記事で読む2026.09.07

「いま手放したいのは、昔の結婚指輪」過去のモノとの向き合い方

後半のテーマは「売ること、手放すこと」。前のパートナーとの結婚指輪を売りたいという話から、過去のパートナーにもらったもの、自分の本が中古で売られること、そして絶対に手放せないものまで。(取材・執筆/長畑宏明、撮影/山田沙百合、編集/メルカリマガジン編集部)

手元に残ってしまった前の結婚のカルティエ「ラブリング」

――後半のテーマは「売る」「手放す」について。最近、売りたいものはありますか?

前の結婚のときの結婚指輪ですね。カルティエのラブリング。引っ越しでかなりモノを処分したんですけど、貴金属類は小さくて邪魔にならないから、なんとなく売りそびれてしまって。別に思い出とか思い入れは全然ないし、眠らせておくのももったいないから売ろうと思ってるんですけど、貴金属に詳しくないので、売るお店を探すのが面倒で全ての後回しになってます。

――ラブリングは、なぜそれを結婚指輪に?
理由はあまり覚えてないんですが、たぶん当時は安室ちゃんの影響でそもそもとても流行っていたと思います。今の結婚指輪はエルメスです。シンプルなHの形のもの。「これがいい」と私が決めました。形になるものは欲しいタイプです。

――以前のパートナーからもらったものは?

使えるものは使います。いらないものは捨てます。「モノはモノ」という考え方なので、いいものなら、誰にもらったかとは関係なく使い続けたい。慣れ親しんだものならなおさらですね。「思い出がありすぎて使えない」という感覚はあまりないです。

――もらって困ったものは?

パスタ鍋ですね。業務用みたいな寸胴鍋をもらったことがあって、「私のこと全然考えずに買ったんだろうな」と思てしまって。パスタは普通に好きだけど、別に専用鍋でゆでる必要はないし、食洗機にも入らないし。プレゼントって、相手を想像できるかどうかが出ると思うんです。「自分ならこれをもらったら嬉しい」で選ぶと、独りよがりになりがちですよね。想像力がない人って、本当に嫌いです!(笑)

――絶対に手放せないものは?

えーっと、食洗機。あと椅子。もう生活のインフラですね。

――今、これから欲しいものは?

新居のラグです。ただ、ラグを考えていると頭がおかしくなりそうで……家具は直感で「これ」と決められるのに、ラグだけは「これもいいし、あれもいい」と可能性が広がりすぎる。これまでラグのセンサーが働いてなかったので、自分の判断軸が定まっていないんだと思います。昔クリスマスツリーを買おうとしたときも、ずっとツリーのことばかり考えて、ちょっとノイローゼみたいになったことがあって。だからラグも、人に頼ったほうがいいのかもしれないですね。

モノよりも記憶のほうに重さがある

――自分の本が中古で売買されることについては?

印税が入らないので悩ましいところではありますけど、基本的には賛成です。私も10代の、お金が全然なかった頃は古本屋さんに入り浸って、すごくお世話になりました。そこで買った一冊をずっと繰り返し読んでいた時期もある。その大切さはわかっているので、手に取るハードルは低いほうがいいと思います。ただ、本屋さんが苦境に立たされている現実もあるので、新刊が出てしばらくは本屋さんで買って欲しいですけどね。

――以前、「モノ自体にはあまり執着がない」と話されていました。

今もそうです。断捨離しようと思えばできるほうだと思います。私は、そのモノ自体よりも、そのモノと一緒に起こったことや、体験、記憶のほうに重きを置いているんですよね。しかもその体験を小説やエッセイで書き残すこともできる。だからモノそのものへの執着はそこまで強くないんだと思います。
でも、物欲は普通にありますよ。締め切り前とか、ものすごく忙しくてずっとパソコンに向かっていなきゃいけないときに、「ウニ食べたいな」と思って、締め切りが終わったあとに届くように楽天でウニを買ったり。服を衝動買いしたり。未来に楽しみを置いておきたい、というのもあるし、「今ここから逃げたい」という気持ちもある。安易にできる現実逃避が、買い物だったりするんですよね。

――買い物は現実逃避。

本当に、一瞬そこからいなくなれる技です。


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昔の恋人にもらったモノ使い続けるかどうか問題(ゲスト:金原ひとみ)

出典: YouTube

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