セーラームーンと変身願望。伊藤沙莉を支えるもの

2021年9月30日(木)より、メルカリの新しいテレビCM「メゾンメルカリ・新品じゃなくても」篇が全国(一部地域を除く)で放映開始しました。CMオリジナルソング「それ、新品じゃなくてもいいんじゃない」を演奏する「メルカリバンド」には、伊藤沙莉さんもドラムとして参加。CMにちなんで、物にまつわるこだわりについてインタビューしました。ドラムセンスが開花した今回の撮影の話に始まり、近ごろコレクター熱が再燃しているというオルゴール、最近もらった大切な贈り物についてまで、体温の通った買い物トークをぜひご覧ください。(取材・文/長嶋太陽、編集/メルカリマガジン編集部)

人のお下がりに本当にお世話になってます

テレビCM「メゾンメルカリ・新品じゃなくても」篇撮影風景

――CM撮影、お疲れ様でした。ドラムの演奏が抜群に上手だったとスタッフの間で話題になっていました。

いやあ、そんなことないですよ。ありがとうございます。指導してくれた先生のおかげです。過去に一度だけ、出演作品でドラムをやらせてもらったことがあったんですけど、もう7年くらい前。久々にドラムに触れたので全然できないかも…って思ってました。でも叩いてみたらすごく楽しくて。間違えてもいいやってくらい思いっきりやっちゃいましたね。

――先生も絶賛していたそうですよ。「それ、新品じゃなくてもいいんじゃない」の歌の印象もお聞きしたいです。

やっぱり、耳に残るから口ずさんじゃいますよね。私のマネージャーさんとかメイクさんとかみんな歌ってました。 曽我部恵一さんが作曲されているんですよね。独特の力の抜けた自然な感じが好きです。

「それ、新品じゃなくてもいいんじゃない?」の楽曲MV撮影風景

――歌詞にちなんで、伊藤さんが最近手に入れた「新品じゃないもの」がもしあったら教えてください。

ずっと探していたヴィンテージのバッグを見つけて買いました。特にブランドものっていうわけじゃないんです。昔古着屋さんで見て「こういう感じ、いいな」って思ったのに、タイミングが合わなくて買い逃していたものが偶然見つかったんです。 黒のようなこげ茶のような、絶妙な色なんですよね。あと、普段から結構洋服のお下がりをもらうことが多いんですよね。人のお下がりに本当にお世話になってます

――どなたのお下がりを着るんですか?

友達同士でも譲り合ったりするし、おばあちゃんの服が意外と可愛いことに気づいて、結構着てます。テロテロの生地のシャツをジーンズにINして合わせてみたら、ちょっとかわいいなとか思って。そういう出会いはいいですよね。古着が好きなんですよ。受け継いでいくみたいな感覚はすごく楽しいです。
――どんな古着がお好きなんですか?

昔のロゴとか、今はないディテールに惹かれます。例えば、ラルフローレンの古いシャツは、そんなに大きく変わってないけど現行のものとは違う独特な雰囲気があったりして。アディダスだったら、3本線より昔の草のような(トレフォイル)ロゴが好きなんです。オールド・アディダスのスウェットはよく探していました。人が身につけて破けた部分がいい感じに縫われたりとかしてるのも、歴史を感じて好きですね。

精神安定剤的にオルゴールに頼っている

――これから欲しいなと思っているものはありますか?

私、オルゴールがめちゃくちゃ好きなんです。昔集めていたんですけど、最近再燃していて、一気に5個ぐらい買ったんですよ。今も狙ってるのがあります。ちょっとレトロでかわいいセーラームーンのオルゴール、それこそメルカリで見つけたんですよね。いいねだけして、「どうしようかな」って時々眺めながら悩んでいるところです。

――いくらくらいのオルゴールなんですか?

結構いいお値段するんですよ。3万円くらいかな。「おい私、こんな金額払っていいのかい?」って自分と戦ってます。でもコレクター魂もあるから、「こんなに珍しいものを、何を惜しんでいるんだ!私!」とも思って。本当にまだまだ思い切りが足りないなって、ちょっと反省もしてます。いやー葛藤ですね(笑)。
――買い物って、その葛藤も楽しかったりしますよね。オルゴールを選ぶ時は、どんなポイントに目を向けるのでしょう?

まずはデザインと曲です。そこで自分の好みとバチっと合うものがあると買っちゃいますね。無類のセーラームーン好きなので、それ関連のものは無条件に気になってしまいます。あと、「魔女の宅急便」のキキが持っている赤いラジオがあって、それと同じ形をした、ルージュの伝言が鳴るオルゴールを持っていますね。オルゴールには自分の手で回すタイプと、ゼンマイ式のタイプがあるんです。自分で回す時はゆっくり目にしたり、速くしたり、好みで調節できるのが魅力ですね。それぞれに良さがあるので、バランス良く集めていきたい…といった所存です。  

――オルゴールを回す行為って、独特の情緒というか手触りがありますよね。

そうなんですよ。本当に大好き。こないだは友達に、「焦ってるとき、すぐオルゴール鳴らすのなんで?」って言われたんです。焦りながら「あ〜!」ってゼンマイを回してたらしくて(笑)。自分では全然意識してなかったんですけど、言われてみれば、ある種精神安定剤的にオルゴールに頼っているところがあるのかも

贈り合うことって、嬉しさが倍以上になるのかな

――先ほど少し話されていましたが、セーラームーンがお好きなんですね。

セーラームーン大好きです。他にも、おジャ魔女どれみとか、アッコちゃんとか、サリーちゃんとか、そういう女の子のテレビアニメが大好きで、グッズを集めたりもしていました。オルゴール熱だけじゃなくて、そういうアニメ熱も再来している状態なので、メルカリで見つけたセーラームーンのオルゴールは、今最も欲しいものの一つですね。セーラームーンのアニメの中で実際にオルゴールとして登場しているものがそのままちゃんとオルゴールになっているんですよ。私にとってオルゴールは癒しの時間なのかも。

――セーラームーンとか、アッコちゃん、おジャ魔女どれみって、みんな変身する女の子ですよね。そういう変身願望みたいなものってありますか?

ああ、変身願望、あるんでしょうね。コンパクト型のオルゴール、何個も集めていますからね(笑)。いつもの自分と違うところで輝けたら…みたいな気持ちはあるんだと思います。無意識でしたけど、そう言われて、リンクするなっていう気がしました。お芝居は、新しい自分に出会うお仕事でもあるので。
――最後に、過去を振り返って思い入れのある物との出会いについて教えてください。

少し前に、『【さり】ではなく【さいり】です。』という、自分の過去を書き連ねた本を出させていただいたんです。で、その本を自分のおじいちゃんおばあちゃんが読んでくれたんですけど、「人生を感じたよ」って、おじいちゃんがお手紙を書いてくれたんです。そこに、「君の言葉は力をくれる。すごく元気が出る言葉が並んでいた。もっと君の言葉を知りたいし聞きたい」みたいなことが書いてあって。一緒に便箋のようなノートを贈ってくれたんですよ。おじいちゃんが選んだものなので、自分では選ばないような、薄いピンクのお花のデザインだったんですけど、なんだかぐっとくるものがありました。それから、そのノートに思ったこととかを書いたりするようになったんです。ただ物をもらっただけじゃなくて、良い習慣と、自信のようなものをもらったな、と思っていて。大切にしていきたいんですよね。

――物を通して習慣をもらうって、すごくいいですね。

贈り物ってそういうことだと思うんですよ。シンプルに物をもらって嬉しいっていうのもあるけど、それが一つあることで生活が楽しくなったり、自分じゃ選ばないものが新しい興味や関心につながっていったり。だから、贈り合うことって、嬉しさが倍以上になるのかなと思っています。ちょっとなんか、かっこつけすぎましたかね(笑)。

伊藤沙莉(いとう・さいり)
1994年5月4日生まれ 女優
千葉県出身。2003年、ドラマデビュー。子役時代から独特の個性と安定感ある演技力には定評があり、シリアスからコメディまで役幅は広い。2020年、第57回ギャラクシー賞テレビ部門個人賞、東京ドラマアウォード2020で助演女優賞、2021年は第63回ブルーリボン賞助演女優賞、そして第45回エランドール賞新人賞の栄誉に輝いた。近年の出演作に連続テレビ小説「ひよっこ」(17)、「全裸監督」(19、21)、「いいね!光源氏くん」(20、21)、「大豆田とわ子と三人の元夫」(21/ナレーション)、「モモウメ」(21)、舞台「首切り王子と愚かな女」(21)など。
6月に初のフォトエッセイ「【さり】ではなく【さいり】です。」を刊行。映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』が11月5日から劇場公開&Netflix配信開始、2022年1月スタートの月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ)や2022年早春、映画『ちょっと思い出しただけ』の公開が控えている。

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メルカリマガジン編集部

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