いてきたのはジョーダン6の通称マルーンカラーと呼ばれているものです。1991年に発売されて凄い人気で、2015年に復刻版が出たので買いました。
高田:あまり見かけない絶妙な色だね。

徳永さんの「エアジョーダン6 レトロ “マルーン”」

徳永:ちょっと栗っぽい色だからマルーンなんですね。
田面木:かっこいい! やっぱり僕たちの世代はジョーダン6には思い入れがあるよね。
高田:それはどうしてなの?
田面木:10代のときに『スラムダンク』っていうバスケ漫画が大人気だったんですけど、主人公の桜木花道が一番最初に履いたバッシュなんですよ。
徳永:そうそう! 確かジョーダンマニアのスポーツショップの店長から、無理やり30円で貰うんですよね(笑)。1990-91年シーズンに、ジョーダンがNBA初優勝したときに履いていたシューズで、『スラムダンク』連載当時に人気絶頂だったバッシュです。
田面木:花道はジョーダン6でめちゃくちゃ練習して穴が空いて、2足目はジョーダン1を店長から100円で買うんだよね(笑)。同時代的にすごく思い入れがあるモデルなんですが、実は僕、ジョーダンだけは買わないって決めてたんですよ。あまりにもスニーカーが増えるから、手を出したらもう終わりだと思って…。
高田:分かりますよ。僕のとこは家の階段に並べていた靴が雪崩を起こして、いま2階に上がれないもの。
田面木:すごい、でも他人事じゃない(笑)。だけど僕もついに、去年1足目を買ってしまって…これだけはどうしても欲しくて。トラヴィス・スコットっていうラッパーとコラボしたジョーダン6です。

田面木さんがついに手にした1足目「トラヴィス・スコット×ナイキ エアジョーダン6オリーブ」

徳永:しかもこれ、靴底が暗いところで光るんですよね。
高田:遊び心があるデザインがいいね〜。去年の夏に出たジョーダン4のレトロフライニットっていうやつもカッコよかったのよ。ちょっとメッシュみたいになってて。
田面木:いいですね! 僕は今年発売したジョーダン5と「オフホワイト」のコラボが気になってました。あとジョーダンで最近一番注目を浴びているのは、「Diorジョーダン」ですよね。サイドのナイキのロゴマークがDiorのモノグラムになってるという。
高田:すごいね、Diorみたいなハイブランドとコラボなんてするんだ。
徳永:いやあ、事件ですよね。ただ個人的にはダブルネームとかコラボ系よりも、高田さんが今日履いてらっしゃるブルズカラーとか、ジョーダンの母校のチームカラーをあしらったノースカロライナカラーとか、定番の色にぐっとくるタイプです。

高田さんにオススメの“変化球”ジョーダン

田面木:僕、高田さんが履いたら絶対カッコいいと思ってるジョーダンがあるんです。
高田:なになに? 
田面木:実はナイキではなくて、「エンダースキーマ」という日本のシューズブランドの靴なんです。有名なスニーカーをヌメ革のみを使って再現した「オマージュライン」が人気のメーカーなんですが、エアフォース1とかジョーダン4をオマージュしたスニーカーもあるんですよ。
高田:えー! ジョーダンを総レザーで作ってるの?
田面木:はい、他にもアディダスやリーボックなんかのモデルもあります。最近、オマージュされた側のブランドが、逆にエンダースキーマとコラボモデルを出したりもしているんですよ。この総レザーを高田さんが履いていたらめちゃくちゃカッコいいと思うんですよね…。
徳永:特別感ありますよね。ヌメ革だからどんどん色が馴染んでいって、履くほど味が出るのも素敵ですね。ジョーダン本家からもヌメ革のモデルが発売されているのですが、そちらも高田さんに似合いそう!この革のジョーダン4はジャスティン・ビーバーが履いていたことでも話題になりましたよね。
Nike Air Jordan 4 Retro Premium(ナイキ・エア・ジョーダン・4・レトロ・プレミアム)のニューカラー「Ginger/Gum Yellow (ジンジャー/ガム・イエロー)」。アッパーがジンジャーカラーのレザー素材に統一されており、各種プラスティックパーツ、シューレースの素材もレザー素材に変更されています。国内レザークラフトブランドのHender Scheme(エンダースキーマ)のオマージュモデルを彷彿とさせる注目のオールレザースニーカーとなります。
ジャスティン・ビーバーも着用した話題のスニーカーです。

NIKE AIR JORDAN 4 RETRO PREMIUM

Nike Air Jordan 4 Retro Premium(ナイキ・エア・ジョーダン・4・レトロ・プレミアム)のニューカラー「Ginger/Gum Yellow (ジンジャー/ガム・イエロー)」。アッパーがジンジャーカラーのレザー素材に統一されており、各種プラスティックパーツ、シューレースの素材もレザー素材に変更されています。国内レザークラフトブランドのHender Scheme(エンダースキーマ)のオマージュモデルを彷彿とさせる注目のオールレザースニーカーとなります。
ジャスティン・ビーバーも着用した話題のスニーカーです。

高田:いいね〜ブイブイだね〜。でも意外かもしれないけど、僕こういう高級感のある靴を履いてると、緊張して足がカックンカックンしちゃうのよね。雨降らないかなとか気になって、天気予報も1日中見ちゃうのよ。
田面木&徳永:すごい分かります(笑)。

ジョーダンデビューならやっぱり「ファースト」

徳永:いまジョーダンもコラボレーションや復刻版含め、いろいろ出てるじゃないですか。このあいだ会社の同僚に、1足目買うならどれがオススメですかって相談されたんですけど…
高田:難しいなあ。
田面木:いや、難しい。
徳永:ほんと、難しいですよ。
高田:でもファーストのあの形はもうね、歴代のジョーダンの中でも最高の形だと思うんですよ。
田面木&徳永:間違いないです。
徳永:1足目だったらやっぱりファーストがいいかもですね!
田面木:ジョーダンの基本ですからね。
高田:あとはやっぱり11かなあ。これ履いてる人を見ると「あれっ」てなるよね。
田面木:なりますね。11ってど真ん中じゃないし、そこまで履いている人も多くないから「あ、好きなのかな」ってなりますよね。いろいろ履いて11にたどり着いたんだろうなという感じがします。僕もさっき高田さんの見て、欲しくなっちゃいました…。
徳永:僕もです(笑)。
高田:2のラインも良いんですけどね。濃いグリーンのモデルがあるんだけど、いい感じなのよ。
徳永:ちょっと丸みのあるフォルムで、かわいいんですよね。
田面木:あと1と2は抜群にコーディネートしやすい感じがありますよね。デザインもシンプルなものが多いから、ファッションに合わせやすいし。
徳永:カラフルなものじゃなくて、単色ベースのものを選ぶとさらに着回しがききますね。本当は6も勧めたいけど、なかなか売ってないかもしれないです。
高田:メルカリだったら見つかるかもね。
田面木:1足目だったらファーストで、“通”な感じを出したかったら11とか6がオススメですね。さらにマニアックに攻めるんだったらジョーダン・マーズとかも面白いかも。
徳永:スパイク・リー監督のシグネチャーラインですね。去年リバイバル出てるんですよ。
田面木:すごいカッコいいんだけど、普段使いはしづらいから2足目以降がいいね。
高田:なるべくなら普段使いしたいっていうのはあるよね。あと、初めて買う人はいつものサイズより1センチ大きいのを試してみるといい。
徳永:確かに。ジョーダンってシュッとしたデザインで、比較的細長に作られてるんですよね。僕ら日本人って足の幅が広めなので、サイズアップするのがいいかもしれないです。

女性がジョーダン履いてたら好きになっちゃう

徳永:女性がジョーダン履くのも…
高田:かっこいいじゃないのよ!
田面木:好きになります!
徳永:最高ですよね(笑)!
高田:女性にこそ履いてほしいくらい。ハイカットはスカートとの相性もいいと思うのよね。脚もきれいに見える。靴はセクシーだよねえ。
田面木:ファーストは男女問わず履きやすいと思いますね。
高田:ファーストって比較的普通じゃない。でも2・3・4とか女性が履いてたらグッとくるね〜。
田面木:確かに。女性が変化球の11とか履いてたら、尊敬しちゃうかもしれないです。「おっ、そこ行くんだ!?」って。
高田:こないだローラが夜遊び行くときに履いてたな、ジョーダン11。
田面木:え?! 高田さん、ローラさんと夜遊びに行ったんですか?
高田:ううん、ネットニュースで見たの。
田面木&徳永:(笑)。
田面木:個人的にはこれまでハイカットがいまいち上手く履きこなせなくて…どうしてもローカットばかり買ってしまってたんですけど、ハイカットのジョーダンカッコいいなと今日で再認識しました。
高田:やっぱりジョーダンといえばハイカットだよね。僕は真っ赤なジョーダンをジーンズと合わせるのも好きなんだけど、ちょっと短めの丈のボトムスと合わせて靴下をチラ見せするものいいのよ。
徳永:分かります、ハイカットだと靴下の見え方が絶妙なので、少し派手な色や柄でも遊べますよね。
高田:あとこれから暑くなってきたら、短パン履いて足元をばーんと見せたいよね。一番ハイカットの形を綺麗に見せられるのって、やっぱり短パンな気がするんだよね。
田面木:いいですね! 夏に短パンとジョーダン履きたくなってきました。
高田:人と会うときも靴を見てほしいからすごい大股に歩いたり、座ったときもテーブルから両足を「どう?」って感じで出しちゃうのよ。
田面木&徳永:すっごく分かります(笑)。
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メルカリマガジン編集部

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